24-25育成馬ブログ(生産④)
JRA日高育成牧場 スプリングキャンプ
~未来の馬獣医師を育てる~
放牧地の雪解けも進み、ゆっくりと春の訪れを感じさせる日高育成牧場で、今年もスプリングキャンプを実施しました。
スプリングキャンプは獣医学生を対象とした研修プログラムで2014年から始まりました。2018年からは、VPcampと呼ばれる産業動物臨床分野などでの実践的な教育プログラムを構築し、獣医学教育の高度化や国際水準化を推進するために始まった事業の一つとして実施しております。
春の出産シーズンにあわせて開催しており、研修に参加する学生は繁殖牝馬や子馬などに触れ、馬の健康管理や繁殖学について学びます。採血、直腸検査、レントゲン検査やエコー検査などの診療技術についての実習だけでなく、引き馬や馬房掃除など馬を飼養するためになくてはならない作業についても体験してもらい、馬に関わるということをより深く知ってもらう機会を提供しています。
研修で最も重要となるカリキュラムの一つが分娩監視です。出産間近の繁殖牝馬の分娩開始の兆候を見逃さないよう、学生たちにも監視を行ってもらいました。繁殖牝馬の出産シーンに立ち会えるかどうかは運次第ですが、幸運にも今年は研修中に出産を迎えた牝馬がおり、サラブレッドの誕生に立ち会うことができました。愛情深くわが子を見守る母馬の姿や、一生懸命に起立・吸乳する子馬の姿を目に焼き付けてくれたものと思います。
終了後、参加した研修生からは、「大学ではできない様々な経験を積むことができた」、「これまで触れる機会のなかった馬業界について深く知ることができた」などの感想があり、全員が馬獣医師について興味を強く持ったと述べてくれました。卒業後、馬獣医師への道を歩んでもらえることを我々も期待しております。
さいごに
JRA日高育成牧場では、今年の夏も獣医学生を対象とした研修を実施する予定です。興味のある方はVPcampHP(詳細は後日公開)をご確認ください。