定期検査
分子生物研究室の上林です。
今回は、JRA美浦トレーニング・センター(以下、トレセン)で行われた”定期検査”のレポートです。
定期検査は、東西トレセン(栗東・美浦)内に在厩する約2,000頭、あわせて4,000頭の競走馬を対象とした一斉健康検査のようなもので、毎年春季(5月)と秋季(11月)に行われます。
定期検査では、全頭を対象に馬ごとの予防接種歴に応じて必要なワクチンを接種します。
↑接種に向けて冷蔵保管された馬インフルエンザワクチン
そして、これとあわせて全頭から血液を採取します。
↑採取された血液から血清を分離し、専用のチューブに保管
各トレセン2,000頭もの血清を2日間で処理しますので、少し作業量は多くなります。
分注された血清は専用容器に梱包されたのち、冷凍状態にて競走馬総合研究所に輸送され、我々の元へ届くこととなります。
これらの血清は、感染症の疫学調査等の目的で利用されることが多く、国内の競走馬における感染症の流行状況を監視するうえで非常に貴重なサンプルとなります。
長きにわたり年に2回の恒例行事として行われ続けている定期検査には、ワクチンの一斉接種という側面と合わせて貴重なサンプル採取の機会という面でも非常に重要な意義があると考えます。
さて、GWが終わり栃木も少しずつ暑いと感じる日が増えてきました。
来週は昨年もこの場でレポートした恒例行事、実験用ヒツジの毛刈りが行われる予定です。