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2023年4月15日 (土)

馬における暑熱対策

運動科学研究室の胡田です。

最近は暖かい日が続いており、春の訪れをあっという間に通り越して、早くも夏が近づいているのを意識してしまう今日この頃です。

高温多湿な日本の夏は、激しい運動を行う競走馬にとっては大敵であり、暑熱環境への対策が不可欠となっています。

JRAでは、競馬場にシャワーやミストを設置するなど、暑熱対策に積極的に取り組んでおり、来年からは夏季の一定期間、熱中症リスクが高い時間帯での競馬を休止する対策も導入される予定です。

Photo_4競走後すぐに馬体を冷やせるようシャワーを設置

また、暑い環境での熱中症や運動パフォーマンス低下の予防策として、ヒトのアスリートでは体を暑い環境に慣れさせる「暑熱順化」が広く行われています。

暑熱順化は馬にも効果があるとされており、実際に東京五輪2020の馬術競技では、来日前に暑熱環境を人工的に作り、その中でトレーニングを行ってきたチームもありました。

競走馬総合研究所では、この暑熱順化についての研究にも取り組んでおり、ヒーターを使用して疑似的に夏の環境を作って実験を行っています。

Photo_3

実験室は暑いため冬でも半そで(12月撮影)

ちなみに、人では長めの入浴やサウナなどでも暑熱順化の効果を得られることが報告されています。

夏バテしやすい方は今年の夏に向けて「暑熱順化」、取り組んでみてはいかがでしょうか。