獣医臨床研修が開催されました
分子生物研究室の川西です。
12月4日(水)から13日(金)の日程で、競走馬総合研究所(総研)では、入会4年目にあたる獣医職員を対象とした“獣医臨床研修”が開催されました。入会時の新人研修にとどまらず、JRAでは入会後の研修制度も充実しています。
さて、この研修は、「JRA獣医師として習得しておくべき知識・技術を習得すること」を目的に、総研の研究者が講義と実習を担当します。ここ総研の研究者は、ほとんどの方が美浦あるいは栗東トレーニングセンターで臨床実務に携わったことがある方達で、研究内容を学問として教えるだけでなく、臨床にどう応用させるのかといった指導ができる特徴があります。
写真1:心臓エコー検査の実技練習
研修の内容は、病気を統計学的に解析する(臨床統計学)、様々な機器で撮像された画像から病気を診断する(画像診断学)、競走馬の歩様を解析して調教や診療に役立てる(運動生理学)、競走馬に必要な栄養を考える(スポーツ栄養学)、原因不明疾患を解析する(病理学、細菌学、ウイルス学)など多岐にわたります。私自身も入会4年目の獣医の一人であり、本研修では受講者でした。
本研修を通して、日々の診療を通じて疑問に思ったことや問題点など個人の課題に対して専門家からアドバイスをいただけ、有意義な機会となりました。また研究者である私は、将来先輩方のように後輩を教育できるよう研鑽を積まなくてはいけないと強く思った次第です。
写真2:何の抗菌薬(抗生物質)が目的の細菌に効果を発揮するのか調べる薬剤感受性試験の様子