羊さんのお引越し
企画の山崎道代です。
一年は早いものでもうクリスマスです。そこで、クリスマスシーズンでは定番の動物キャラのひとつ、羊ちゃんの小話を書いてみましょう。
ここ競走馬総合研究所(総研)では、つい先日、羊舎の外壁塗装工事が終わり、別の飼育場に移動していた3匹の羊ちゃん達のお引越しがありました。
工事前7月の夏日に、住み慣れた羊舎からお引越しをすることになった総研の羊たち
馬や牛ですと、先頭の1頭を誘導すれば他の子たちも割とその後を着いていきます。最初のお引越し時、てっきり羊も同じだと思って、先頭の1頭にだけ注意し、それも1頭につき乗馬指導員(職員)さん1名付きとタカを括っていました。ところが、どうでしょう。柵を開けた途端、蜘蛛の子を散らすように3匹の羊はめいめいに、それも一人ではとても抑えきれない勢いで己が道を逃げ始めました。職員さんが飛びかかるように抱きついてどうにか逃走を阻止してくれたのですが、危ういところでした。羊は群れて牧野にいるので、てっきり社会性があるのだと思っていましたが、意外と個人主義かも知れません。
工事前と同じ轍を踏むまいと、今冬のお戻り旅では、1頭移動してから次の子を移動というように工夫してみました。しかも1頭につき3名の職員さんが付き添う形で。その結果、帰路を非常にスムーズに誘導することができました。
1匹につき3人が周りを囲みながら、1匹ずつ移動。
住み慣れた羊舎に戻れることもあり、帰路は大人しく誘導されました。
牧羊犬が1匹だけで沢山の羊を囲いに誘導する動画を見慣れていたので、簡単だと思っていましたが、とてもとても。牧羊犬が優秀なのだとあらためて思い知らされた結果でした。
そもそも国内の羊の飼育頭数は、戦後の1957年には94万頭もいたのだそうです。今では2万5千頭ほどに減ってしまいましたから、生きた羊を見る機会は本当に少なくなってしまいました。馬の飼育に長けた私たちでも、羊のことをよく知らないのは頷けます。
こうして無事、羊の引っ越しも終わり、良い年を迎えることができそうです。このブログを読んでくれた皆様にあらためて感謝の気持ちを込めて、メリークリスマス!そして良いお年を!
*なお、羊の小話は以前にもこのブログで取り上げていますのでチラッと見てみてください(参考1&2)。
参考1:今年も来ましたヒツジの毛刈りシーズン
https://blog.jra.jp/kenkyudayori/2023/05/post-5fa0.html
参考2:二つ足のヒツジと一つ足のウマ