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温泉の季節

めっきりと寒さが厳しくなってきて

温泉の気持ちいい季節となってきました

 

美白の彼女も温泉を満喫しているようです

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ところでこの浴槽どんな風になっているかと言うと

こんな感じです

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馬はスロープをバックで浴槽に入っていくこととなります

深さは約1mで人間が入ってみるとこのくらい

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横の壁にオーバーフローさせるための排水口があり

深さを80cmと

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90cmに設定することができます

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ちょうどお腹が浸からない程度で

肢がすっぽり浸かるくらいの深さです

 

ところで

昔の写真を見ても

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函館の写真を見ても

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大体同じような浴槽のような気がしますね

何故この深さの浴槽が定着したのでしょうか?

 

詳しい経緯はよくわかりませんが

おそらくこの深さが最も馬が落ち着く深さだと

昔から経験的にわかっていたのではないかと思っています

  

そこで、本当に馬はこの深さが気に入っているのか?

ということで、実験してみました

 

前回心拍変動解析という方法で

リラックスの度合いを見ることができることを紹介しましたが

それはお湯の深さによっても変化するのか調べてみたわけです

 

浴槽一杯までお湯を張り、お腹が少し浸かるくらいの深さの「肘上」

通常使用している、お腹は浸からない程度の、肘の辺りまでの深さの「肘頭」

肢先だけが浸かる、腕節までの深さの「腕節」

の3種類の深さで、どれが一番リラックスするのでしょうか

 

ちなみに

ピンクの矢印が肘

青の矢印が腕節(人間の手首)ですので

お間違えのないように

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さて、それでは結果を見てみましょう

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ここまで話しておいて驚きの結果もありませんが

やはり「肘頭」が一番リラックスしているということがわかりました

 

敏感なお腹の下の部分にお湯が触れるのも気になるし

あまり浅くて自由に動けてしまうのも落ち着かないようです

 

馬には

お湯にどっぷり浸かって温まる良さも

足湯でのんびりする良さも

わかってもらえないようです

 

次回は湯温について

 

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常磐支所では現役競走馬を世話しながら、JRA厩務員を目指す研修生を随時募集しています。

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祝日本一!東北楽天イーグルス!

フランチャイズは宮城県でありながら

「東北」とチーム名に入れるイーグルス

 

創設当初から地域密着の球団でありましたが

東日本大震災以降は、更に地域に愛される球団になったのではないでしょうか

 

そんな東北の人々の暖かな声援を受け

創設9年目という早さで

見事日本一になったイーグルス

 

まだまだ復興活動の続く東北の人々に

勇気と感動と希望を与えてくれたのではないでしょうか

 

おめでとうございます

 

 

さて、

前回「その話は次回」と言ってから

しばらくたってしまいました

函館からも催促の言葉がありましたので続きを

 

心臓の拍動は自律神経によってコントロールされているという話は以前しましたが

この自律神経には、交感神経と副交感神経の2種類があります

この二つの役割を簡単に書くと

交感神経は拍動を加速させるアクセルの役割で

興奮の指標となります

副交感神経は拍動を遅くさせるブレーキの役割で

リラックスの指標となります

 

運動などをすると、交感神経が緊張し心拍数が増加し

休めば交感神経の緊張は解け

逆に副交感神経が緊張し心拍数が減少します

 

安静にしていると、その二つがバランスをとって

一定のリズムで心臓が拍動します

 

しかし前回も書きましたが

一定のリズムで拍動しているようで

実は微妙に一拍の長さは変わっているのです

バランスが取れているようで 

交感神経・副交感神経のどちらかが優位に働いているのです

 

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1拍が1.7秒くらいだと思っていても

実はよく見ると

1.705秒

1.655秒

1.605秒

1.640秒

1.695秒

1.750秒

1.790秒

1.670秒

1.635秒

と言った感じで変動していることがわかります

 

これを「心拍のゆらぎ」または「心拍変動」と言います

 

これは

血圧の影響を受ける、周期の長い(低周波数変動)、血圧変動と

呼吸の影響を受ける、周期の短い(高周波数変動)、呼吸変動という

二つの刺激に反映され変動しているのです

  

しかし

周期の長い、血圧の影響を受ける血圧変動の刺激は

交感神経と副交感神経のどちらでも伝えることができるのに対し

周期の短い、呼吸の影響を受ける呼吸変動の刺激は

交感神経では伝えることができず、副交感神経のみが伝えることができます

 

つまり

副交感神経が緊張状態にある場合

心拍変動には、呼吸変動と血圧変動の両方が観察されるのに対し

交感神経の緊張状態にある場合

心拍変動には、血圧変動は観察されますが

呼吸変動は観察されないことになります

 

逆に考えると

心拍の変動を解析し、低周波数変動と高周波数変動を観測した場合

高周波数変動(呼吸変動)が大きければ

副交感神経が亢進し、リラックスしていることが

高周波数変動(呼吸変動)が小さく、低周波数変動(血圧変動)が大きくなれば

交感神経が亢進し、緊張していることがわかると言えます

 

ということで、温泉浴中の心拍変動を解析してみると

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温泉浴時には

低周波数成分も若干大きくなっていますが、

高周波数成分が明らかに大きくなっており

副交感神経活動が優位となり

リラックスしていることが証明されました

 

こんな風に、ぼーっとしていてリラックスしてなかったら逆にびっくりですが

 

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科学的に温泉のリラックス効果について証明することができました

  

次回は、温度と深さについて考えて見ます

 

温泉療養馬到着!

Photo
ナナカマドもすっかり色づき、函館場内の景色は秋から冬へ。

  

 

 

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6月は目にやさしい青葉でしたが、5ヶ月を経て、

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馬道も木々の位置も施設も変わらないのに、

色によって景色はこうも変わるものなんですねぇ。

 

 

 

昨日函館競馬場に秋冬シーズン初の温泉療養馬が到着しました。

腕節の関節鏡の手術を実施して、術後経過観察を無事に終えての移動です。

20時間を越える長旅でしたが、到着後すぐに乾草をモリモリ食べて元気いっぱいでした。

 

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まだ、ここはどこなの?と若干緊張しているみたいですが、

馬房に顔を出すと必ず近寄ってきてくれるいい子です。

手術直後ですので、しばらく様子をみて温泉療養を開始したいと思います。

  

 

 

9月に芝コースの張替え準備(芝を剥がしたコース)をご覧に入れましたが、

10月に張替え作業が行われました。

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剥がされた芝コースに、予め四角に切り取られた芝のブロックを正確にはめ込んでいきます。

 

 

これは馬場の方達の手作業によるよるものなのですが、

はめ込んでいる前線はすべてこの形。

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匠の技。

 

 

 

こうして、本年の長い函館開催を耐え忍んだ芝コースは、若い芝にバトンタッチされ、

このように生まれ変わりました。

Photo_5

若い芝達が根を伸ばし、芝コースの芝として活躍するためには、

前の年には張替えを終えておかないといけない。。。

また一つ勉強になりました。

 

 

皆さん、常磐の「その話は次回・・・」 の続きが気になりません?。