【競馬学校】騎手課程25期生 トキノアラシ号記念馬術大会出場
3月24日(日)馬事公苑での「トキノアラシ号記念馬術大会」に、競馬学校騎手課程25期生(7名)が出場しました。 この大会は、JRAの主催で第33回を数える大会です。今回は初の試みとして、少年団・大学生・一般の乗馬クラブの会員の方などに交じって、教育の一環として騎手課程生徒を出場させることとなりました。一見不思議なようにも思いますが、競馬学校騎手課程の生徒が公式の対外馬術競技に出場したことは、開校以来今まで一度もありませんでした。 出場した種目は、「小障害100cmクラス(ジュニア・ヤング班)」で、レベルは日頃の基本乗馬訓練の延長といったところでしたが、25期生は、松山弘平(騎乗馬ユニコーン号)、平野優(キリーン号)、國分優作(ユニコーン号)、村松貴史(モントブロンク号)の4名が、ノーミス・減点0の演技を行い、タイム差で松山が優勝することができました。松山は「少年団時代に試合の経験はありましたが、そのとき以上にミスしたくない、勝ちたいという気持ちが強かったです。自分としては慌ててしまい、満足な騎乗ではありませんでした。馬が良かったし、よく仕上げてもらった先生方のお陰で勝てたと思います。感謝しています。」と感想を語っていましたが、大会関係者や乗馬クラブの方々からは「緊張することなく思い切った走行でした。生徒はスピード感覚とバランス感覚に特に優れており、全員がすばらしい騎乗でした。」と大変良い評価を頂きました。こういった経験は、プロのライダーを志す者として有形無形の財産になっていくものと思います。 また、競馬学校としてもこの大会に出場したことで、調教騎乗や実技訓練の方向性を確認できたことや、普段での騎乗ではなかなか見つからない修正点がみつかるなど、非常に有意義なものとなりました。
そういうわけで我々教官も力が入りまして、大会の前日から会場入りをし、生徒が使用する馬の調整、競技馴致を行った結果、大変良いコンディションで競技の時を迎えることができました。

競馬学校テキスト「生徒の心構え」から、加藤和宏調教師が騎手時代の「人間的にも大事なことというのはまずはやはり礼儀、あいさつだ。僕らは一言あいさつしても聞こえないときは、何回でも相手が聞き返すまであいさつした。今の子供は小さく、もぞもぞと言って聞こえても聞こえなくてもいいや、そういうのがあるから、はっきりした態度でした方がいい。そうしないと相手も返ってこないから。そして今度自分が聞きたくとも相手が悪いとか何とかになると、やはり先輩たちも本当に教えてやろうということも教えなくなってしまう。」というお話を取り上げ、生徒たちへの教訓としました。
いさつとは人間関係のはじまり。馬に乗る技術を磨く以前に、基本的な礼儀作法から習得してもらうことは人として最も大事なことだと思います
おかげさまで昨年中山グランドジャンプを勝たせてもらい、8月には05~06年の豪州ベスト障害馬に選ばれました。本国に帰国してからは休養させ、グランドジャンプの3連覇を視野に入れて調整してきました。その方法としては、ジャンプレースには使わず、平地の競走ばかりを使ってきました。最初短い競走から徐々に距離を延ばしていくやり方で、1月10日の復帰戦は1600m、以降1800m→2100m→2400m→3000m→2400mと平地戦ばかり使ってきました。これは、特に日本のスピード競馬を意識しているというわけではないのですが、結果的に効果が出ているのかも知れませんね。最高成績は3000m戦の4着でしたが、もちろん結果は気にしていません。
うちのきゅう舎では、カラジや一緒に連れてきたパーソナルドラム(10歳)のような10歳以上の高齢馬が10頭ぐらいいるのですが、若い馬と区別して取り扱っているわけではありません。ただ、歳をとるとステップレースをむやみに走らせることはしませんね。あえて言えば、体調面や精神状態を常に把握してあげることが大事なのではないでしょうか。大事に取り扱ってさえいれば、競走馬の寿命というものは、ある程度長くすることはできると思います。
我々もプロですし(笑)、3年続けて来日してますので、検疫期間中の生活も慣れていますのでご心配なく。NZ勢も2頭おり、食堂では毎日賑やかにやってますよ。日本の食べものも大変おいしい(日本食では刺身、特にツナ(マグロ)とサーモンが好物だとのことです)。注文をつけるとすれば放牧場がもう少し広ければ…というくらいでしょうか。
他にマスグローヴきゅう舎のパーソナルドラム(せん10歳)。また、ニュージーランド勢のリアルトニック(せん11歳)とノーヒーロー(せん11歳)が来日。4頭ともいわゆる前哨戦のペガサスジャンプステークス(中山・3月24日)に出走予定で、20日までの検疫期間中は競馬学校で調教をしていくことになります。
藤岡康太騎手は、3日(土)の中京1R、ヤマニンプロローグで史上42人目の「初騎乗・初勝利」(JRAの創設は昭和29年ですので、昭和30年以降の記録となります。下に42名全員をあげておきました。)大変立派な記録ですし、直線も良く追えましたが、4コーナー手前で外斜行して、過怠金50000円を科せられたのはいただけません。ちょっとした判断ミスによる走行妨害をすれば、レースは台無しになり、他の馬は勿論、馬券を買っていただいているファンの皆さまに多大な迷惑をかけることになります。本人談にもありますように、これからもフェアプレー第一で伸びていってほしいと思います。ちなみに写真右の片山研きゅう務員は競馬学校きゅう務員課程の18年度7月生で、担当馬の初勝利。勿論馬と合わせて三重の喜びとなりました。おめでとうございます。(写真提供:オボ山さま)
田中健騎手は同日中京6Rで、10番人気のメイショウセレットで直線大外一気の追い込みで初勝利。単勝7630円と波乱の立役者に!4コーナーを向いて追い出す姿は「ムササビの如し」。懸命に追った甲斐があったネ。ケンちゃん。後で聞いたら藤岡の初勝利に刺激を受けたようで、「早いうちに何とか初勝利を、そのためにはひと鞍ひと鞍が勝負」と意気込んでいたそうです。
写真左:大下智騎手、写真右:濱中俊騎手 結果は出なかったがまだまだこれから。