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2010年2月

騎手課程生徒の実技訓練内容とは?

本日はジョッキーの卵である騎手課程生徒が普段行っている実技訓練の内容を、騎手課程28期生の訓練風景を交えながら、簡単にですがご紹介させて頂きます。

経路障害・走路障害

騎手といって思いつくのは華麗なモンキー乗りかと思いますが、最初から走路コースでモンキー乗りの訓練を行っているわけではありません。

騎手課程に入学してくる生徒は乗馬を経験している生徒もいますが、一度も馬に乗ったことがなくて入学してくる生徒ももちろんいます。

モンキー乗りでの走路騎乗は高度な技術が必要であり、かなりの危険も伴いますので、入学してから一定の期間は基礎乗馬の訓練のみを行うことになります。

基礎乗馬では馬の動かし方をしっかりと身に付けてもらいます。その中では、障害飛越の訓練も行います。

障害飛越は、馬術競技と同様に指定された経路通りに障害飛越を行う経路障害と、競馬の障害競走で使用する固定障害を飛越する走路障害があります。

経路障害訓練の様子

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走路障害訓練の様子

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走路騎乗

入学して6ヶ月ほど基礎乗馬の訓練を行った後、技術の向上が見られれば基礎乗馬と平行して走路騎乗を開始します。走路騎乗訓練では、走路馬(元々中央競馬のレースに出走していた競走馬)を使用してモンキー乗りで訓練を行います。

競馬では馬をより速く走らせるということはもちろん大事なのですが、レースで勝つにはペースを把握するための“速度感覚”というものが非常に大事になってきます。それを養うために、競馬学校では指示されたタイム通りに馬を走らせるという訓練を重点的に行っていきます。

生徒は1ハロン(200m)走行時の歩数を数えることにより“速度感覚”を養います。例えば、馬のストライドの大きさによって多少異なりますが、1ハロン15秒だと大体35歩前後となります。

とても難しそうに感じますが卒業間近の3年生にもなってくるとほとんど狂いなく、指示されたタイム通りに走らせることが出来るようになります。

走路騎乗訓練の様子

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学校を卒業すると見習騎手としての減量制度があるとはいえ、多くの経験を積んだ現役ジョッキーたちと同じ舞台で競い合い、お客様には馬券を買っていただくことになるわけですから、それに見合うだけの技術は必要になってきます。

ですので、毎日厳しく指導を行い、すぐに実際のレースにいって活躍できるような技術を、学校にいる間から身に付けられるようにしています。

そのような訓練を経て、先日卒業した26期生たちが、間もなくデビューします。競馬学校ではより優秀な騎手を輩出するため常々カリキュラムの改良に取り組んでおり、26期生たちはこれまでの卒業生たち以上に、実戦形式の訓練を多く積むことが出来ました。彼らがデビューしてどのような騎乗を見せてくれるのか、競馬学校の職員一同楽しみにしています。

騎手課程第26期生 卒業式

騎手課程第26期生6名は、おかげさまで2月9日に卒業式を執り行い、競馬学校を巣立ちました。そして、翌10日、全員無事騎手免許試験に合格しました。

今日は、卒業式の1日の模様を卒業生6名ひとりひとりを紹介しながら、写真でお伝えしてまいります。

はじめは、式典に先立ち、「卒業記念模擬レース」。「競馬学校チャンピオンシップ2010」の最終戦(第10戦)として、1700mで争いました。
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勝ったのは、高倉稜。
シリーズ優勝こそなりませんでしたが、このレースでは水口優也との叩き合いを制して、「アイルランド大使特別賞」受賞に花を添える勝ち星となりました。
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そして卒業式。
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卒業証書を授与される菅原隆一。翌日
のスポーツ紙の1面に「鯉太郎ジョッキーに!」の文字が踊りびっくりしました。
決して子役をやっていたことがプラスになって入学したわけではありませんが、よほど「釣りバカ日誌」は人気があるんだなぁ。とスタッフ一同妙に感心した次第です。

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なお、今回の6名を加え、昭和60年に1期生が卒業して以来、競馬学校騎手課程の卒業生合計は226名となりました。

模範賞を受賞した西村太一。
入学した当初は、無口でシャイな少年に見え少し心配しましたが、取り越し苦労。蓋を開けてみると常に期のトップクラスの成績で心技体ともに充実した3年間を送りました。
プロの世界に舞台を移し、同期をリードできる存在になれるか注目です。

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「競馬学校チャンピオンシップ2010」総合優勝を果たした川須栄彦、副賞は王冠が刻まれた「競走鞍」。ガッツあふれる騎乗スタイルで沸かせてくれよ!
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参列者に挨拶する水口優也。スピーチは「人として成長していく姿をお見せできるよう努力していきますので、応援よろしくお願いします」。

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式が終わり、6人での記念撮影。卒業生の保護者の方が作った応援幕を手に飛躍を誓いました。
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今年の記念植樹は「クリ」。
「桃・栗三年…」に因んで?早いに越したことはありませんが、3年で結果が出てくれば万々歳ですね!

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謝恩会。
蓑田専任教官の最後の授業は、卒業記念模擬レースの映像を使っての反省会。卒業生たちも真剣そのもので画面に食い入っていました。
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この後、蓑田先生から教官特別賞の表彰をうける平野優。卒業した時にはもう成人していました。少し遠回りしたけど、長い人生の中では、ほんの瞬き程度のことだよ。
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祝宴も終わり、学校を後にする直前の卒業生。緊張感から開放され、笑顔満開でした。苦しい思い出が多いでしょうが、時々学校でのことも思い出してね!
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ブログをご覧の皆さまには、きっと卒業までの間、見えたり、見えなかったりするエネルギーを存分にいただき、彼らの背中を後押ししていただいたことでしょう。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

早ければ3月6日(土)中山・中京・阪神のいずれかの競馬場でプロデビューとなります。
新人騎手となる26期卒業生に、今後とも温かいご声援をお願いいたします。

いよいよ卒業。

9日(火)に卒業を迎える予定の騎手課程第26期生6名。
足並み揃えて?卒業式のリハーサルの模様です。
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馬に乗る方がやさしいとか??

さて、卒業式観覧希望に多数のご応募ありがとうございました。
抽選を行い、当選者の方への招待状の発送をもって発表にかえさせていただきました。

卒業記念模擬レースも含め、当日の様子はブログでお知らせします。

 

雪にも負けず…

昨夜来、関東地方は降雪。東京でも1センチの積雪があったようですね。

競馬学校周辺も、この冬初めての積雪がありました。

騎手課程26期生が卒業間近といくこともあり、夜を徹したハロー掛けを実施し、安全な走路の確保につとめました。

この結果、騎乗訓練に支障はありませんでした。
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