まっすぐに走ること(宮崎)
9月中旬に騎乗馴致を開始した第1群(9頭)と10月中旬に開始した第2群(13頭)は11月30日から合流し、ようやく調教が軌道に乗り始めました。現在、牡および牝のロットに分けて、一列での隊列を組んでハッキングといわれるゆっくりとしたスピードのキャンターを実施しています。この時期には①前に進むこと②まっすぐ走ること③落ち着いて走ることの3つを馬に求めるようにしており、このことについては、1年前の日誌「集団での調教」で書かせていただきました。
リードホースを先頭にキャンター調教を実施している第2群の牡馬です。リードホースの後はビショップリングの06(牡・父ナリタトップロード)。(11月22日)
第1群と第2群合流しての調教です。このような縦列調教の中でまっすぐに走ることを教えていきます。先頭はインディペンデンスの06(牡・父シルバーチャーム)。(12月1日)
まっすぐに走ることを要求するときに騎乗者が勘違いしやすいのが、馬の「口向き」を気にするあまりハミに対して左右別々に拳を強く使用することです。拳の操作が強すぎると馬の口を鈍感にするのみならず、馬が前に出ることができずに立ち上がる、後退する等の悪い癖を覚えやすいと思います。この時期の騎乗技術で重要なことは、騎乗バランスと脚の指示による前進気勢および柔らかい拳と考えています。手綱の持ち方はネックストラップに指をかけて、ダブルブリッジで保持することを私は好みます。若馬の筋肉は左右不均等に発達していて当たり前です。したがって、騎乗者が「口向き」を直すためには、長いスパンで馬の不均等な筋肉を左右均等に発育させることを意識することが重要です。例えば、調教時には両方の手前でトラック調教を行うことで左右均等な筋肉の発達を促し、また、縦列調教においてはリードホースの後ろをくっついて走ることで、まっすぐに走るための筋肉発達を促していくことができるものと考えています。競馬において正しく手前を換えることができる馬を教育することは、能力を発揮するために重要な要素のひとつと信じています。
冬毛の伸びた馬についてはクリッピングを開始しました。クリッピングにはいろいろな毛の刈り方がありますが、体の上半分と四肢の毛を残すトレースクリップという方法を採用しています。馬はローズレディの06(牝・父クロフネ)。(11月30日)
1600mトラック内に高くそびえるパームツリーの下で朝日を浴びながらクーリングダウンを行っています。(11月21日)