7月購買の育成馬が入厩しました(日高)
新馬戦が始まってから概ね2ヶ月が経過しました。本年売却したJRA育成馬達も順調にデビューしており、現在5頭が5勝、その内3頭がメイクデビュー勝ちを飾っています。それぞれの馬がこれまでの育成過程で学んできた成果をフルに発揮し、今後とも順調に活躍することを期待しています。
さて、先月28日(火)に、7月の市場で購買した13頭の育成馬(セレクトセール購買4頭、セレクションセール購買9頭)が無事入厩しました。
まず、育成馬達の個体識別や馬体チェックを実施した後に全馬の入厩時写真を撮影しました。その後、牡を2頭と3頭、牝を4頭ずつの合計4群に分けて、新しい群れでの放牧を実施しました。
本場に入厩した牡馬5頭の写真撮影。馬はゲルニカの08(父は本邦新種牡馬ロックオブジブラルタル)
飼い付け厩舎に入厩した牝馬の写真撮影。馬はタイランツフェイムの08(父は新種牡馬ディープインパクト)
まずは人に引かれて放牧地を巡回します。知らない場所で走り回って怪我をするリスクを少しでも軽減するため、事前に引き馬で放牧地の柵の周りをみせて環境に慣らす取り組みです。
放牧されるとまずは互いに確認。牡馬では特に主張、争いが激しくなります。
お決まりのかけっこをする牡馬たち。先頭からオスカースマイルの08(父:デビッドジュニア)、ゲルニカの08(父:ロックオブジブラルタル)、イブキフリッカーの08(父:ファルブラヴ)です。先頭の馬が強いとは限りません。
牝馬の走りにはどこか落ち着きがあり、安心してみていられます。前からイクテリーナの08(父:ネオユニヴァース)、ケリーケイズプレジャーの08(父:Tiznow)、ポレントの08(父:ネオユニヴァース)、タイランツフェイムの08(父:ディープインパクト)。
やっと落ち着きました。
昨年はこの段階で牡馬の1頭が柵に激突するというアクシデントがありましたが、本年は牡馬も含めて比較的大人しかったようです。これら13頭は入厩週の金曜日から昼夜放牧に移行しました。本年は天候不順のためアブの発生が遅れていましたが、ここにきて暑くなりアブの数もだいぶ増えてきました。活発にアブが動く天気のいい日には、放牧を遅らせた夜間に若干シフトした放牧体制になりそうです。
また、昼夜放牧を前に入厩した全馬に対して屈腱部のエコー検査を実施しています。これは昼夜放牧によって経験する屈腱部の腫脹や腱の太さの増大などについて、屈腱の太さや実質のエコー画像に変化が現れるかどうかを調査しているものです。その結果についてはまた皆様にお伝えすることが出来ればと思います。
本年も「強い馬づくり」を目指して色々と悩み、試行錯誤を繰り返し、その葛藤の課程や結果を皆様にお届けして参りたいと思います。ご期待ください。