6/8「ひだかトレーニングセール」にむけて(上場予定のJRA育成馬紹介)(日高育成牧場)
6/8(火)JRA日高育成牧場で開催される「ひだかトレーニングセール」に上場を予定しているJRA育成馬(5頭)についてご案内いたします。なお状況により、欠場となる馬が出る場合もあります。詳細につきましてはJRA馬事部生産育成対策室(電話03-5785-7540)までお問い合わせ下さい。
2010 JRAブリーズアップセールを欠場した馬は6頭います。そのうち、タイキエンプレスの08(牡:父スウェプトオーヴァーボード)、ハナコスマイルの08(牝:父ネオユニヴァース)、ミズホの08(牝:父ネオユニヴァース)、メモラブルワーズの08(牝:父ストラヴィンスキー)、ニキトートの08(牝:父チーフベアハート)の5頭は、6月8日(火)に開催される『ひだかトレーニングセール』を目指して調教を進めているところです。※1
これらの馬たちは、それぞれブリーズアップセール直前に発症した疾病や跛行等のため、順調に調教を進めることができませんでした。セールを見送った後は約2~4週間、馬体をいったん緩め、常歩運動で管理してきました。彼らに対する調教のポリシーはブリーズアップセールに上場する馬となんら変わりません。つまり、ステッキを入れてラスト1Fを速いスピードで走るためのトレーニングではなく、競走馬として必要な基礎体力をつけたうえで、馬自らが走りたい気持ちとなるような教育を行って上場するということです。しかしながら、当日のセールにおける騎乗供覧では、セリの雰囲気にあったスピードを出して皆様にご評価をいただくつもりです。
ここまでの調教過程を理解していただいた上で、JRAのポリシー、すなわち走行タイムだけではなく、いかにいいフォームで走ることができるかを見ていただければと考えています。なお、当日はセールのレポジトリーとは別に、上場馬の厩舎前に設ける予定のJRAブースにおきまして、上場馬の調教過程、疾病歴および個体ごとのX線・エコー・内視鏡画像をご覧になることができます。どうぞ、ご利用ください。
※1ダンツローレライの08は左肩跛行が良化せず、ひだかトレーニングセールを欠場することとしました。
ひだかトレーニングセール上場番号76番 ニキトートの08。
ニキトートの08(牝父チーフベアハート)は、3月に喘鳴症を発症したためBUセールを欠場しました。セール後、日高育成牧場においてトレッドミル検査を行った結果に基づき、5月16日に声のうおよび声帯摘出手術を実施しました。経過も良好で、術後3日後から普通に調教を実施しています。姉はフィリーズレビュー2着の当場育成馬アマノチェリーランでもあり、血統的にも期待している馬です。
ニキトートの08の調教(5月29日)
縦列での調教で、先頭はひだかトレーニングセール上場番号75番 ハナコスマイルの08(牝 父ネオユニヴァース)です(5月29日)。
ハナコスマイルの08は3月19日の屋内坂路馬場において3F46秒(16-15-15/F)の調教後に右後肢の跛行を呈し、レントゲン検査の結果、陳旧性の右第3趾節種子骨骨折も確認されたため、4月13日まで調教を休んでいました。現在では、スピード調教も順調にこなしており、元気よく走ることができるようになってきました。
ひだかトレーニングセール上場番号74番 メモラブルワーズの08(牝 父ストラヴィンスキー)の調教後の常歩運動です(5月19日)。
メモラブルワーズの08は1月に左前内側管骨瘤がでたり、4月に右肩跛行を呈したりするなど、順調ではありませんでした。本馬は気性の勝った馬で、走りたい気持ちに身体がついていけなかったのですが、現在では心身ともに充実し馬体に身が入りつつあります。
気候がよくなったので、天気のいい日はグラスピッキングを実施しています。
精神面のリラックスを図るとともに、馬に草食動物としての本能を刺激し、肉体的・精神的に健康に保つものと考えています。向かって左の芦毛馬は、ひだかトレーニングセール上場番号15番 タイキエンプレスの08(牝 父スウェプトオーヴァーボード)、向かって右が上場番号16番 ミズホの08(牝 父ネオユニヴァース)です(5月19日)。タイキエンプレスの08はブリーズアップセール前日まで順調に調教を行っていましたが、右前屈腱部の腫脹が見られたため欠場したものです。エコー検査を定期的に実施しながら、調教を進めています。また、ミズホの08は、3月12日に小腸捻転を発症し開腹手術を実施しました。腸管のダメージは少なく、切除はせず整復のみ実施したものです。術後の経過は良好で、術後18日から騎乗運動を開始し、順調に調教をこなしています。