育成馬見学会(宮崎)
南国の地、宮崎では朝晩は冷え込む日が多くなってきました。しかし日差しがある日中はポカポカと暖かく、半袖で騎乗する職員もまだまだ大勢います。豊富な日差しを受けて育った青草をたっぷりと食べ、十分な運動量を確保するために行っている夜間放牧も、半数近い馬に対し12月6日まで実施しました。
写真1:夜間放牧中の育成馬
現在のところ、すべての馬が調教を順調に消化しています。馴致を最後に開始した第2群(牡6頭、牝6頭)も、11月27日には1,600m馬場での調教を実施できるまでになりました。今後は全馬の足並みを揃え、本格的なトレーニングをスタートすることになります。
では、最近の調教内容が特に目につく育成馬を紹介いたします。オーロラマキシマムの09(父シルバーチャーム)は、調教時の動きが日に日にパワフルさを増しています。現在500m馬場でのウォーミングアップの後、1600m馬場に入り1200mのキャンターを2本(23秒/F程度)実施しています。S1群(1群の中でも千葉・青森で購買して早期に宮崎に入厩、馴致を開始した群)5頭全頭が順調にこのメニューを消化していますが、オーロラマキシマムの09が最も手応えがよく、調教後の息遣いもスムーズでまだまだ物足りない顔をしており、今後の成長が楽しみです。
写真2:オーロラマキシマムの09(牡、鹿毛、父:シルバーチャーム)
さて、「魅せる育成」に取り組んでいる宮崎育成牧場では「一般の方々向けの育成馬見学会」という新しい試みを11月27日に実施しました。これは地元宮崎の方々に育成馬を見学していただく機会を設け、育成牧場の業務内容を披露することで競馬やJRA育成馬に対する更なる興味を喚起することが目的です。今回は、3月に行った育成馬展示会に来場していただいた方々をご招待して実施いたしました。
第一回目となる今回は、好天のもと約30名の招待者が来場しての育成馬見学会となりました。この日のために比較展示の練習を重ねてきた育成馬たちは、多くの来場者に見つめられて戸惑いながらも練習の成果を十分発揮し、見学者に満足していただける展示ができたのではないかと思います。来場者からも、「1歳馬は暴れて危険な動物だと思っていたので、じっくり見られて楽しかった」、「こんなに近くで競走馬の卵である育成馬を見ることができて嬉しかった」という声をいただくことができました。
写真3:育成馬見学会の様子とデュプレの09(牝、青毛、父:バゴ)
参加者の方々にアンケート形式で協力していただき、「どの馬の毛艶が良く見えるか」「現時点で最も気に入った育成馬はどれか」を調査し、「第1回 宮崎市民が選ぶグッドルッキングホース」を選定しました。この結果、セイントリープレアの09(牡、黒鹿毛、父:オペラハウス)とプライムオブユースの09(牝、鹿、父:アドマイヤムーン)が牡牝それぞれのトップに選ばれました。今後も育成馬に接する機会の少ない一般の方々に協力していただき、育成馬の成長とともにこの順位がどう推移するのか興味がもたれるところです。
約1時間行った見学会の後も育成厩舎内を見学したり、場外発売所に足を運ばれたり、乗馬の試乗会に参加されたりと、来場者の皆様にはお楽しみいただけたのではないかと考えております。
今後は、今回アンケートに記入していただいた内容を参考にして、場外発売所に来場された競馬ファンの方々や育成牧場に遊びに来ても育成馬を近くで見る機会が少ない方々にも育成馬を披露する機会を定期的に設け、育成馬が成長していく様子を楽しんでいただければ、と考えています。そして育成馬に興味を持っていただくことで競馬が好きになり、競馬産業の裾野が少しでも広がることこそが、私たち宮崎育成牧場職員の願うところです。