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初めてのV200測定(宮崎)

明けましておめでとうございます。年末年始は宮崎も冷え込みましたが、育成馬達はますます力をつけ元気に過ごしています。

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元旦の朝、放牧地の水桶に張った氷

毎日見ているとなかなか変化には気付きませんが、写真や測尺データを比較してみると入厩したときよりも随分たくましくなっており、パワフルな動きにも納得できます。

現在は、500m馬場で準備運動(速歩500m、駈歩1000m)後、1600m馬場で1200mの距離をF22F20程度のスピードで2回のインターバルトレーニングとして実施しています。

調教時の隊列については2頭併走を基本としています。一般に、併走での調教は2頭がお互いに走りたい気持ちを高めて走るスピード調教において実施します。しかし、このスピードでの併走運動は、競って速く走らせるというよりも、2列縦隊の状態で調教することで、馬を前後左右に他の馬がいることに慣らすことを目的としています。騎乗者も前と横の馬を意識しながら騎乗する必要があるので技術を要します。競馬は集団で走ることが要求されるので、縦列や併走といったトレーニングが将来において極めて重要なトレーニングであると考えています。

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併走するプライムオブユースの09(牝、鹿毛、父:アドマイヤムーン)とデュプレの09(牝、青毛、父:バゴ

例年行っているV200測定を先日実施しました。例年の育成馬達との数値の比較ならびに現在インターバルトレーニングとして2本行っている調教の科学的な検証ができるため、とても楽しみにしていた測定です。

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200測定用のゼッケンを装着し500m馬場で準備運動を行うアラートディザイアの09(牡、栗毛、父:グラスワンダー

結果は過去の育成馬達との群の比較で、牡牝ともに高めの値を示しており、順調に有酸素能力を高めていると推察さます。次回は1月末の計測になりますが、どの様な結果が出るか今から楽しみです。

 

♂平均

♀平均

全体平均

08-09育成馬

617

635

627

09-10育成馬

631

602

618

10-11育成馬

647

660

651

年代毎のV200値の比較(112月測定)

一方で、心拍数の推移に目を向けると、下表のように、1本目と2本目の間にほとんどの馬の心拍数が100/分程度まで回復しています。まだまだ馬に余裕があるということですが、これでは十分なインターバルトレーニング効果を得ることはできません。今後スピードが増すことで負荷がかかりインターバル効果も増してくることと思いますが、走行スピードに加えて1本目と2本目の間隔など工夫しながら鍛錬を積んでいくつもりです。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

V200

      

 

   12/22ノーリグレックの09号調教時の心拍数(桃色)とスピード(青色)