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育成馬ブログ 生産編③

離乳

 

日高育成牧場では、本年産まれたホームブレッド8頭の離乳を8~9月にかけて段階的に行いました。

 

概ね3月下旬から5月上旬に生まれた馬たちですので、遅い馬で5ヶ月齢、早い馬では4ヶ月齢での離乳になります。

 

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離乳:1回に2~3頭の母馬を間引きます。

 

離乳は、1~2週間隔で、2~3頭ずつ母馬を間引く方法で行い、昨年同様に「母馬役」として、空胎馬1頭を事前に導入しました。

 

この空胎馬は、比較的面倒見が良い牝馬で、離乳直後の子馬に対して哺乳を許容していました。もちろん、母乳は出ませんが、このような牝馬は性格的に乳母としても活用できるのではないかと考えています。 

離乳後の子馬の哺乳を許容する空胎馬
YouTube: 離乳後の子馬の哺乳を許容する空胎馬

 

全般的にスムーズに離乳をすることができましたが、GPSを用いて移動距離を計測してみると、興味深い結果を得ることができました。

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離乳前後の母子の移動距離(22時間 朝10:30~翌朝8:30)

 

母子2組について、離乳1ヶ月前と離乳直後の移動距離(22時間)を比較してみると、離乳前の子馬の移動距離はいずれも約10kmで、母馬の6~8kmと比較してやや長く、子馬同士で仲良く動き回っている様子を想像することができます。

 

それでは、離乳直後の移動距離は、どのように変化したのでしょうか?

 

離乳直後、子馬の移動距離は17~18kmに増えており、母馬を探し回っている様子を伺い知ることができます。

 

しかし、注目すべきは母馬の移動距離です。むしろ母馬の方が、子馬と引き離されたことに加え、異なる放牧地に移動したことも影響を及ぼしているのか、増加率は著しく、それぞれ75kmと100kmと、離乳前の10倍以上の距離を移動したことが確認されました。

 

離乳直前の雰囲気を見ていると、母子間の距離は離れており、それほど強い母性を感じさせるような行動も認められませんでしたが、やはり子馬と離れた場合には、強い母性本能を感じることができます。

 

子馬も母馬がいなくなり、移動距離は増えましたが、放牧地は変わらず、同じ群の他の母子が落ち着いているため、引き離された母馬ほどのストレスを感じなかったように見えました。

 

この結果からも、離乳に際しては、子馬の環境はなるべく変えない手法を用いることが、成長期の子馬のストレスを可能な限り抑制するポイントになるかと思います。

 

なお、母馬たちも、2、3日もすると落ち着きを取り戻し、新たな放牧地でゆっくり過ごしていますので、ご心配なく。Photo_3

育児を終えて、放牧地でリラックスする母馬 

 

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