育成馬ブログ 生産編⑧「その1」
・育成期の若馬の屈腱腫脹
育成調教期の若馬で、「ウラがもやっとして、すっきりしない」「触わって腱が太く感じる」と表現するような、屈腱部のわずかな腫脹や帯熱を認めることはありませんか?
我々、JRA日高育成牧場の育成馬でも、このような症状は珍しくない、一過性の現象であることを経験しています。
このような若馬に対して超音波検査を行った場合、浅屈腱が成馬と比較して太い、もしくは反対の正常肢と比較して太い所見は認められます。
しかし、腱損傷を示す所見は認められません。
成馬においては、このような屈腱部の腫脹や帯熱は、浅屈腱炎すなわち「エビ」の症状もしくは前兆と理解されています。
このため、若馬でこのような所見を認めた場合、育成調教の妨げとなるばかりではなく、市場価値の低下を招くことが懸念されます。
では、このような若馬の屈腱の腫脹や帯熱は、本当に屈腱炎の前兆なのでしょうか?競走期のパフォーマンスや屈腱炎発症に影響を及ぼすのでしょうか?
つづく