育成馬ブログ 生産編①「その2」
・当歳馬に与えるクリープフィード その2
クリープフィード投与の2つ目の目的は、離乳後の「成長停滞」を防止もしくは最小限度に
抑制することです。
離乳後の子馬を観察すると、少なからず体重増加が滞ります。極端な体重減少でなけれ
ば、一時的な成長停滞そのものが中長期的な健康に及ぼす影響は大きくないかもしれま
せん。
しかし、体重増加が停滞した後に起こる「急成長」は、OCD(離断性骨軟骨症)などの
骨疾患発症に影響を及ぼすとの調査報告もあるため看過できません(図1)。
そこで、離乳前に一定量のクリープフィードを食べることに慣らしておき、「成長停滞」と
それに引き続いて起こる「急成長」を予防し、スムーズに成長させる工夫が必要になるの
です。
図1.スムーズな成長曲線(左)と「成長停滞」と「急成長」が認められる成長曲線(右)。
後者はOCDなどのDODを発症し易い成長と考えられている。
なお、クリープフィードの給餌を離乳直前に開始しても、食べ慣れるまでに時間がかかる
うえ、離乳ストレスによる食欲低下も念頭に置かなくてはなりません。
このため、クリープフィードの開始時期は、母乳量が低下し始める2ヵ月齢が目安になり
ます。もちろん、過剰摂取による過肥、骨端炎および胃潰瘍には十分注意する必要があり
ますので、給餌量を決定する際には、これらの疾患の徴候、子馬の体重、増体量、ボディ
コンディションスコア、放牧地の草の状態を考慮しなければなりません。
給餌量の決定には、骨端炎や胃潰瘍の徴候、馬体重、増体量、ボディコンディションスコア、放牧地の草の状態などの把握が重要。
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