育成馬ブログ(日高⑧)
○2019JRAブリーズアップセールを振り返る
4月23日、中山競馬場において「2019JRAブリーズアップセール」が開催さ
れ、盛況のうちに終了することができました。
ご来場ご参加いただきお客様には、この場を借りて心より厚く御礼申し上げます。
現場スタッフとしては、上場馬が多くのお客様から高評価を受けたことに加
えて、馬体の仕上がりや騎乗供覧での動きについて、複数の方から好意的なご
意見をいただいたことは今後の育成業務の励みになると感じています。
上がり2F最速23.1秒を余裕の手ごたえでマークしたNo.15 ニシノミラクルの17
(父キズナ ご購買者:杉野公彦様)
上がり2位2F23.2秒の鋭い動きを見せたNo.20 ミラクルフラッグの17
(父エスケンデレヤ ご購買者:宮本昇様)
今期の日高育成牧場の調教方針については、前回の当欄
(https://blog.jra.jp/ikusei/2019/04/post-5f85.html)でご紹介したよう
に、昨年よりも強い負荷をかけた調教を主眼に置いて取り組んできました。
具体的には、長い距離を乗り込むよりも、短い距離で強い負荷がかかる坂路
調教を中心に行い、2月以降は調教後の乳酸値が15mmol/L以上に上がるように
各馬個別にスピード設定を行いました。
また、強調教を坂路コースだけではなくトレッドミルでも実施し、同じく乳
酸値が15mmol/L以上になるように個々の馬でメニューを設定しました。
これらの取り組みの結果として、BUセールでの騎乗供覧の動きや走行スピー
ドに繋がったものと捉えておりますし、有酸素運動能の指標であるV200などの
客観的な数値にも表れました。売却馬については、引き続き競走成績に着目し
ながら、育成調教の効果を検証していきたいと思います。
一方、当場からの欠場馬は上場馬58頭中9頭と、昨年(58頭中10頭)に引き
続き少ない数字ではなく、来年に向けて必要な対策を講じていく必要がありま
す。原因の多くを占める運動器疾患、特に深管骨瘤については、適切な予防・
治療方法およびリハビリメニューの構築を目指していきたいと思います。
来年以降もセリにご参加いただく多くの皆さまに喜んでいただけるような馬
を上場できるように、引き続き強い馬づくりに励むとともに、新たな調教技術
の開発や調査研究に取り組んでいきたいと思います。
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