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2021年8月25日 (水)

唾液の抗体測定

分子生物研究室の坂内です。

今日は最近当研究室で取り組んでいる唾液の研究についてのお話です。

 

唾液は口の中を適度に湿らせ、清潔に保つのに役立ちます。

また、アミラーゼなどの消化酵素が含まれていて、食べ物の消化を助ける役割があります。

このように様々な役割を担う唾液ですが、実は病原体と闘う抗体も含まれています。

 

下痢などの消化管の病気を起こす病原体は口から侵入しますので、唾液中に抗体があれば感染を防ぐのに役立つと考えられています。

ですので、私たちは馬から唾液を採って、下痢や発熱を起こすウイルスに対する抗体を測定する研究に取り組んでいます。

 

馬の唾液を採るための専用の道具は無いので、人間の唾液採取用に作られたこちらの製品を使います。

Photo

人間だとこのスポンジを1分間ほど口に入れておけば良いのですが、馬は放っておくと飲み込んだり吐き出したりしますので、写真のように口を開けさせて口の中を拭います。

Dsc_6317

このように舌を口の外に引っ張り出すと、馬は口を閉じることが出来ません。

ただ、それでも噛もうとしてくる馬もいますので、この採材はなかなかスリリングです。

Dsc_6321

噛まれて怪我をすることが無いよう、そして抗体が無事に検出されて、研究が実を結ぶことを願っています。