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2022年4月

2022年4月22日 (金)

馬に由来があるもの

 こんにちは、イギリスに滞在している臨床医学研究室の田村です。

 前回、Royal Veterinary College (RVC;王立獣医大学) は競走馬との関係が深いことを紹介しました。今回はRVCの構内にある馬に由来があるものを紹介します。

 写真は中庭にある彫刻です。作品のタイトルはDuncan's Horses。シェイクスピアの戯曲The Scottish playに登場するダンカンという人物に由来するそうです。もともとRVCの学生であり、その後に著名な彫刻家となったAdrian Jonesが1892年に作製した作品の復刻版です。彼はPeace in her Quadrigaという馬の彫刻も作製しており、ロンドン中心部に展示されています。どちらも馬の表情や筋肉の表現が精巧であり、力強い印象のある作品です。

Photo      Duncan's Horses

 他にも、競走馬の名前が付けられている建物があります。
 これまでのブログで紹介したEclipseの名は、RVCの最も大きい建物に名付けられています。この建物の中にEclipseの骨格標本が展示されています。

Photo_2Eclipseは研究施設、スタッフ居室の他に
カフェも入っている建物に名付けられている。

 また、他の研究施設の一つにはMill Reefという名前が付けられています。1968年に生まれたMill Reefは英国ダービーや仏国凱旋門賞を勝利し、その後も種牡馬としても活躍した実績があります。

3 Mill Reefは研究施設の名称になっている。

 こちらのスタッフ居室となっている施設はKalanisiです。1996年に生まれたKalanisiは、英国チャンピオンステークスや米国ブリーダーズカップ・ターフの優勝馬です。出走したレースの全てで3着以内に入る優秀な競走馬でした。

4Kalanisiはスタッフの居室施設の名前となっている。

 建物に名前を付ける際の選考基準を聞いたのですが、誰も当時の経緯が分からないそうです。ただ、RVCの学生やスタッフは、いずれもこれらの歴史的名馬のことを良く知っており、現在に至るまで語り継がれています。

2022年4月11日 (月)

髙木美帆選手と競走馬ナリタブライアン

 こんにちは、運動科学研究室の吉田です。
 2月の北京オリンピック、日本勢の活躍で大いに盛り上がりましたね。
 中でもスピードスケートの髙木美帆選手、金メダルを含む4つのメダル獲得は素晴らしい記録でした。


 そんな髙木選手のスピードスケートと競馬、なかでもナリタブライアンとの接点を探してみました。
 ○ ナリタブライアンの成績(それぞれの距離の最終走)
  3200m(芝) 3分18秒2 96年 天皇賞(春) 2着
  1600m(芝) 1分34秒4 93年 朝日杯3歳S  優勝
  1200m(芝) 1分08秒2 96年 高松宮杯   4着
 ○  髙木選手の成績(北京五輪)
  3000m(氷)   4分1秒77    6位入賞
  1500m(氷)   1分53秒72    銀メダル
  1000m(氷)   1分13秒19  金メダル(五輪新)

 

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 競馬とスピードスケート、全く違う競技ですが、その距離設定・スピードはとても近いものがあります。競馬場(1周約1600m)に比べかなり小さい400mというコースを周回しながら、髙木選手は競走馬に近いスピードで走り続けていたのですね。
 一方クラシック三冠のナリタブライアンですが、引退した5歳(旧6歳)時には3200mのGⅠレース後、たったの1か月で1200mのGⅠを走り、それぞれ上位に入賞してみせました。
 今でも「最強馬」に推すファンも多いナリタブライアン、北京での髙木選手の活躍に重ねてしまうのはちょっと無理がありましたでしょうか?
  

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 一方、競馬の短距離戦(1200mなど)を陸上競技の100m、長距離戦(3200mなど)をマラソンになぞられたりすることがありますが、これにはかなりの無理があります。スポーツを分類するときはその競技時間から比較するのが良いようです。関連記事「競馬は陸上競技の中距離走」を以下に掲載していますので興味のある方はご覧ください。

「サラブレッドのスポーツ科学」
(一覧の最下段にあります”第1回”をご覧ください) 

2022年4月 3日 (日)

ルイジアナダービー

 

 

こんにちは。微生物研究室の越智@ルイジアナ州です。

日本では春のG1シーズンが始まりました。ご存知の通り,私の留学しているアメリカも競馬の盛んな国です。ルイジアナ州には,Fair Grounds Race Courseがあります。この競馬場は1838年に開場し,現存する競馬場としては米国で2番目に古い競馬場として知られています。今回, G2ルイジアナダービー(3歳,ダート9.5ハロン)を見るべく,弊社ニューヨーク事務所の職員と同競馬場に赴きました。ルイジアナダービーは,G1ケンタッキーダービー出走馬選定ポイントシリーズにカウントされており,過去の勝ち馬がケンタッキーダービーで好走することも多いようです。

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Fair Grounds Race Courseの外観

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パドックの奥にはニューオリンズの高層ビル群が見える

3_3 ダービーの日はドレスコードが設定され,多くの人がドレスアップしている

4_3 ルイジアナダービーのレイ。ケンタッキーダービ同様,バラの生花で作られている

以前に紹介したように,当研究所の獣医職職員は競馬場での業務も担当しています(ブログ(外部リンク))。初めてみたアメリカの競馬・競馬場は,本会とは異なるところもありとても楽しめました。

5_2 事故救護用の救急車(奥)とピックアップトラック(手前)。トラックには,万が一に備えて遮蔽幕が常備されている。

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パドックでマイクロチップを読み取る係員(左側)

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上の写真↑をクリックするとgoogle drive(外部サイト)につながり動画が再生されます。


ファンファーレは途中からジャズの名曲に(各レースで異なるアレンジのようです)