エクリプスとRVCの関係
こんにちは、イギリスに滞在している臨床医学研究室の田村です。
前回、Royal Veterinary College (RVC;王立獣医大学) にはエクリプスの骨格標本が保存されていることを紹介しました。
なぜ、エクリプスがRVCに保管されているのか?という質問を頂きました。
実は、エクリプスの存在そのものがRVCを設立するきっかけになったからです。
これまでに見たことのない圧倒的なスピードと体力があったエクリプスの存在は、当時の人々に難問を投げかけました。
現在の競馬ファンにも通じるその疑問は、いたってシンプルです。
「なぜ、あの馬はあんなに速いのか?」
その疑問に対して、科学的に向き合うために設立された研究機関、それこそがRVCだと言われています。当時の最先端の知識や検査道具を用いて、様々な観点から研究が実施されたようです。
そうした研究成果や経験が基礎となり、今日のRVCおよび獣医学の発展に繋がっていることを考えると、エクリプスの功績は相当なものであり、偉大な存在であったと考えられます。
さて、「なぜ、エクリプスは速いのか?」。
この疑問への回答は様々です。心臓が大きかったとする研究者や、骨格形状と関連付ける研究者もいます。
しかし、まだ完全な正解には至っていないようです。
なぜなら、Eclipse と名付けられたRVCの主要研究棟には、彼の骨格標本や貴重な試料が保存されており、現在においても最先端の知識や検査道具を用いて研究が継続されているからです。
一つの参考としてRVCのWebページ(外部サイト)をお教えしますので、「RVCのWebページ」の部分をクリックしてみてください。
200年以上が経過しても答えが出ないことに、競馬のロマンを感じることができます。
日本にいる大多数の競走馬がエクリプスの血統を引き継いでいます。競馬を通じることによって、彼らの速さの秘密を考えることは興味深いことかもしれません。