馬に由来があるもの
こんにちは、イギリスに滞在している臨床医学研究室の田村です。
前回、Royal Veterinary College (RVC;王立獣医大学) は競走馬との関係が深いことを紹介しました。今回はRVCの構内にある馬に由来があるものを紹介します。
写真は中庭にある彫刻です。作品のタイトルはDuncan's Horses。シェイクスピアの戯曲The Scottish playに登場するダンカンという人物に由来するそうです。もともとRVCの学生であり、その後に著名な彫刻家となったAdrian Jonesが1892年に作製した作品の復刻版です。彼はPeace in her Quadrigaという馬の彫刻も作製しており、ロンドン中心部に展示されています。どちらも馬の表情や筋肉の表現が精巧であり、力強い印象のある作品です。
Duncan's Horses
他にも、競走馬の名前が付けられている建物があります。
これまでのブログで紹介したEclipseの名は、RVCの最も大きい建物に名付けられています。この建物の中にEclipseの骨格標本が展示されています。
Eclipseは研究施設、スタッフ居室の他に
カフェも入っている建物に名付けられている。
また、他の研究施設の一つにはMill Reefという名前が付けられています。1968年に生まれたMill Reefは英国ダービーや仏国凱旋門賞を勝利し、その後も種牡馬としても活躍した実績があります。
Mill Reefは研究施設の名称になっている。
こちらのスタッフ居室となっている施設はKalanisiです。1996年に生まれたKalanisiは、英国チャンピオンステークスや米国ブリーダーズカップ・ターフの優勝馬です。出走したレースの全てで3着以内に入る優秀な競走馬でした。
Kalanisiはスタッフの居室施設の名前となっている。
建物に名前を付ける際の選考基準を聞いたのですが、誰も当時の経緯が分からないそうです。ただ、RVCの学生やスタッフは、いずれもこれらの歴史的名馬のことを良く知っており、現在に至るまで語り継がれています。