ローソニア感染症の研修(タイ王国)-生活編-
微生物研究室の丹羽です。
ローソニア感染症は、馬では増殖性腸症(EPE)と呼ばれ、発症した子馬は激しく痩せ細ってしまうため、生産地では大きな問題となっている病気です。ローソニア感染症は、豚の生産性を著しく悪化させる病気としてもよく知られています。
本年7月、ローソニア感染症の抗体検査法やその原因菌であるLawsonia intracellularis (LI)の培養法を習得するため、ローソニア感染症研究の第一人者であるタイ国立チュラロンコン大学のWattanaphansak博士の研究室に約3週間の技術研修を受けてまいりました(写真1)。研修は非常に充実したものとなりましたが、ブログということで今回は研修内容ではなく、日常生活についてご紹介したいと思います。
写真1. Wattanaphansak先生(中央)、山口大学の清水先生(右隣)、筆者(左隣)およびラボのスタッフの皆さん
研修の舞台となったチュラロンコン大学大動物研修センターは、タイ国内では最も養豚業が盛んなナコンパトム県内に位置し、バンコク市内から西へ約80kmの距離にあります。自然豊かな環境に囲まれ、近隣には宿泊施設がないことから、研修中は大学職員寮の1室を借り生活しました(写真2)。
写真2. 宿泊場所となった大学職員寮
この時期のタイは雨季にあたり、日中は晴れていても蒸し暑く、夕方頃になるとスコールと呼ばれる激しい雨が降り出します。寮は研修センターから歩いて5分程度の大学敷地内にあり、寮から研究室に行くまでの道のりや寮の自室内では日本では見ることのない様々な生物を見ることができました(写真3)。タイ料理は辛い食べ物が多く、現地の食堂もどこもキレイというわけではないことから、胃腸に不安のある私は胃腸薬と乾燥納豆は手放せませんでしたが、美味しい料理も数多くあり、楽しい思い出となりました(写真4)。
写真3. 寮の周辺で出会った野生動物たち
今回はタイでの生活をご紹介しましたが、また別の機会に研修で出会った様々な人々をご紹介できればと思っています。