海外研究者と挑む運動性肺出血(EIPH)研究
こんにちは、運動科学研究室の杉山です。
本研究室では3月下旬から4月上旬にかけて、米国・ワシントン州立大学のBayly教授(図1)とカナダ・カルガリー大学のLeguillette教授(図1)、大学院生のMassieさんを招き、 ウマの運動性肺出血(EIPH)に関する実験を行いました。
-------------------------------------------------------------------------------------------------- 左;Dr. Warwick Bayly ワシントン州立大学のウマの内科学教授。『Equine Internal Medicine』の共編者。専門はウマの運動・呼吸器疾患。
右;Dr. Renaud Leguillette カナダ・カルガリー大学の獣医内科・スポーツ医学の専門医、かつ同大学の教授。専門はウマの喘息やEIPH、心肺運動生理学。BALF(肺胞洗浄液)の色をワインの色で例えることで有名。
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EIPHは、激しい運動を行う競走馬などで見られる疾患で、肺の毛細血管が破れて気管へ出血が起こると、重度なものでは鼻血に至るものです。原因としては、運動にともなる肺内血圧の上昇や胸腔内圧の激しい変化が関連していると考えられています。今回の共同研究では、心電図、血圧計や運動時内視鏡を装着した状態で、馬のルームランナーとも言えるトレッドミル上を走行し(図2)、肺への負担を測定することを試みました。測定後の綿密なディスカッションは、非常に勉強になるものでした(図3)。
(図2)トレッドミル上で、ウマに装着している様々な測定機器を確認している様子。
(図3)得られたデータについてBayly教授(左)とLeguillette教授(右)とディスカッションしている様子。
滞在中、お二人の先生は日本に大変興味を示しになり、この季節ならではのイベント“お花見”では、満開の桜にも大変感動されていました(図4)!私たちも美しい桜の下で、実りある研究交流ができたことを大変喜ばしく思っています。
今回の研究成果については、今後学会発表や論文などで発表していく予定です。ご期待ください!
(図4)桜の下で記念撮影。いい季節に来ていただけました🌸