名手・内田博幸騎手を厩舎実習前に迎えて(騎手課程27期)

 今月8日にいよいよ東西トレセンの厩舎実習に向かう騎手課程第27期生(7名)が、内田博幸騎手を特別講師に迎えて授業を受講しました。

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 授業のタイトルは「コミュニケーション論」。地方競馬の騎手時代から培った、これからの厩舎実習やプロの騎手になってから必要な人間関係構築のための要素をはじめ、生徒からの質問コーナーや、訓練用木馬を使ってのワンポイント指導などで、2時間の講義時間をオーバーするほど熱の入った授業となりました。

授業では、

「トレセンに行けば、学校で怒られるぐらいでは済まない(『もうウチの馬に乗らなくてもよい』と言われたらおしまいということ)。
人と人とのつながりで社会は成り立っているので、まず人に好かれなければどんな世界でも上には立てない。厩舎の人を味方にして、好かれる人間となることが実り多い実習になるでしょう」。

「精神論になるが、技術の差で壁にぶつかることがあっても駄目とは思わず、上手くなろうとする気持ちが大事。気持ちは馬に伝わるもの。頑張れば技術は必ずついてくる」。

「普段のレース騎乗ではたとえ勝てなくても、『自分は勝つために負けているんだ』。と考えて乗っている。プロだから、実習中の失敗も切り替えていかなければならない」。
といった心構えから、

 生徒からの「筋力をつけるためにはどうしたらよいですか?」という質問に対しては、「基本的な筋肉があることは前提だが、自分の体と馬を自由に操れる柔軟さがあればそれで十分。余分な力は馬とのコンタクトを却って妨げることがある」。
といった言葉をいただきました。

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内田騎手は、地方競馬(南関東)騎手時代の一昨年秋に、JRAの騎手免許試験を受験のために来られての競馬学校。
「ここ(騎手課程)を出た人間でもないのに、こうしてJRAの騎手を目指す生徒さんのために力になれるのは本当に光栄なこと」。「何年後かに、世界に通用する騎手になり、私を脅かしてほしいです。また機会があれば呼んでください」。と感想を述べてくださいました。



 

騎手課程 夏の校外活動(明治乳業守谷工場/カシマサッカースタジアム)

 8月も下旬となり、朝夕は若干厳しい暑さから抜け出した感もありますが、生徒たちは4時起床で毎日熱い訓練をこなしています。

 朝の訓練は前倒しとなっていますが、当然の如く午後には学科の授業があり、こちらも通常期と変わらないカリキュラムをこなしています。若い心身とはいえ、なかなか疲れが取れないのが本音で、授業中はうとうと…というシーンも(大人の厩務員課程でもこのような場面にしばしば…)。

 そんな彼らに、日曜の休日と並んで「オアシス」というべき存在が校外活動。今月も社会見学やスポーツ観戦などを実施しており、6月の女子プロゴルフトーナメントへのボランティア参加、8月5日の鎌ヶ谷ファイターズタウンの「競馬学校デー」の模様につきましては、先日のブログでご紹介しました。

 そして本日は茨城県での2題。

taurus8月4日(火)には、28期生が明治乳業守谷工場(茨城県守谷市)を見学しました。
 今回の見学の目的は、守谷工場で製造される牛乳やジュース、ヨーグルトといった「ものづくり」の過程を学習することは勿論でしたが、

★ 食品業界の大前提である、「食の安全」を守るため、製造工程での厳正な商品管理を見ることが、競馬人として一番大切な「公正確保」につながるということ

★ 競馬学校でも「スポーツ栄養学」という授業を設けていますが、騎手という職業に必要な栄養管理についての学習
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これらについて特に意識した学習を、切本工場長をはじめ、明治乳業の皆さんの全面的なご協力により実施できました。この場を借りて改めて御礼申し上げます。

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 生徒・付き添いスタッフともに「厳重な装備」で工場内を見学させていただきました。

 生徒たちからは、
「衛生面の徹底が印象深く、『お客様に安全なものを提供する』という意識の強さが各所に表れており、消費者から信頼されている理由を肌で感じることができました」。
「製造過程でのロボットの精密な動きから、商品の充填・梱包まで、全く無駄のない流れでした。順番に回っていくと普段何気なく口にしているもののありがたみや、そこに行き着くまでの苦労を知り、想像を超えた世界に圧倒されました」。
と感想を語ってくれました。
 騎手になったら、ファンに信頼されるようにならないとね。

taurus明治乳業の工場見学サイト:http://www.meinyu.jp/fun/factory/ 

soccerそして、8月15日(土)には、27・28期生全員が、現在Jリーグで堂々トップに立つ鹿島アントラーズの本拠地、カシマサッカースタジアム(茨城県鹿嶋市)を見学しました。
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 アントラーズと競馬学校とは、昨年度よりプロサッカーが行う早期人材養成のエッセンスを学ぶこと等を目的に交流していただいており、スタジアムでの騎手課程生徒の試合観戦はこれが2回目となります。

生徒たちに様々なスポーツを観戦させることには、
★自分とは違う様々なフィールドで、プロフェッショナルとしてフィジカル・メンタルを鍛錬しているアスリートの存在を知る
★勝負の世界の厳しさを現場で垣間見る
★一生懸命応援しているファン(サポーター)の気持ちを知る
といった数多くのメリットがあると考えています。 

 
 さて、スタジアム入場の前には、アントラーズの方の案内で、普段は入れないロッカールームやトレーニング設備を見学。
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 アントラーズの数々の栄光や2002年のFIFAワールドカップ開催時の貴重な資料が満載の「カシマサッカーミュージアム」へ。
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 当日の試合は、J1リーグの大分トリニータ戦。
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 アントラーズは終始攻守に現状での力の違いを見せつけ、スコアは1-0ながらも点差以上の完勝。2万5000人余りの熱狂的なサポーターの応援にこたえました。その強さは生徒たちの心にも響いたようですよ。

 
 

北総鉄道「JRA競馬学校生徒作品展」

騎手課程生徒の学科には、精神や感覚を養うため「芸術」の授業があります(美術・音楽)。

 

この授業の成果である美術作品を、北総鉄道の各駅(西白井・白井・千葉ニュータウン中央)で、9月15日(火)までの期間「JRA競馬学校生徒作品展」と題し、展示していただいております。

 

今回展示しているのは、騎手課程26期生6名が制作した馬のブロンズ像4点と、騎手課程27期生7名が制作した馬の絵画7点の合計11点です。

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北総鉄道に乗られる機会がございましたら、毎日馬に接している騎手課程生徒ならではの目線で作り上げた力作を、ぜひご覧になってください。

 

【展示日程】

西白井駅8月12日(水)~8月25日(火)

白井駅8月25日(火)~9月4日(金)

千葉ニュータウン中央駅 

9月4日(金)~9月15日(火)

北総鉄道HP http://www.hokuso-railway.co.jp/

鎌ヶ谷ファイターズタウンのJRA競馬学校デー

 8月5日(水)鎌ヶ谷ファイターズタウンでのイースタンリーグ公式戦「北海道日本ハムファイターズ対東京ヤクルトスワローズ」戦に協賛した「JRA競馬学校デー」今年で3回目となりましたが、本来は、生徒の施設・試合見学でお世話になりっ放しのファイターズさんへのお礼として何かできないか?ということで始めたイベントであります。
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bell 競馬学校紹介コーナー
 今年はポニー・ミニチュアホースの供覧や訓練用木馬の試乗に加え、わかりやすいパネルを制作し、展示しました。
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baseball 開門時
 開門前からかなりの行列ができ、先着100名様に準備したJRAグッズは瞬く間に配布終了になりました。グッズは騎手課程生徒が「ご来場ありがとうございます」。の感謝の言葉とともに手渡ししました。お客様からは、「三浦騎手のようになれよ!」と声援の言葉をいただき感謝、感謝。

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baseball 試合前
 ダッグアウトで球団の方の案内により、練習見学。生の球音が間近に感じられました。また、ベースランニングを体験。ダイヤモンド一周は結構体力が必要で、「真剣に走ったら足がパンパン」。
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baseball セレモニー
 鎌ヶ谷の人気者カビーくん・ターフィー・騎手課程第27期生が整列し、野球実況やテレビ東京系「ウイニング競馬」の実況でもおなじみの矢野吉彦さんの進行で、当日の1000人以上のお客様に、鎌ヶ谷ファイターズタウンと競馬学校との交流の歴史や、 生徒へのインタビュー(日頃の体重管理や野球への憧れなど)の試合前セレモニーを行い、競馬学校や騎手を身近に感じていただきました。
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 そして、カビーがサインしたカラーボールを投げ入れ。
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 しかし上の写真の2秒後に、球場に来られた方だけが知っている悲劇が…わかりにくいでしょうが、とても恐ろしくてお話することはできませんのであしからず。
(「ターフィーの意外な一面を見ることができました」。と矢野MCのコメント)
 

試合前の緊迫した時間にもかかわらず、ファイターズの水上善雄2軍監督(写真左)はじめコーチ・選手のみなさんも、笑顔で生徒たちを迎えてくださいました。

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baseball そしておなじみ?となりましたボールホース今回はミニチュアホースの「ホワイトくん」が、まず始球式に選ばれた北海道からツアーで来られた方へ、そして3回表終了時には球審の方へ、それぞれ無事にボールを届けることができました。
 なかなか気難しいホワイトくんだけに、当日それほど暑くならなかったのが幸いしました。ホッ。


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typhoon生徒はイニング間に、子どもたちとのふれあう楽しいひとときなども交えながら、最後まで声を枯らして声援を送りましたが、ファイターズは1対6で敗れました。残念。
当日の詳しい結果はこちら(日本プロ野球機構のHP)からどうぞ。
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騎手課程第27期生 厩舎実習調教師との対面式

 
 競馬学校の騎手課程は3年制ですが、カリキュラムは「基礎課程」と「実践課程」の2つに大別しており、厳密には「○年生」という区別はしておりません。
 昨年4月に入学した
27期生7名は、本年9月初旬までの「基礎課程」を終えると、「実践課程前期」として栗東・美浦の両トレセンでの厩舎実習(約1年間)に進むこととなります。9月8日(火)からが実習となるわけですが、これに先立ち、実習先の調教師・ご家族と生徒・保護者との顔合わせ行事として「対面式」を行いました。

 まずは昼食会。生徒それぞれがお世話になる調教師さんに向け、ご挨拶と抱負を述べました。
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「ひと鞍ひと鞍を大事に乗り、馬に合わせた騎乗を身につけたい」。「現役の競走馬に乗れる貴重な機会を生かしてどん欲に色々と吸収したい」。「向上心、愛馬心をもって人間性も磨いていきたい」。

 これを受けて、預かる側の調教師さん方からも、「信頼されるジョッキーになれるよう、サポートさせていただきたい」。「親御さんの期待にも応えられるようにしたい」。「この世界は本人の頑張り以外に上がっていく方法はないので、今まで以上に努力してほしい」。といった声が聞かれました。

 次は会場を走路に移しての騎乗供覧。
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1年後、更に逞しくなって帰ってきてもらいたいですね。

 厩舎にて、騎乗供覧終了後のひとコマです。
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 藤澤和雄調教師は、「今回で生徒を預かるのは5人目(過去の4人はわかりますか?)。競馬学校の生徒を預かることは、本人の教育が第一ですが、厩舎スタッフの教育にも役立つ。ぜひ厩舎の活力になってもらいたいですね」。





8月5日の鎌ヶ谷ファイターズタウンは「JRA競馬学校デー」

 競馬学校は、8月5日(水)にファイターズスタジアム(鎌ヶ谷)で行われるプロ野球イースタンリーグ公式戦『北海道日本ハムファイターズ』対『東京ヤクルトスワローズ』戦当日に、『JRA競馬学校デー』と題した各種イベントを行います。

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 このイベントは、ブログをいつもご覧の皆さまにはお馴染みでしょうが、競馬学校の近隣に所在し、一流のプロアスリートを育成するという同じ目的の下で友好関係にある北海道日本ハムファイターズ(ファーム)に協賛し、2年前から実施しているものです。(その他騎手課程生徒の練習・試合見学や、生徒と新人選手との交流会等を実施しております)

 ファイターズの「カビー」とJRAの「ターフィー」のマスコット競演、そして「ボールホース」(試合で使用するボールをミニチュアホースが主審に届けます)が試合を盛り上げます。皆さまお誘いあわせのうえ、鎌ヶ谷ファイターズスタジアムにお越しください。(写真は昨年の模様です。)

北海道日本ハムファイターズからのお知らせはこちら(公式HP)

昨年の競馬学校デーの模様はこちら(競馬学校ブログ) 

さて、今週の週刊Gallop(サンケイスポーツ)では、「次代を担う顔、顔、顔 U22ジョッキー大集合」と題して、主に、競馬学校騎手課程第21期卒業生以降の若手騎手にスポットを当てた特集記事が掲載されています。松山弘平(25期)、國分兄弟(優作・恭介:25期)、伊藤工真(24期)、藤岡康太(23期)、そして三浦皇成(24期)らが続々登場していますよ。

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 月曜日発売の雑誌なのに、ご紹介が遅くなりましたが、このブログをいつも見ていただいていて、まだご覧でない方は見ないと後悔しますよ!?

やるときはやる?大江原圭騎手(騎手課程第24期生)初勝利!

 越後で真夏に桜が咲きました!
 25期生全員の初勝利に一息ついていましたが、一人忘れていました。24期卒業生で勝ち星のなかった大江原圭騎手が、26日の新潟競馬4R(障害戦)で⑥キングアーサーに騎乗し1着となり、デビュー1年5ヶ月にしてようやくの初勝利を達成しました。
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本人の喜びの声はこちら

 今年から関東所属となり、障害戦を中心にまずますの成績を残し、初勝利近しの予感はあったからね。「ゼロ」と「1勝」は随分違うので、自信を持ってこれからも騎乗して欲しいものです。

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 同期の伊藤工真騎手にプラカードを持ってもらってのセレモニー。工真も随分オトナになったな(というか、髪が伸びたな)。札幌で活躍中の三浦皇成騎手を加え、騎手課程24期卒業生は、学校時代、技術的に遜色のない3人です。今後もライバルとして切磋琢磨(工真?)してもらいたいと思います。

騎手課程卒業生の記念植樹(その①)21期

 毎年、2月の卒業式の日に騎手課程を終えた若者がここで学んだ標として行う記念植樹。
 1984年に卒業した1期生より四半世紀にわたり行われているもので、学校内狭しと、彼らの成長を示すように樹は育ち、中には四季折々に季節の果実を実らせるものもあります。

 現在は、2005年に卒業した第21期生(大野・小島一・佐藤聖・鮫島・塚田・中村将の6名)が植えた「ブルーベリー」が、実を付けだしました。

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 この樹を見ると、一昨年6月24日の落馬事故で負傷し、郷里の函館で懸命のリハビリを行っている塚田騎手の一日も早い回復を祈らずにはいられません。

 ところで、最近訓練を終えた生徒が、やたらこの樹の前に群がっているように見えますが、気のせいでしょうか??(このコ-ナーは不定期で続く予定です)

騎手課程28期生 恒例のサマーキャンプに!

 新入生恒例の学校行事「サマーキャンプ」。
 今年は勝浦市の「しあわせの丘リゾートオートキャンプ場」を会場に、7月17日~19日の2泊3日で実施しました。

 真夏というよりは、むしろ梅雨空に近い空模様の下でしたが、普段のカリキュラムが
夏時間となり、毎日朝4時に起床している生徒達も、この日は6時起床と緩やか(それでも早いですね!体操やジョギングでのトレーニングをしていました)
 22時就寝までの長い1日をバーベキューや海水浴などで、学校スタッフ(休日で飛び入り参加したスタッフもいました)と一緒に、思う存分堪能しました。

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無尽蔵にスタミナがあるのかとさえ思えた彼らもさすがに人の子。帰りのバスではぐったり。
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 サマーキャンプでリフレッシュした後は、馬に乗るのも愛馬心もステップアップupやで!


 
 

苦節?80戦 オーラス丸山元気が初勝利!

 元気がやりました!12日(土)の札幌競馬2Rで丸山元気騎手(美浦・根本康広厩舎)騎乗の①オンザスローンが、見事直線豪快に差し切り初勝利を挙げました。これで騎手課程25期卒業生5名がすべて勝ち星を挙げました。
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この姿を学校スタッフ一同、心待ちにしていました。
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ようやく立った本当の意味でのスタートライン。セレモニーでは同期の小野寺祐太、國分優作の両騎手が花を添えてくれました。
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元気は「『馬券』に絡める騎手になりたい」。と喜びのインタビューで話していました。このレースの単勝払戻金は7010円。なかなかのグッドジョブですが、これまで80回騎乗の単勝を全部同額買っていたとしても、まだ「回収率」はマイナス。5人とも「安心して買ってもらえる騎手」になってください!今後に更に期待しましょう!とにもかくにもおめでとう!!