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ブレーキング(騎乗馴致)を始める前に(日高)

ブレ-キングとは馬に鞍をつけて人が騎乗できるように教育することです。馬にとってみれば、わけのわからない馬具を付けられ、胸部を締め付けられた上に背中に跨られるわけで不安で一杯なはずです。しかし、この過程を経なければどんなに走る能力があっても競走馬になることはできません。馬が納得して自ら受け入れ、心に傷跡を残さないようにすることが肝心です。

馬は自然界では集団で生活する動物であり、必ず群れの中に順位が形成され強いリーダーのもと群れは安定します。対人関係も同様で、人が馬のリーダーになることで馬は人と一緒にいることに安心して信頼するようになります。馬に接する基本は褒めることですが、特に牡馬は自分がボスと勘違いしやすい傾向があり、ときには毅然とした態度で序列を明確にすることも必要です。ただし、馬を怖がって懲戒することは百害あって一利なしです。

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パッティング:タオルを用いて全身をパタパタと叩きますが、馬はじっとしています。

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ストラップ馴致:ベルトのようなストラップを用いて、馬の胸部を締め付けることに慣らします。

日高育成牧場では円滑で安全にブレーキングを進めるために、事前に様々な準備を行っています。タオルを用いたパッティングもその一つです。タオルで全身を隈なく触り、最終的にはパタパタと叩きます。最初は不安で体を硬くさせていた馬が、慣れると全く動じなくなります。パッティングは馬が人を受け入れてくれたかのバロメーターになります。特に敏感な部分である頭頂部、胸下、飛節の上は念入りに実施します。

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日々の馬体チェック:馬をつなぐことなく肢元を触っても馬はじっとしています。

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ウォーキングマシンの馴致:放牧地への行き帰りにウォーキングマシンを通します。