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1歳JRA育成馬が入厩しました(宮崎)

428日のJRAブリーズアップセールで売却された2歳馬たちが、続々とデビューする新馬戦(メイクデビュー)の季節となりました。

一方、「Big Dream Stables」宮崎育成牧場は次世代にむけてのスタートをきりました。78日の八戸市場でJRAが購買した4頭(すべて牡馬)の1歳馬が710日の朝、入厩しました。

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78日の八戸市場(青森)せり風景。景気の低迷もあってか他の市場同様売上を下げましたが、マイネレーツェル号(本年のフィリーズレビュー馬)やタムロチェリー号(01年最優秀2歳牝馬でJRA宮崎の育成馬)を輩出した実績ある市場。

まる1日以上の長時間輸送を経て宮崎に到着した1歳馬たちは、まず馬体の特徴や怪我のチェックおよび尿の検査を実施してから馬房でひと休みです。宮崎は連日30度を超える猛暑が続いていますが、この日からの数日間は風もあって比較的涼しく感じる気候でした。東北で育った馬たちにとっては、いい導入日になったといえます。ただ若馬にとって大きな環境の変化になるので、数日間は体調や怪我に細心の注意を払い、暑熱対策として扇風機を使用し、風量もこまめに調整しています。

さて、ひと休みした後はビッグイベントともいえる最初の放牧に向かいます。全馬青森産ですが、それぞれ違う牧場出身の4頭をはじめて同じ場所に放牧する瞬間です。

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710日、到着後最初の放牧に向かいます。

放牧早々、ボスの座を強く主張するチアズフリート07(父キンググローリアス)が他の3頭に次々と攻撃を仕掛けます。特に牡馬は噛み付いたり蹴りあったりで、少々の怪我は覚悟の上で放牧しますが、フェンスの付近でやりあったり、あまりにもひどい攻撃など危険の高い情況は避けられるように、職員がしばらく監視を続けます。最後まで抵抗していたプリンセスホーラーの07(父は新種牡馬マイネルセレクト)が「降参」のサインを出すまで概ね20分間、チアズフリートの07は全身汗だくで走り、他の3頭に攻撃を続けました。とりあえず同馬がボスに君臨したようで、群れはほぼ落ち着き、幸い怪我もみられませんでした。

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黒鹿毛馬チアズフリートの07(父キンググローリアス)が栗毛馬プレゼントの07(父は新種牡馬バゴ)に噛み付いて離そうとしません。

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711日には夜間放牧を開始しました。左からクリスタルクリアの07(父キャプテンスティーヴ)、チアズフリートの07(父キンググローリアス)、プレゼントの07(父は新種牡馬バゴ)、プリンセスホーラーの07(父は新種牡馬マイネルセレクト)の青森産4頭です。

翌日には群れもすっかり安定し、夜間放牧を開始しました。極端な暑さの日中を避け、概ね夕方4時から朝8時まで放牧します。青草を十分に採食し、群れで適度な運動をすることで、基礎体力を養成し、馬体の成長を待ちます。9月に始まる騎乗馴致までは、人との信頼関係を築き、扱いやすい馬になるよう、手をかけて管理していきたいと思います。

     九州産育成馬も入厩しています。

実はこれより前の530日、入厩一番乗りはゲイリーアミューズの07(牝・父は新種牡馬ボーンキング)でした。すでに十分な引き馬・手入れの馴致がなされ、ウォーキングマシンやゲートの周り、調教トラック内など様々な場所での引き運動を実施しています。九州市場(5/12)で購買した同馬は、数少ない地元九州産馬としても注目されます。ちなみに07年のサラブレッド生産頭数(7516頭)に占める九州産(98頭)の割合は1.3%で、95.6%は北海道産となっています。

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九州産馬ゲイリーアミューズの07(牝・父は新種牡馬ボーンキング)