新人獣医研修が無事に終わりました!
企画調整室の岡田です。
JRA競走馬総合研究所(以下、総研)では、その年度の新規採用獣医職員を対象に研修を実施しています。これは、現代の大学教育ではあまり深く教えないウマ、特に競走馬に関する知識を身につけて即戦力として活動してもらうことを目的としたものです。私はJRA本部の獣医課および総研の各研究室と連携して、期間の限られた中でより充実した研修にするべくこれを総括し、今年も無事に6月10日から約2週間にわたって実施することができました。
実は、JRAは自分達の職員だけが教育されれば良いとは考えず、本会と関連の深い、されど教育者や教育施設の手薄な本会トレーニングセンター開業獣医、地方競馬場あるいは生産地の諸機関などから依頼されれば、それら諸機関の若い獣医師をお招きして本会職員と一緒に教育を受けてもらっています。本年は、8名の本会新人に加えて外部から5名の若手獣医師をお招きしました。
自分も新人の時に、同期職員だけでなく外部からいらした若手獣医師と共にこの研修を受けたのを昨日のことのように覚えています。今、振り返って考えてみますと、本会の獣医師が一同に集まったり、本会外の同業者と意見交換したりできる機会は意外と少なく、この意味で、本研修は社会に出たばかりで役職が固まっていない、そして就いたポストの責任に縛られずに、同世代とコミュニケーションができる貴重な機会だったなと思います。
・勉強だけでなく懇親会では職場の枠を超えたコミュニケーションが重要(本年研修)
実習を総括してみますと、国家試験を合格してきたばかりのフレッシュな後輩達は、みな優秀であることがわかります。それでもウマに関する知識は不十分で、現場の諸先輩達についていくには、総研での教育は欠かせないと感じました。競走馬獣医師としての心構えを、現場経験のある研究者から聞けるのも総研の特徴です。研究者といえども、前職では現場で競走馬をバリバリ診ていた強者がいっぱいいますからね。
新人獣医師もいつか指導者の立場に立ちます。この研修で学んだことは知識だけでなく、上に立った時の目線の置き方にもヒントとなる貴重な経験だったことをも胸に刻み、これからの長い道を歩んで行ってほしいものです。