« ランジングについて(宮崎) | メイン | ドライビング~騎乗まで(宮崎) »

馬体写真撮影の変遷(日高)

近年、せり名簿に併せて馬体写真カタログを作成するせり主催者が増えてきました。写真により、事前に馬体をイメージできるというメリットがある反面、写りが悪いとマイナスイメージを与えてしまう怖さもあります。

1回目となった2005JRAブリーズアップセール開催にあたり、写真カタログ用の撮影を3月中旬に行いました。日高では撮影場所の選定にあたり、平坦で脚元がよく見えて、しかも雪などの自然現象の影響が最小限の場所ということで、初年度は厩舎の中庭で撮影することにしました。

1

1回のJRAブリーズアップセール用の写真:馬は重賞を2勝したダイワパッション号(牝:父フォーティナイナー)

背景にクリーム色の壁と緑色の馬房の扉が写ってしまい、背景がうるさく感じられました。そこで、2年目はアイボリー色のボードを背景に撮影を行いました。

2

第2回のJRAブリーズアップセール用の写真:馬は新馬、オープンを連勝して、先週の秋華賞に出走したハロースピード号(牝:父マヤノトップガン)

ボードで背景はすっきりしましたが、アイボリー色は明るすぎたため、やや馬体が暗く見えてします傾向がありました。そこで、3年目はボードをモスグリーン色に変更しました。さらに今まで1回だった撮影回数を、入厩間もない時期と売却前の時期の2回とすることで、写真で馬体の成長が比較できるように工夫しました。

3

第3回のJRAブリーズアップセール用の売却前の写真:馬は今年の2歳新馬を勝ったベストロング号(牡:父コロナドズクエスト)

ボードをモスグリーン色にしたことで、これまでの欠点は解消されたものの、撮影条件上、馬とボードの距離を近づけての撮影となるために、背景にもピントが合ってしまい、どうしても馬体を浮き上がらせることができませんでした。そこで、今年は日高山脈を背景にした撮影場所を新たに作りました。放牧柵が少し気になりますが、これまで以上に馬のよさを引き出せる場所だと思います。今後もよりよい写真撮影を目指していきたいと思います。

4

今年作った新たな撮影場所。下をウレタン敷きにすることで、馬の肢元がはっきり見えます。遠くには美しい日高山脈の山々が広がる素晴らしい背景です。

5

背景が遠くなり、ズームレンズを用いて被写界深度を浅くすることで、馬体を浮き上がらせることができました。馬は今年のサマーセールでJRA最高価格馬(税込み1312.5万)となったシラーの06(牝:父マイネルラヴ)。写真からも皮膚の薄い素晴らしい馬体の持ち主であることがわかります。今年のJRA育成馬期待の1頭です。