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育成馬ブログ 生産編④ 「その2」

BCSと定期的な馬体検査

 

当場では、BCS(Body Condition Score:ボディコンディションスコア)を毎月1回、3名以上の複数のスタッフでつけた平均点を出して、飼養管理の参考にしています。

Bcs_2

BCSは毎月1回、複数のスタッフで採点しています。

 

この毎月の検査では、BCSだけではなく、馬体全体のつくりや、肢勢、蹄形などを観察することで、給餌や削蹄の参考にしています。

この検査の重要なポイントは、子馬に毎日接しているスタッフ以外の「客観的な視点」です。

毎日接しているスタッフも、決して観察を怠っているわけではありませんが、毎日の微妙な変化には気づきにくい傾向にあります。このため、第三者の客観的な視点が極めて重要な「気付き」を与えてくれるのです。

 

なお、当場の当歳馬のBCSは、5.0~6.0を目標に管理しており、前回触れたとおり、4.9~5.3とやや低めではありますが、良好な馬体に保っています。

 

子馬の馬体をつくるうえで、「やや余裕がある馬」を理想にしている牧場がある一方で、「やや細め」で管理したいと考えている牧場もあると思います。

いずれの場合であっても、馬体重やBCSのような客観的な指標を用いることで、そのポリシーを具現化し易くなるのではないでしょうか。

 

なお、当場の当歳馬に対する給餌量は、10月末まではスタム1kgのみでしたが、徐々に朝晩の冷え込みが増してきたため、11月からエンバク1kgを追加して合計2kgに増量しています。

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ホームブレッド フローラルホームの14 牝 父サマーバード

182日齢 馬体重:244kg ADG:0.7kg/日 BCS:4.9(11月5日現在)

 

今年の冬も昨年同様、全頭の昼夜放牧を継続していくなかで、厳冬期におけるウォーキングマシンの効果を確認することを目的として、ウォーキングマシン実施群と未実施群に分ける実験を行います。

 

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