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育成馬ブログ 生産編②「その1」

離乳 その1

 

JRA日高育成牧場では、本年生産したホームブレッド8頭の離乳を8月中旬から

9月初旬にかけて段階的に行いました。

 

離乳は例年どおり、段階的に母馬を放牧群から引き離す「間引き法」、事前に性格が

穏やかな牝馬を子守役として群に加える「コンパニオン牝馬の導入」の2つの方法を

用いました。

方法の詳細はこちらをご覧下さい。

https://blog.jra.jp/ikusei/2013/09/4-174b.html

 

本年についても、離乳時の事故など大きなトラブルがなく、例年以上に馬群が

落ち着いていた印象が見受けられました。

  

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子馬から離される母馬。左後方は落ち着いて草を食べる子馬達。

(撮影 田中哲実氏)

 

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母馬がいないことに気付いて走り回る子馬達。(撮影 田中哲実氏)

 

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10分も立たないうちに落ち着きを取り戻し草を食む子馬達。

右から2頭目は子守役の牝馬(撮影 田中哲実氏)

 

この方法を実施するための条件は、母馬を子馬から完全に引き離すことができる

施設があることです。

母子お互いの姿が見えたり、泣き声がそれぞれの耳に届いたりする場所にしか

母馬を移動できない場合には、子馬が柵を飛越するなどの事故のリスクがあるため、

この方法を実施すべきではないでしょう。

また、たとえ母馬ではなくても隣接する放牧地に他の馬がいる場合には、

事故のリスクは避けられないため注意が必要です。

 

つづく

 

活躍馬情報(事務局)

先週土曜日の阪神2R(2歳未勝利)で、

宮崎育成牧場で育成されたタイセイマライカ号が優勝しました。

同馬は2015年JRAブリーズアップセールで取引され、

7戦目での勝ち上がりとなりました。今後のますますの活躍を期待しております。

201509192r__g
9月19日 4回阪神競馬3日目 第2R  2歳未勝利 芝 1,200m

タイセイマライカ号(ミヤビアルカディアの13) 牝

【 厩舎:西村 真幸 厩舎(栗東) 父:バゴ 】

活躍馬情報(事務局)

先週土曜日の中山1R(2歳未勝利)で、

宮崎育成牧場で育成されたキーロフ号が優勝しました。

同馬は2015年JRAブリーズアップセールで取引され、

2戦目での勝ち上がりとなりました。今後のますますの活躍を期待しております。

_201509121r_g

9月12日 4回中山競馬1日目 第1R  2歳未勝利 ダート 1,200m

キーロフ号(スタートラッカーの13) 牡

【 厩舎:竹内 正洋 厩舎(美浦) 父:ファスリエフ 】

育成馬ブログ 宮崎②

○  馬に親しむ日の開催(宮崎)

 

 

JRA宮崎育成牧場における馬事普及業務の最大のイベントともいえる

「馬に親しむ日」を8月30日に開催いたしました。

 前日から激しい雨が降り続き、当日の天気予報も雨となっておりましたが、

開場となった9時には雨も止み、開会式がスタートしました。

「馬に親しむ日」の名のとおり、乗馬試乗会、流鏑馬(やぶさめ)、ホースショー、

ポニーショー、馬に関するクイズ大会、さらには草競馬やポニー競馬など

盛りだくさんのイベントが行われました。

 

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写真① ミニチュアポニーのモック(左)とプリン(右)のショー

 

 多くのイベントの中でもポニー競馬は、予選2組を勝ち上がった人馬6頭が

決勝戦に進出し、10月11日(日)に開催される「第7回ジョッキーベイビーズ」の

九州地区代表の1枚の切符をかけた熱いレースが繰り広げられました。

結果は鹿児島県から参加の「サツマヨカニセ号」に騎乗した福元君(小学6年生)が

ゴール前で見事に差し切り、九州地区代表の座に輝きました。

ポニー競馬に参加した子供達の騎乗技術のレベルは上がってきており、

人馬の実力が拮抗してきたため、来年はさらに熱い戦いが予想されるため、

早くも来年が待ち遠しいです。

 

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写真② ポニー競馬には12頭がエントリーし、上位6頭で決勝が行われました。

優勝は5番サツマヨカニセ号(左)に騎乗した福元君(小6)で、10月11日に東京

競馬場で行われます「第7回ジョッキーベイビーズ」の九州地区の代表となりました。

 

 

今年はスペシャルゲストとして名古屋競馬で活躍する木之前騎手をお招きし、

トークショー、ポニー競馬のパドック解説のみならず、ポニー競馬の優勝騎手への

プレゼンターまでお願いしました。実は木之前騎手は地元宮崎県三股町の

出身であり、小学6年生から当宮崎育成牧場の乗馬スポーツ少年団で乗馬を

はじめ、騎手を目指すようになったという背景をお持ちであり、まさに凱旋といった

感じがしました。木之前騎手のポニー競馬の騎手たちへの温かいまなざしは

とても印象的でした。

 

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写真③ スペシャルゲストの木之前騎手(右)から「第7回ジョッキーベイビーズ」の

招待状を受け取る優勝騎手の福元君(真中)とサツマヨカニセ号(左)。

 

 

 時折小雨に見舞われましたが、大きな天気の崩れはなかったのも幸いし、

お蔭様で4,200名ものお客様が来場され、お楽しみいただきました。

普段、馬とはあまり身近でないお客様が、このようなイベントを通じて馬と触れあう

ことによって、馬のみならず競馬への興味を深めていただけるのではないかと

思っております。この場をお借りいたしまして、ご来場いただきましたお客様、

ならびにご協力いただきました関係者の皆様に感謝申し上げます。

 馬に親しむ日が終わると、いよいよ育成業務が本格化します。北海道から

44時間の輸送を経て、9月3日には宮崎育成牧場所属の育成馬15頭が

宮崎に到着しました。これにより、本年度の宮崎育成牧場繋養馬22頭(牡11頭、

牝11頭)が全て入厩したことになります。今後は牡から順次、騎乗馴致を開始していく

予定です。なお、本年は日高育成牧場で生産したJRAホームブレッド2頭についても、

宮崎育成牧場で後期育成を行います。

 

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写真④ 「北の国」北海道から44時間かけて「南国」宮崎に到着した育成馬は

輸送の疲れも見せず、放牧地を元気に駆け回っていました。

 

 なお、昨年も開催いたしました「一般市民向け育成馬見学会」を本年は

10月17日(土)に開催する予定です。詳しくは場内の掲示板、もしくは

宮崎育成牧場ホームページのイベント情報(http://jra.jp/miyazaki/05.html

をご覧ください。職員一同、皆様のご来場を心よりお待ちしております。