育成馬ブログ 生産編⑤「その2」
・SUKOYAKA馬体
SUKOYAKA馬体は、
子馬や繁殖牝馬の個体情報を記録し、管理するためのソフトです。
定期的に測定した馬体重を入力すると、自動的にグラフ化してくれます。
また、子馬については、標準曲線と比較することもできます。
SUKOYAKA馬体
測定体重の入力により、標準曲線と比較したグラフを作成することができる。
標準曲線は、日高管内の30牧場の約2,400頭の子馬の馬体重データ4万点を
性別・生まれ月ごとに分けた平均値をもとに作成したものです。
この標準曲線と登録馬のデータを比較することで、
子馬が順調に成長しているかどうかを確認することができます。
ただし、「標準曲線はあくまで目安である」ということを念頭に置いて利用して下さい。
すなわち、
標準曲線を「上回ったら、飼料を減らす」、「下回ったら、飼料を増やす」
など機械的に利用するのではなく、
あくまで、実際の馬を観察したうえで、
BCS、体高、胸囲、管囲、疾病の有無、放牧草の状態などの情報と併せて
飼養管理に活用することが合理的です。
標準曲線との比較は馬の成長把握の1つの材料
また、子馬および繁殖牝馬の様々なデータ蓄積は、生産牧場における
適切な飼養管理、もしくは管理方法の改善に大きく寄与します。
ビジネスの世界で使われているPDCAサイクル、
つまり Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Act(改善)
の4段階を繰り返すことにより業務を継続的に改善する手法は、
生産牧場でも活用することができます。
SUKOYAKAを活用した牧場におけるPDCAサイクル
この場合、正しくCheck(評価)するためには、「事実の正しい認識」が重要です。
つまり、「曖昧な主観的感覚」ではなく、「客観的なデータ」の検証が必要になります。
SUKOYAKA馬体は、馬体重だけではなく、
体高などの測尺値やBCS、出産、病気、離乳などの様々なイベント、
給与飼料や病名などの必要に応じたコメントを入力し、
データとして蓄積することができます。
馬体重以外にも、測尺値やBCS、必要に応じたコメントの入力が可能
イベントやコメントなどはグラフにも反映される。
これらの蓄積データを活用することにより、
過去に実施した飼養管理方法の評価「振り返り」が可能となり、
適切な改善へとつながります。
「振り返り」の具体例としては、
「昨年の世代と比較して、今年の1歳馬は骨疾患が多い。
昨年と今年の馬体成長や BCSに違いはあるだろうか?」
「今年の1歳馬は冬期のBCS保持が困難だった。
離乳期の馬体重やBCSは 問題なかっただろうか?」
「今年は繁殖牝馬の受胎成績が良くなかった。
成績が良かった昨年の馬体重や BCSと比較してみよう」
などがあげられます。
このようなデータを活用した評価をすることで、
具体的な改善策が浮かび易くなります。
また、栄養指導者などの第三者に相談する場合でも、
過去の蓄積データを示すことで、より適切な解決策の発見につながります。
是非、軽種馬牧場管理ソフト「SUKOYAKA」をご活用ください!!
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