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2017 JRAブリーズアップセール関連情報(事務局)

馬主限定ツアー『育成馬を知ろう会in宮崎』開催のご案内

 

JRA馬事部 生産育成対策室では、

今年で6回目となります『育成馬を知ろう会in宮崎』を、

来る4月3日(月)に開催いたします。

 

この企画は、馬主の皆様に

"セリ市場に参加して馬を選択・購買する楽しさ”

お伝えするためのものです。

 

当日は、馬の見方の解説、

ブリーズアップセール上場予定馬の紹介、

全国セリ市場の紹介のほか、

JRA調教師との交流を目的として

「馬主・調教師懇談会」を開催する予定です。

ご参加いただくには事前のご応募が必要ですが、

詳細については下記(5.お問い合わせ)までお問い合わせください。

 

また、翌4月4日(火)には

実際に宮崎育成牧場での調教をご覧いただける

育成馬展示会も開催しますので、

参加をご希望の方は

「育成馬を知ろう会in宮崎」に引き続きご参加いただけます。

本ツアーはJRA馬主の方皆様にご応募いただけますが、

平成26年以降に馬主登録された方を優先させて頂きます。

新規馬主の方には1月中にご案内を郵送いたします。

 

【開催概要】

1. 開催日時 : 平成29年4月3日(月)13時30分頃~19時30分頃

⦁ 翌日の展示会は10時頃~13時頃までを予定しています。

2. 募集人数 :最大 50名程度(事前にご応募いただいた方のみ)

⦁ ご応募多数の際には抽選で決定いたします。

⦁ 平成26年以降に馬主登録された方を優先させていただきます。

3. 場所 : JRA宮崎育成牧場(宮崎空港から車で約25分)

〒880-0036 宮崎市 花ヶ島町 大原 2347

4. 費用 : 現地までの交通費および宿泊費は自己負担となります。

5. お問い合わせ: JRA馬事部 生産育成対策室

Tel 03-5785-7540 (担当:守山・内藤)

 

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馬の見方について講義と実地で解説 <育成場展示会のご案内>

 

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ブリーズアップセール上場予定馬の紹介 

 

      

JRAブリーズアップセールに先立ち、

宮崎および日高育成牧場において、

上場予定育成馬の展示会を以下のとおり開催します。

関係者の皆様のご来場をお待ちしております。

 

★育成馬展示会(事前のお申し込みは不要です)

・宮崎育成牧場 平成29年4月4日(火)10時より開催

 電話:0985-25-3448

・日高育成牧場 平成29年4月10日(月)10時より開催

 電話:0146-28-1211

育成馬ブログ 宮崎⑤

○ブリーズアップセール用育成馬写真の撮影(宮崎)

 


宮崎では「スポーツランドみやざき」の名の下、

初春の風物詩となっているプロ野球球団のキャンプが

2月1日からスタートしています。

昨年同様、

巨人、ソフトバンク、オリックス(宮崎市)、

広島、西武(日南市)

の5球団がキャンプインしています。

昨年、セリーグを制した広島に続いて、

本年もこれらの中から優勝チームが誕生することを

期待せずにはいられません。

さらに、2月下旬にはWBC日本代表「侍ジャパン」の合宿

および強化試合が行われる予定もあります。

宮崎がキャンプ地として選ばれる理由は、

気温では沖縄に及びませんが、

「日本のひなた」というキャッチフレーズのとおり晴天率が高く、

特に2月の日照時間は那覇市の約2倍であるという点です。

キャンプが始まると、県内外から多くの観光客が訪れ、

宮崎の街は活気づきます。

 

Photo

写真① 日南市南郷スタジアムでキャンプ中の西武ライオンズの選手たち。

 野球選手も坂路調教が効果的なようです。

 

●育成馬の近況

 
さて、宮崎育成牧場の

JRA育成馬22頭の近況をお伝えいたします。

 

最初にウォーミングアップとして

500mトラック馬場で直線をキャンター、

コーナーを速歩という調教を左右3周ずつ実施しています。

この調教は、同じ環境で同じ調教を実施することによって

メンタル面の安定を図ることを目的としています。

 
一方、1600m馬場では、

3月からの本格的なスピード調教に向けて、

現在は基礎体力養成を主眼に調教を実施しています。

1列縦隊で20~18秒/ハロンのペースでの

2000mのステディキャンターを基本調教としています。

 
また、週1回実施している強調教時には、

同様に2000mの距離を走行しますが、

普段とは異なるパターン、

つまり、2列あるいは3列縦隊で

ラスト3~4ハロンをハロン16秒/ハロンのペースでの

調教を実施しています。

 
このように1週間の調教の流れをパターン化して、

馬が“オン”と“オフ”の切り替えを

馬自らできるように工夫しています。

 

Photo_2 
写真② 左)ウォーミングアップとして実施している

500m馬場での直線キャンター、コーナー速歩調教。

右)1600m馬場における牝馬群の2列縦隊でのキャンター。

 

 

動画① 2月上旬の1600mダートコースでの調教動画

 

 

●ブリーズアップセール用写真の撮影

 

ここからは、4月25日(火)に中山競馬場で開催される

ブリーズアップセール用の育成馬写真の撮影について

触れさせていただきます。

一昨年までは、可能な限り直近の

育成馬の姿を写真で見ていただこうという趣旨で、

セリ名簿と写真カタログを個別に作成していました。

しかし、昨年からは、お客様の利便性を考えて、

セリ名簿に育成馬の写真を掲載させていただいております。

そのため、育成馬の写真撮影の時期が

一昨年から1ヶ月ほど早くなり、

2月初旬から撮影を開始しております。

 

Photo_3

写真③ 写真撮影を行うエムエヌメロディーの15

(牝、父:エスポワールシチー)

 

 
様々な写真撮影のテクニックがありますが、

馬の良さを引き出す写真を撮影する最も重要な要素は

天候と言っても過言ではありません。

太陽の光と風が味方してくれなければ、

どれだけ手入れをして、どれだけきれいに立たせても

インパクトのない写真になってしまいます。

そういった意味では、冒頭で述べましたとおり、

晴天率が高い「日本のひなた」宮崎は、

撮影テクニックを補ってくれる

太陽の光が見方をしてくれており、

順調に撮影を終えることができました。

 

毎日育成馬を見ていると、

成長の様子を感じることはできませんが、

昨年9月の入厩時の写真と比較すると、

5ヶ月間トレーニングを行い、

1歳時の子供らしさが抜けてたくましくなっていることを

実感することができます。

 

Photo_4   
写真④ アンキャニーの15(牝、父:ロードカナロア)の

左)昨年9月中旬の写真、右)2月上旬の写真

 

 
育成馬の写真撮影を始めると

セールが近づいてきたことを実感いたします。

私たちが育成馬に手をかけられる時間は

セールまでの残りわずかな時間となります。

この限られた時間を育成馬のために費やしたいと思います。

活躍馬情報(事務局)

2月12日の東京5R(3歳500万下)で、

日高育成牧場で育成されたフォーカード号が

中団から差し切り2勝目を挙げました。

 

 

_201702125r500g_2

2月12日 1回東京競馬6日目 第5R  3歳500万下 ダ 1,600m

フォーカード号(キングズラヴの14) 牡

【 厩舎:小崎 憲 厩舎(栗東) 父:サマーバード 】

 

今後のさらなる活躍を期待しております。

育成馬ブログ 日高④

⦁ 運動時内視鏡検査を行いました(日高)

 

JRA日高育成牧場は一年で最も寒い季節を迎えました。

シーズン最盛期を迎えた町のスケートリンクでは、

ちびっ子スケーター達が毎日トレーニングに励んでいます。

浦河町でスケートをはじめ

ソチオリンピックに出場したウィリアムソン師円選手や

次期オリンピック代表候補の小田卓朗選手は、

彼らの憧れであり目標でもあります。

 

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  写真1.浦河町の屋外スケートリンク

 

●育成馬の近況

 

まずはJRA育成馬の近況をお伝えします。

2歳育成馬の調教はここまで順調に進められています。

屋内800mトラックをキャンター1周(縦列:ハロン22秒程度)

してから手前を変えて2周(2列縦隊:ハロン20秒程度)する

基本メニューを継続しながら、

週に2回(火曜・金曜)の坂路調教を行っています。

現在、坂路調教日には

800mトラックのウォーミングアップ(2周、ハロン22秒程度)

してから坂路を2本(ラスト3ハロンを18-18-18秒程度)

駈けあがっています。

 

さらに放牧とウォーキングマシン運動だけで管理されていた

週2日の休日は1日だけになり、

週に1回屋内800mトラックを2周+2周(ハロン22-20秒程度)する

スタミナ調教もはじめました。

調教内容は徐々に強化され、

競走馬としてデビューする日に向けて

着実に前進しています。

 

 

動画1.坂路調教時の映像

先頭はビクトリアスズランの15(父:ケイムホーム)

  

 

●運動時内視鏡検査を実施しました

 

続いて育成馬に実施した運動時内視鏡検査

(オーバーグランド内視鏡検査:以下OGE検査)を紹介します。

以前の運動時内視鏡検査は

馬をトレッドミル上で走らせながら検査していました。

このOGE検査は騎乗しながら安全に内視鏡検査が実施できるため、

騎乗調教中の「ノドのライブ映像」が確認できます。

また、トレッドミル内視鏡検査では見つけられなかった

異常が発見できることもあります。

 

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  写真2.運動時内視鏡検査。頭絡に固定した内視鏡(赤矢印)と

軽量化された映像保存機器(黄色矢印)が装着されています。

 

この育成馬は、枠場で行った安静時内視鏡検査で

喉頭片麻痺(Laryngeal hemiplegia:以下LH)の

グレードが高かった馬です。

LHは、ノドにある披裂軟骨(図1参照)の動きが悪くなる疾患で、

その動き方や状態をみてグレードわけされます。

(正常グレードⅠ~異常グレードⅣに分類)

 

披裂軟骨は気管の入り口に位置し、

息を吸い込む際に大きく開くことで

気道が広がって十分な酸素を取り込みます。

披裂軟骨を動かす筋肉(背側輪状披裂筋など)を

支配する神経が麻痺すると披裂軟骨が十分開かなくなり、

走行中に十分な酸素が取り込めずに

プアパフォーマンス(本来持っている走行能力を発揮できない状態)

を引き起こします。

 

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  図1.馬の上気道と内視鏡像

  

 

今回の検査は坂路調教時に実施し、

走行スピードはラスト3ハロンが58秒(20-19-19秒)でした。

この検査結果(動画2)をみると、

騎乗調教時には披裂軟骨が十分に開き、

気道が広く確保されていることがわかります。

(動画3と比較してください)

 

今後も必要な馬には、

積極的にOGE検査を実施しようと考えています。

 

 

動画2.OGE検査動画

駈歩中は左右の披裂軟骨が大きく開いて気道が確保されています。

検査中に録音した呼吸音にも異常は認められません。  

 

 

 

動画3.同じ馬の安静時検査動画  

 

 

●BTC34期生の騎乗研修

 

話は変わりますが、

以前紹介したBTC(軽種馬育成調教センター)研修生の

騎乗訓練が続いています。

19名いる研修生が2歳馬に騎乗できるのは

当場で行うこの研修だけなので、

彼らにとってとても貴重な経験になります。

研修は「4月10日(月)の育成馬展示会まで」という

限られた時間の中で、

少しでも多くのことを学んで、

競馬サークルを支える立派な人材に成長して欲しいと思っています。

 

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  写真3.JRA育成馬に騎乗する研修生(写真右端。青いヘルメットで騎乗)

 

 

●育成馬検査を行いました

 

最後に、宮崎育成牧場の記事でも紹介した育成馬検査を、

当場でも行ったので紹介します。

検査にはJRA本部から担当職員が来場し、

全馬の調教状況の確認ならびに馬体検査を行います。

この馬体検査では

馬の成長具合や疾病の有無を確認すると同時に、

手入れ・トリミング・しつけも含めた

馬をみていただく姿勢を評価する

“ベストターンドアウト賞”の審査も行いました。

この審査で高く評価されることを目指し、

職員ならびにBTC研修生は入念に担当馬を磨き上げるとともに

ウォーキングの練習を行いました。

このような審査を頻繁に実施することで

互いに競い合い、

お客様がいつ来場されても

馬をきちんと見ていただける環境を整えておきたいと考えています。

 

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  写真4.馬体検査中の育成馬

(レディフェアリー15、牝、父:ゼンノロブロイ)

 

寒さ厳しい季節ではありますが、

是非とも日高育成牧場にお越しください。

関係者の皆様のご来場、心からお待ちしております!

育成馬ブログ 生産編④

馬鼻肺炎ワクチンの効果

 

昨シーズンの日高管内における

馬鼻肺炎による流産発生頭数は例年より多い53頭、

今シーズンも1月14日時点ですでに9頭の発生が報告されています。

 

馬鼻肺炎の流産に対しては、

「適切な飼養管理(妊娠馬の隔離など)」

「ワクチン接種」

「流産発生を想定した準備」

が予防策の3本柱として極めて重要であり、

このうち1つでも欠かすことができません。

 

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馬鼻肺炎の流産予防策の3本柱

 

このうちのワクチンについては、

正確な知識を持ったうえで

適切に接種することが馬の飼養管理者には求められます。

生産現場でこのような話を耳にすることがあります。

「馬鼻肺炎のワクチンは流産予防に効果がないのではないか?」

「ワクチン接種が流産をおこすのではないか?」

始めにお断りしておきますが、

これらの話は明らかに間違っています。

特に後者、

「ワクチン接種が流産を引き起こすこと」

は絶対にありません。

 

しかし、流産発生状況を見てみると、

ワクチン接種馬でも流産しています。

このことから、

ワクチンの流産予防効果を疑う人がいても

何ら不思議ではありません。

ワクチンの効果については

「馬鼻肺炎ウイルスの流産に対しては、

ワクチンでは完全には予防することができない」

というのが正確なところです。

 

では、なぜ完全に予防することができないのでしょうか?

それは馬鼻肺炎ウイルス(以下、EHV-1)の特性にあります。

EHV-1は免疫回避能力に長けているウイルスなのです。

どういうことでしょうか?

 

多くのウイルスや細菌などの病原体は、

免疫が備わったウマの体内に入った際には、

抗体や白血球などによる攻撃を受けることで

死滅もしくは病原性が減弱します。

 

一方、EHV-1の場合は

ウマのリンパ球内に入り込んで隠れることで、

抗体や白血球による攻撃から逃れ、

血液を介して子宮・胎盤にまで到達して流産を引き起こします。

したがって、ワクチンで十分な免疫が誘導されていても

流産が起こる場合があるのです。

  

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EHV-1は免疫による攻撃を逃れる性質を有している。

  

だからといって

ワクチン接種が意味をなさないわけではありません。

馬鼻肺炎ワクチンに認められている重要な効果の1つに、

感染・発症したウマの鼻からのウイルス拡散の防止効果があります。

 

この効果をもたらす、

免疫のメカニズムの詳細は明らかではありませんが、

鼻粘膜において、リンパ球に入る前、

あるいはリンパ球から粘膜細胞に移行する際に

外に出たEHV-1を、

ワクチンによって誘導された抗体が攻撃することが

関与しているのかもしれません。

 

 

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リンパ球の外に出たEHV-1を抗体や免疫細胞が攻撃する。

  

過去のブログ

https://blog.jra.jp/ikusei/2016/02/post-5999.html

でも触れたように、

EHV-1は多くのウマの神経節やリンパ節に潜伏しており、

それらが「再活性化」することで体内に拡がり

呼吸器症状や流産を引き起こします。

ただし、

再活性化は比較的多くのウマで

頻繁に起こっているらしいのですが、

流産発生頭数を考えると

「再活性化=必ず流産」ということではなさそうです。

 

しかし、1頭のウマが再活性化したEHV-1を

鼻からバラ撒くことで同居馬への感染が拡がり、

厩舎全体さらには牧場全体のウイルス量が増加することで、

流産発生リスクは確実に高まります。

このことから、ワクチン接種の効果としては、

再活性化した1頭のウマからの

ウイルス拡散を抑えることができて、

厩舎全体あるいは牧場全体の感染リスク、

ひいては流産発生リスクを減少させることだと考えられます。

 

ですから、

牧場内のワクチン接種プログラムを考慮する場合には、

「一部の妊娠馬だけ接種する」

「同居している空胎馬や当て馬には接種しない」

などといった考え方は、

このワクチンの効果的な使用法とは言えません。

可能な限り牧場全体のウマに接種することが望ましいのですが、

最低限、妊娠馬だけを他のウマから隔離した厩舎で飼養し、

妊娠馬全頭に確実にワクチンを接種する方法が推奨されます。

 

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ワクチンではEHV-1の再活性化を防げないが、

ウイルス拡散を抑えることはできる。

  

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