育成馬ブログ 宮崎③

●期待馬の紹介(マイネカプリースの16)(宮崎)

 

11月上旬までは日中に暑いと感じることもあった南国宮崎でも、

11月中旬以降は最低気温が10℃を下回る日も散見されるようになり、

冬を迎えようとしています。

気温の低下に伴い、育成馬も夜間放牧を終了し、

昼放牧に管理方法を変更しています。

冬を迎えつつあるとはいえ、日中は暖かいと感じる日も多く、

育成馬達は調教後には、

放牧地あるいはパドックでの1~2時間の放牧によって

調教の疲れを癒しています。

 

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写真① パドック放牧でリラックスする

ガルネリの16(牡 父:ロージズインメイ)

 

○育成馬の近況

 

宮崎育成牧場所属のJRA育成馬の近況をお伝えいたします。

9月上旬から騎乗馴致を開始している1群(牡馬10頭)は、

角馬場でのウォーミングアップ、

500mトラック馬場でのハッキングを実施し、

その後1600mトラック馬場に場所を変えて、

一列縦隊で1600m、そして二列縦隊で1600m、

合計3200mのキャンターを実施しています。

スピードはハロン24秒程度とゆっくりとしたキャンターですが、

年内は落ち着いて真っ直ぐ走行させることを主眼に置いて

調教を進めていきたいと考えています。

 

一方、10月上旬から騎乗馴致を開始している2群(牝馬12頭)は、

牡同様に角馬場でのウォーミングアップ、

500mトラック馬場でのハッキングを実施し、

その後1600mトラック馬場において、

一列縦隊で1200m、そして二列縦隊で1600m、

合計2800mのキャンターを実施しています。

スピードはハロン26秒程度と牡よりもスピードを抑えています。

 

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写真② 1600m馬場での調教風景(左:牡、右:牝)。

年内は落ち着いて真っ直ぐ走行させることを主眼に置いて

調教を進めていきます。

 

○マイネカプリースの16

 

さて、今回は本年の宮崎育成牧場繋養馬のなかでも、

兄がG1タイトルを獲得している期待馬を紹介させていただきます。

その馬の名前は「マイネカプリースの16」です。

 

ご存じのように、

育成馬は母馬の名前に生まれた年代をつけた名前で管理され、

この馬であれば、

「マイネカプリース」という馬の2016年産駒ということになります。

馬は単胎動物で1年に1頭の出産が一般的であるため、

競走馬として馬名登録が完了するまでの育成期には、

このような仮の名前で管理されるのが通例となっています。

 

本題に戻りますが、

本馬の兄は2014年のスプリンターズS(G1)を制し、

現在も短距離路線で活躍中の

スノードラゴン(父:アドマイヤコジーン)です。

父はクロフネと異父兄妹になりますが、兄同様に芦毛であり、

当場にG1馬の弟妹が入厩することはほとんどないことからも

期待が高まります。

 

本馬は7月のHBAセレクションセールにおいて756万円で購買し、

7月下旬に宮崎育成牧場に入厩しました。

騎乗馴致を開始した10月上旬までの約2か月間は、

夜間放牧管理で宮崎の環境に慣らすとともに成長を待ちました。

その甲斐あって、入厩時に400kgであった体重は、

10月上旬には430kgにまで増加し、

一回り大きくなった印象を受けました。

 

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写真③ マイネカプリースの16のセリ上場前の6月(左)と

入厩後の9月(右)の写真の比較。

入厩後約2ヶ月で体重は30kgも増加しました。

 

入厩時には馬房に入るのを嫌い、引き運動時にも突然停止し、

前進しなくなるということも多々あり、

少し頑固な性格ではないかと心配しました。

しかし、騎乗馴致を開始すると、初日から停止の合図を理解し、

腹帯や臀部へのレーンの刺激にも過度な反応はなく、

ドライビングから騎乗まで順調に進み、

非常に理解力のある賢い馬だということが分かりました。

 

マイネカプリースの16の初期馴致動画

 

現在は、柔軟性に富んだストライドの大きなキャンターを見せており、

当場に入厩した当初よりも期待が膨らんでおります。

BUセールでも注目の1頭となるように

トレーニングを積んでいきたいと思いますので、ご期待ください。

 

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写真④ 放牧地での各個騎乗において

騎乗者の指示に従順なマイネカプリースの16

育成馬ブログ 宮崎②

●雨天時の夜間放牧が馬体重に及ぼす影響(宮崎)

 

○育成馬の近況

 

2群に分けて騎乗馴致を進めている育成馬の近況をお伝えいたします。

9月上旬から騎乗馴致を開始している1群(牡馬10頭)は、

最初の3週間はドライビング中心に馴致メニューを組み、

現在は500m馬場において速歩および

ハッキング程度を行えるまでになっています。

11月からは1600m馬場でのキャンター調教を実施する予定です。

 

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写真① 500m馬場で隊列を整えた速歩を実施する1群牡の育成馬

 

1群牡のドライビング動画

  

一方、10月上旬から騎乗馴致を開始している2群(牝馬12頭)は、

ドライビングを開始したところです。

11月からは角馬場において集団での速歩調教を開始する予定です。

 

○夜間放牧の1歳馬を襲った豪雨

 

馬を管理していると、雨や雪などの悪天候時に放牧すべきか

舎飼いにすべきか頭を悩ます時があります。

予報とは異なって、夜中に雨が屋根を襲う音で目覚め、

放牧している馬を集牧した経験をお持ちの方も

少なくないのではと思われます。

今回は天気予報と大幅に異なる豪雨に見舞われた際に、

夜間放牧を実施していた馬の体重の変化について触れてみたいと思います。

 

事の経緯は、日本列島に甚大な被害を及ぼした台風18号が

9月17日朝に宮崎に直撃するという予報、

および15日夕方から16日朝までの降雨量は

最大で10mm/h未満という予報を鑑みて、降雨量はいくらか多いが、

48時間の馬房内管理となることは回避すべきとの判断を下し、

15日夕方から夜間放牧を実施したことから始まりました。

 

しかし、上記の予報に反して、

台風18号が秋雨前線を刺激した影響を受け、

15日23時以降から降水量が10mm/hを超え、

16日6時には最大となる34mm/hの豪雨を認めました。

なお、16日0時からの1時間あたりの降水量は下図のとおりであり、

放牧中の総雨量は約250mmに達しました。

 

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図① 9月16日未明から午前中の降水量

(日本気象協会 tenki.jp より)

 

6時の時点において、目視で全馬の異常を認めなかったこと、

また、激しい豪雨および放牧地から厩舎への馬道が冠水しており、

人馬の安全を考えた場合には集牧可能な状況でなかったこと、

さらに前日の13時に馬体重測定を実施していたことから、

豪雨時の放牧が馬体重に及ぼす影響を把握するため、

集牧を前日の馬体重測定時刻である13時に行い、

馬体重を測定することとしました。

 

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写真② 豪雨による馬場および馬道の冠水

 

○豪雨により馬体重は減ったか?

 

放牧前後において馬体重の減少を認めたのは1頭のみ(-1kg)であり、

その他の21頭は増加を認め、

そのうち4頭(牡牝それぞれ2頭)は10kg以上増加していました。

平均増加量は6.6kg(牡:6.4kg、牝:6.8kg)でした。

なお、集牧直後の体温については39.5℃が最も高く、

5頭が39℃を超えており、これらは全て牝馬でした。

これらの馬は治療することなく、翌日には平熱に復しました。

 

体重増加の原因は不明ですが、集牧の1時間前には雨は止んでいたため、

測定時には馬体はほぼ乾いており、

汗コキを用いて水分を取り除くことは困難な状態であったことから、

体重増加が馬体に含まれた水分に起因することは否定されました。

GPSを装着していなかったために推測の域を出ませんが、

豪雨のために放牧地での運動量が大幅に減少したため、

エネルギー消費が減少したことが原因の一つとして挙げられます。

その他、体重測定の直前まで青草を摂取していたために

水分摂取量が増加したこと、また牡に関しては、

馴致を実施しなかったことも一因であるものと推測されます。

 

事前に総雨量が250mmにも達することが分かっていれば、

必ず舎飼いを行っている程、

また夜中も集牧すべきではないかと自問自答する程の豪雨であったため、

体力消耗に伴って体重が減少しているものと推測していましたが、

ほとんどの馬が増加する結果となりました。

馬は元来、草原で暮らす動物であるため、

夜間放牧の環境に慣れさえすれば、

降雨による影響は私たちが想像しているほどではないのかもしれません。

 

そういえば、アイルランドでの研修中に、

昼夜放牧を実施している馬の管理の秘訣は、

馬体の油を落とさないことであり、

そのためにシャンプーはもちろん真冬でも

お湯で馬体を洗浄することは避けなければならず、

馬の手入れの基本はブラッシングであるといわれたことを思い出しました。

私達が馬のために良かれと思って実施している

シャンプーやお湯での洗浄は、

実は馬の自然の抵抗力を減退させているのかもしれません。

セリで美しい馬体の馬ほど、購買後に夜間放牧を実施すると、

皮膚炎を発症しやすいということも関係があるのかもしれません。

 

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写真③ 夜間放牧管理では馬体の油が不可欠なのかもしれません

(写真はアイルランドの夜間放牧の様子)

育成馬ブログ 宮崎①

○1歳セリとJRA育成馬の入厩(宮崎)

 

●1歳セリについて

 

本年度の1歳セリは6月27日(火)に開催された

九州市場からスタートしました。

九州市場では15頭が上場され、

8頭が落札されました(売却率:53.3%)。

 

続いて開催された八戸市場は、上場馬40頭のうち31頭が落札され、

過去最高であった昨年の売却率(61.9%)を大きく上回る

77.5%の売却率となりました。

 

この要因として、馬セリ市場の好景気および

キョウエイギア号やミライヘノツバサ号など

近年の青森産馬の活躍はもちろんのこと、

それ以外にも昨年は60%であったノド(上気道)の内視鏡動画や

四肢のレントゲン写真などのレポジトリーの提出率が、

本年は90%にまで上昇したように、

関係者の情報開示への取り組みも要因のひとつとして挙げられます。

 

北海道で最初の1歳セリとなったのは、

今や「日本一のセリ」にとどまらず、

「世界でも有数のセリ」となった「JRHAセレクトセール」でした。

北海道の苫小牧市の「ノーザンホースパーク」において、

7月10日(月)に開催され、

上場馬242頭のうち216頭が売却されました(売却率は89.3%)。

新聞等による既報のとおり、

売却総額および売却率ともに過去最高という結果となりました。

 

7月セリの締めは、7月18日(火)に

北海道静内町で開催された「HBAセレクションセール」でした。

本年は226頭が上場され、

184頭が売却されました(売却率は81.4%)。

セレクションセールでも活発な競り合いが繰り広げられ、

売却総額および売却率ともに過去最高という結果となりました。

 

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写真1.九州市場において購買した本年度のJRA育成馬

第1号となったデンコウブルーの16(牝 父:アルデバラン)

【JBBA日本軽種馬協会様提供】

 

なお、JRAは九州市場において牝馬1頭(写真1)を、

八戸市場において3頭(牡2頭、牝1頭)を、

セレクトセール(1歳)において4頭(牡2頭、牝2頭)を、

そしてセレクションセールにおいて13頭(牡:6頭、牝:7頭)を

それぞれ購買しています。

 

いずれの1歳市場も多くのお客様が参加されており、

非常に盛況な印象を受けました。

このセリにおける盛り上がりは、

競馬産業全体を盛り上げていく活力となるように感じました。

 

 

●JRA育成馬の宮崎育成牧場への入厩

 

前述のJRAが購買した馬の中から、九州市場で購買した1頭、

八戸市場で購買した3頭およびセレクションセールで購買した3頭の

合計7頭が7月23日(日)に宮崎育成牧場に入厩いたしました。

 

セレクションセールで購買した3頭を乗せた馬運車は、

7月20日(木)の14時に北海道静内を出発し、

函館から青森間のフェリー経由で本州に渡り、

7月21日(金)の5時に八戸において八戸市場で購買した3頭を積み、

新潟競馬場に14時に到着いたしました。

 

北海道から宮崎への輸送は44時間にも及ぶため、途中、

新潟競馬場において1泊の休憩を挟んでから宮崎育成牧場へ向かいます。

新潟競馬場の厩舎では、馬達は最初のうちは落ち着きませんでしたが、

徐々に慣れ、寝藁の敷かれた馬房で長時間輸送の疲れを

癒しているように見えました(写真2)。

 

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写真2.新潟競馬場で一夜を過ごしてリラックスしている3頭の牝の育成馬

 

翌日の10時に新潟競馬場を出発し、

日付が変わる頃に関門海峡を渡り、7月23日(日)の8時30分に

無事に宮崎育成牧場に到着しました(写真3)。

 

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写真3.北海道からの長旅を終えて馬運車から降りる

マイネカプリースの16(牝:父クロフネ)

 

到着後には微熱を認める馬もいましたが、大事には至らず、

全頭放牧することができました。

セリ上場のために個体管理が行われていた馬達は、

元気良く放牧地内を疾走します(写真4)。

9月以降の「騎乗馴致」が始まるまでの間、

成長を待つとともに「群れで生きる草食動物」として

「馬」らしく管理したいと考えています。

 

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写真4.宮崎競馬場の遺構である一等馬見所をバックに

放牧地を疾走する3頭の牡の育成馬の群れ。

育成馬ブログ 宮崎⑦

○JRAブリーズアップセールでの馬医療情報開示(宮崎)

 

今年の宮崎は春の訪れが遅く、3月中旬でさえ、

朝の気温が2°Cという日もありました。

しかし、3月下旬に入ってからは、

日中は少し体を動かすと半袖でも過ごせるほどの

暖かい日が多くなるとともに桜も開花し始めており、

宮崎はようやく春を迎えました。

 

 

●育成馬の近況

 

さて、宮崎育成牧場のJRA育成馬22頭は、

4月25日(火)にJRA中山競馬場で開催される

ブリーズアップセールへ向けての最終調整に入っております。

 

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写真① 週1回実施している強調教時の様子。

左:上場番号40番 ダンツライラックの15(牡 父:キンシャサノキセキ)、

右:上場番号15番 ロックドクトリンの15(牡 父:ゴールドアリュール)

 

500mトラック馬場では、ウォーミングアップおよび

ルーティーンワークとして速歩2周の後、

直線はキャンター、コーナーは速歩という調教を

左右両手前で3周ずつ実施しています。

500mトラック馬場での調教は、スピード調教を繰り返していくと、

テンションが上がってハミにかかる傾向が強くなるのを

改善する目的もあるため、ハミを必要以上に取らずに

馬自身のバランスで走行させることを主眼に置いています。

特に、スピード調教翌日には、この500mトラック馬場での

調教のみで終了し、メンタル面のコントロールにも注意を払っています。

 

調教のベースとなる1600m馬場での週1回のスピード調教では、

3ハロンを42秒(ハロン15~13秒)程度で走行しています。

 

動画 3月中旬の調教動画

 

 

●JRAブリーズアップセールでの馬医療情報開示

 

JRAブリーズアップセールは、新しく馬主登録された方をはじめ、

セリに慣れていらっしゃらない方でも「セリの入門編」として、

わかりやすく参加しやすい運営を目指しています。

セリの透明性を高めるための情報開示は、その運営方法のひとつです。

また、購買後に競馬出走に向けてスムーズな調教へ移行できることを

目的として、病歴、ノドの内視鏡所見あるいはX線画像所見の評価など

多岐にわたる情報を提供しています。

 

1ブリーズアップセールの個体情報冊子の記載内容

 

セリにおいて情報を開示する際に、購買者は開示された疾病情報が

今後の調教過程や競走馬としての能力にどのような影響を

及ぼすのかについて関心が高いものと思われます。

ブリーズアップセールでは、これまで10年以上にわたって実施してきた

育成研究の成果に基づき、今後の出走や調教に耐えうると

判断した馬を選別して上場することとしています。

また、医療情報開示室(レポジトリールーム)では、

ノドの内視鏡やX線画像などの様々な検査所見と

競走パフォーマンスとの関連について分析した成果を活用し、

各馬の所見についての情報を提供しています。

 

また、2年前からは「個体情報早期開示」といたしまして、

上場全馬の測尺値やノドの内視鏡検査動画、

さらには主な病歴等の個体情報を4月上旬に

インターネット上で公開しております。

これらの病歴等の個体情報を取りまとめるために、

栗東トレーニングセンター競走馬診療所の獣医職員にも来場いただき、

複数の目で検査を実施しています。

 

なお、早期開示以降の追加病歴を含む最終的な個体情報につきましては、

セリ前日より中山競馬場において配付いたします

「個体情報冊子」および「台付価格表」に記載いたしますので、

こちらも必ずご確認いただくようお願いいたします。

 

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写真② 個体情報冊子に掲載する屈腱部エコー検査の様子

 

 

●宮崎育成牧場「育成馬展示会」のお知らせ

 

宮崎育成牧場では、ブリーズアップセールに先立ちまして、

本年も4月4日(火)朝10時より「育成馬展示会」を開催いたします。

以下に簡単な当日のスケジュールをお示しいたします。

なお、「育成馬展示会」は馬主、調教師および関係者のみを

対象としておりますので、一般のお客様の来場はご遠慮いただいております。

 

10:10 ~  比較展示

11:10 ~  騎乗供覧

13:00ごろ  終了予定

 

皆様方のご来場を心よりお待ちしております。

 

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写真③ 昨年の展示会の調教供覧の様子

育成馬ブログ 宮崎⑥

○育成馬調教見学会の開催(宮崎)


少しさかのぼりますが、2月中旬にNHK「ひるブラ」が

宮崎育成牧場から生中継されました。

ご覧になられた方はいらっしゃいますか?

全国の皆様には、晴天の下で宮崎育成牧場を

ご覧いただきたかったのですが、

残念ながら雨が降りしきる中での中継となってしまいました。

しかし、育成馬の調教から乗馬の障害飛越、ポニー演技、そして馬車まで

「“馬のテーマパーク”を楽しもう!」というテーマに沿って、

ゲストの西村和彦さんと武本アナに魅力的にご紹介いただきました。

傘に驚きやすい馬のことを第一に考えて、

強雨にもかかわらず、リハーサルから本番まで傘をささず、

フードも被らずレインコートのみでズブ濡れになりながらも、

笑顔で対応していただきました西村和彦さんと武本アナに

この場をお借りしてお礼申し上げます。

 

Photo_2写真① 宮崎育成牧場のアイドルポニーと

「ひるブラ」のゲストの西村和彦さん(左)と武本アナ(右)

 

 

●育成馬の近況


さて、宮崎育成牧場のJRA育成馬22頭は、

4月25日(火)にJRA中山競馬場で開催される

ブリーズアップセールに向けて調教メニューをこなしています。

500mトラック馬場では、速歩2周の後、

直線はキャンター、コーナーは速歩という調教を

左右両手前で3周ずつ実施しています。

500mトラック馬場での調教は、ウォーミングアップとしての目的が

あることはもちろん、スピード調教を繰り返していくと、

ハミにかかる傾向が強くなるのを改善する目的もあるため、

ハミを必要以上に取らずに、馬自身のバランスで

走行させることを主眼に置いて実施しています。

一方、調教のベースとなる1600m馬場では、

1列縦隊で20~18秒/ハロンのペースでの2000mの

ステディキャンターを基本調教として実施しています。

週1回のスピード調教では、1200mを2本走行させる

インターバルトレーニングを実施し、2本目に3ハロンを

42~45秒(ハロン14~15秒)程度で走行しています。

 

Photo_3写真② 週1回実施している牡馬の強調教時の様子。

内:上場番号16番コスマグレースの15(牡 父:ブラックタイド)、

外:上場番号25番クリアムーブメントの15(牡 父:パイロ)。

 

 

●育成馬調教見学会

 
ここからは、2月18日(土)に開催いたしました

「育成馬調教見学会」についてご紹介いたします。

この見学会は、地元の一般来場者の方々が、

育成馬の疾走する姿を間近で見ることができるイベントです。

毎年10月と3月に開催している立ち馬展示をご覧いただく、

「育成馬見学会」とともに、

宮崎の地で成長していく育成馬の姿を間近で見て、

少しでも身近に感じていただくことを趣旨に実施しています。

 

 

Photo_4写真③ 育成馬調教見学会には200名を超えるお客様に

お集まりいただきました

 

当日は天候にも恵まれたため、

200名を越えるお客様にご来場いただきました。

見学場所としていた診療所建物の2階だけでは収容しきれず、

1600m馬場柵沿いも開放したため、

来場いただいたお客様にはより間近で調教する姿を

見ていただくことができました。

ご参加いただきました方々には、この紙面をお借りして、

改めてお礼申し上げます。

 

 

動画 2月18日に行われた調教見学会の調教の様子

育成馬ブログ 宮崎⑤

○ブリーズアップセール用育成馬写真の撮影(宮崎)

 


宮崎では「スポーツランドみやざき」の名の下、

初春の風物詩となっているプロ野球球団のキャンプが

2月1日からスタートしています。

昨年同様、

巨人、ソフトバンク、オリックス(宮崎市)、

広島、西武(日南市)

の5球団がキャンプインしています。

昨年、セリーグを制した広島に続いて、

本年もこれらの中から優勝チームが誕生することを

期待せずにはいられません。

さらに、2月下旬にはWBC日本代表「侍ジャパン」の合宿

および強化試合が行われる予定もあります。

宮崎がキャンプ地として選ばれる理由は、

気温では沖縄に及びませんが、

「日本のひなた」というキャッチフレーズのとおり晴天率が高く、

特に2月の日照時間は那覇市の約2倍であるという点です。

キャンプが始まると、県内外から多くの観光客が訪れ、

宮崎の街は活気づきます。

 

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写真① 日南市南郷スタジアムでキャンプ中の西武ライオンズの選手たち。

 野球選手も坂路調教が効果的なようです。

 

●育成馬の近況

 
さて、宮崎育成牧場の

JRA育成馬22頭の近況をお伝えいたします。

 

最初にウォーミングアップとして

500mトラック馬場で直線をキャンター、

コーナーを速歩という調教を左右3周ずつ実施しています。

この調教は、同じ環境で同じ調教を実施することによって

メンタル面の安定を図ることを目的としています。

 
一方、1600m馬場では、

3月からの本格的なスピード調教に向けて、

現在は基礎体力養成を主眼に調教を実施しています。

1列縦隊で20~18秒/ハロンのペースでの

2000mのステディキャンターを基本調教としています。

 
また、週1回実施している強調教時には、

同様に2000mの距離を走行しますが、

普段とは異なるパターン、

つまり、2列あるいは3列縦隊で

ラスト3~4ハロンをハロン16秒/ハロンのペースでの

調教を実施しています。

 
このように1週間の調教の流れをパターン化して、

馬が“オン”と“オフ”の切り替えを

馬自らできるように工夫しています。

 

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写真② 左)ウォーミングアップとして実施している

500m馬場での直線キャンター、コーナー速歩調教。

右)1600m馬場における牝馬群の2列縦隊でのキャンター。

 

 

動画① 2月上旬の1600mダートコースでの調教動画

 

 

●ブリーズアップセール用写真の撮影

 

ここからは、4月25日(火)に中山競馬場で開催される

ブリーズアップセール用の育成馬写真の撮影について

触れさせていただきます。

一昨年までは、可能な限り直近の

育成馬の姿を写真で見ていただこうという趣旨で、

セリ名簿と写真カタログを個別に作成していました。

しかし、昨年からは、お客様の利便性を考えて、

セリ名簿に育成馬の写真を掲載させていただいております。

そのため、育成馬の写真撮影の時期が

一昨年から1ヶ月ほど早くなり、

2月初旬から撮影を開始しております。

 

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写真③ 写真撮影を行うエムエヌメロディーの15

(牝、父:エスポワールシチー)

 

 
様々な写真撮影のテクニックがありますが、

馬の良さを引き出す写真を撮影する最も重要な要素は

天候と言っても過言ではありません。

太陽の光と風が味方してくれなければ、

どれだけ手入れをして、どれだけきれいに立たせても

インパクトのない写真になってしまいます。

そういった意味では、冒頭で述べましたとおり、

晴天率が高い「日本のひなた」宮崎は、

撮影テクニックを補ってくれる

太陽の光が見方をしてくれており、

順調に撮影を終えることができました。

 

毎日育成馬を見ていると、

成長の様子を感じることはできませんが、

昨年9月の入厩時の写真と比較すると、

5ヶ月間トレーニングを行い、

1歳時の子供らしさが抜けてたくましくなっていることを

実感することができます。

 

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写真④ アンキャニーの15(牝、父:ロードカナロア)の

左)昨年9月中旬の写真、右)2月上旬の写真

 

 
育成馬の写真撮影を始めると

セールが近づいてきたことを実感いたします。

私たちが育成馬に手をかけられる時間は

セールまでの残りわずかな時間となります。

この限られた時間を育成馬のために費やしたいと思います。

育成馬ブログ 宮崎④

○育成馬検査の実施について(宮崎)

 

1月中旬には数年に一度ともいわれた強い寒気が日本付近に流れ込み、

日本各地で大雪に見舞われ、

JRAでも京都競馬と中京競馬の開催が中止となり、

代替競馬を実施いたしました。

 

宮崎では降雪こそ認めなかったものの、

最低気温は宮崎では珍しく氷点下となり、

水桶に氷が張り、放牧地には霜が降りました。

2月に入ると県内各地でプロ野球

あるいはJリーグのキャンプが始まり、

春の訪れもまもなくとなります。

             

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写真① 最低気温が氷点下となった朝の水桶の氷(左)と放牧地に降りた霜(右)

 

 

育成馬の近況

 

宮崎育成牧場所属のJRA育成馬の近況をお伝えいたします。

最初にウォーミングアップとして

500mトラック馬場で直線をキャンター、

コーナーを速歩という調教を左右3周ずつ実施しています。

 

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写真② 1600m馬場で隊列を整えたキャンターを実施する育成馬。

先頭からスマッシュの15(牝 父:オルフェーヴル)

マイネマニフィークの15(牝 父:モンテロッソ)

ポポラーレの15(牝 父:スクリーンヒーロー)

 

その後は1600mトラック馬場に場所を変えて、

一列あるいは二列縦隊で

2000mのステディキャンターを実施しています。

ハロン20秒程度のイーブンペースで走行し、

基礎体力を付けるとともに、

馬群の中で落ち着いて走れることを目標に調教しています。

2月からは週に1回の強調教を実施する予定です。

 

 

動画① 1月中旬の1600mダートコースでの調教動画

 

 

育成馬検査

 

さて、今回は1月下旬に行われた

育成馬検査について触れてみたいと思います。

育成馬検査とは

JRA生産育成対策室の職員が

日高および宮崎育成牧場で繋養している育成馬について、

市場での購買時からの馬体の成長具合、

現在の調教進度、馬の取り扱いなどをチェックし、

ブリーズアップセール上場に向けての

中間確認を行う検査のことです。

この検査に備えて、

年明けからは日頃にも増して馬の手入れに時間をかけ、

タテガミや尾のトリミングにも取り組んできました。

 

検査当日はこの時期にしては両日とも天候に恵まれ、

ブリーズアップセール当日さながらの緊張感のなか、

育成馬の展示が行われました。

検査と同時に、手入れ、トリミング、しつけも含め、

最も手入れが行き届き美しく仕上げられた馬

および担当者に贈られる

“ベストターンドアウト賞”の審査も行われ、

牡牝それぞれの最優秀馬が選ばれました。

 

今回の検査を通して、

個々の馬の発育および調教進度状況を再認識することができました。

また、4月25日(火)に開催されるブリーズアップセール

およびこれに先立つ4月初めの育成馬展示会のためのみならず、

馬主、調教師、牧場関係者などのお客様の来場に備えて、

馬を展示し、見て頂くという姿勢を再確認する機会にもなりました。

馬を展示すること自体が馴致の一環であり、

人馬ともにその状況に慣らし、

落ち着いた状態の馬をお見せできるよう取り組んでおり、

2月18日(土)午前中には

一般向けの育成馬見学会を開催しますので、

ご来場いただきたいと思っております。

 

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写真③ 育成馬検査における「ベストターンドアウト賞」の審査で

最優秀馬に選ばれたバーニングラブの15(写真左 牡 父:サニングデール)と

アンキャニーの15(写真右 牝 父:ロードカナロア)

育成馬ブログ 宮崎③

○育成馬の肺拡散能試験(宮崎)

 

南国宮崎でも11月下旬になってから、

最低気温が10℃を下回る日も見られるようになり、

育成馬の管理も夜間放牧から昼放牧に変更しています。

冬を迎えたとはいえ、日中は暖かいと感じる日も多く、

育成馬達は秋に播種したイタリアンライグラスが繁茂した

放牧地で1~2時間の放牧を満喫しています。

 

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     写真① 放牧地には10月に播種したイタリアンライグラスが繁茂しています。

 

育成馬の近況

 

宮崎育成牧場所属のJRA育成馬の近況をお伝えいたします。

9月上旬から騎乗馴致を開始している1群(牡馬10頭)は、

500mトラック馬場での速歩およびハッキングを実施し、

その後1600mトラック馬場において

1600mのキャンターを1列縦隊で実施し、

手前を変えて2000mのキャンターを2列縦隊で実施しています。

 

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写真② 1600m馬場で2列縦隊でのキャンターを実施する1群牡の育成馬。

 

一方、10月上旬から騎乗馴致を開始している2群(牝馬12頭)は、

牡同様に500mトラック馬場での速歩およびハッキングを実施し、

その後1600mトラック馬場において

1600mのキャンターを一列縦隊で実施し、

手前を変えて1800mのキャンターを1列縦隊で実施しています。

 

スピードは1群および2群ともにハロン22~24秒程度と

ゆっくりとしたキャンターですが、

年内は落ち着いて真っ直ぐ走行させることを主眼に置いて

調教を進めていきたいと考えています。

 

   
動画① 12月上旬の1600mダートコースでの調教動画

 

育成馬の肺拡散能試験

 

さて、JRA育成業務の目的のひとつは

育成研究の成果を普及することであり、

様々な研究に取り組んでいます

宮崎育成牧場では、

昨年から競走馬総合研究所と共同で

育成馬の肺拡散能測定に関する研究を行っています。

 

肺拡散能とは、肺におけるガス交換の指標であり、

有酸素運動能力を規定する因子のひとつと考えられています。

測定は枠場内において、

馬に風船付きのマスクを装着(写真③)し、

40~60秒間、風船内の測定用のガス(0.3%一酸化炭素)を

呼吸させて測定値を得ます。

 

育成馬の肺拡散能を測定することは、

成長やトレーニングにより

有酸素運動能力に変化があるかどうかを知る上で重要であり、

さらには競走馬におけるプアパフォーマンスの原因や

有酸素運動能力との関連性を明らかにするための

新たな知見につながる可能性もあります。

 

今回の研究では枠場に馴らす、

さらにはオレンジ色の風船付きのマスクの装着、

すなわち新規刺激に馴らすという

育成馬に対する馴致というも役割もあり、

一石二鳥となっています。

  

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写真③ 枠場内にて肺拡散能を測定する育成馬

(アップルティーの15 牝 父:エイシンフラッシュ)

育成馬ブログ 宮崎②

○初期馴致とナチュラルホースマンシップの考え方(宮崎)

 

9月20日に宮崎県を直撃した台風16号によって、

県内では突風や浸水などの被害を受けました。

宮崎育成牧場においても、

倒木による放牧地のフェンスの破損等の被害が見られました。

幸いにも育成馬に怪我等はありませんでしたが、

改めて自然災害の恐ろしさを痛感しました。

 

台風後も10月上旬までは30度を越える夏日が続きましたが、

10月中旬に入ると、秋の気配を感じるようになってきました。

寒暖の差が激しくなる季節の変わり目でもありますので、

人馬ともに体調管理を第一に考えて、育成調教を実施しています。

               

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写真① 台風16号の突風による倒木が放牧地のフェンスを破損

 

育成馬の近況

 

2群に分けて騎乗馴致を進めている育成馬の近況をお伝えいたします。

9月上旬から騎乗馴致を開始している1群(牡馬10頭)は、

最初の3週間はドライビング中心に馴致メニューを組み、

現在は角馬場での騎乗による速歩調教を重点的に実施し、

500m馬場においてハッキング程度の

キャンター調教を行えるまでになっています。

11月からは1600m馬場でのキャンター調教を実施する予定です。

 

一方、10月上旬から騎乗馴致を開始している2群(牝馬12頭)は、

ドライビングを中心に実施しながら、

同時に丸馬場での騎乗も行っています。

11月には角馬場において集団での速歩調教を開始する予定です。

 

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写真② 500m馬場で隊列を整えた速歩を実施する1群牡の育成馬

 

初期馴致とナチュラルホースマンシップの考え方

 

JRA育成馬に対する初期馴致は、

「育成牧場管理指針」に基づいて実施しています。

海外では初期馴致のことを「ブレーキング(Breaking)」と呼んでいます。

これは「馬と馬の関わる社会(野生の群れ)の約束事を壊して(Break)、

新たに人と馬の関わる社会の約束事を構築する」という意味を表しています。

 

近年、初期馴致を含めた馬の調教において、

「ナチュラルホースマンシップ」に基づく考え方が浸透してきています。

一言で述べるのは困難ですが、群れで行動する馬の本能を利用して、

人を群れのリーダーと見なして

尊敬あるいは信頼(リスペクト)させることが重要であるという考え方です。

 

尊敬やリーダーという言葉からは、

馬を物理的あるいは精神的に

屈服させることを想像するかもしれませんが、

馬が自発的に人のことを

群れのリーダーと見なすようにならなければならず、

そこに「恐れ」という感情があっては成り立たちません。

 

さらに掘り下げて考えると、

野生の馬の世界では相手のスピードと方向を制御する

「アルファ」と呼ばれるリーダーが群れを統制しているので、

人が「アルファ」とならなければなりません。

「アルファ」としてどのように行動すれば良いかを考える時に、

母馬と子馬の関係が分かりやすいといわれています。

 

子馬は母馬の目の届く「円形の範囲」で過ごしており、

母馬は子馬が円の外に出ると、円の中の戻そうと行動します。

つまり、母馬が子馬の方向を制御し、

円の内側に入れてスピードを制御して「アルファ」となります。

子馬の側から見ると、

前後左右の動作は母馬の許可を得なければならず、

スピードと方向を制御されているということになります。

 

この考え方を利用したのが、

JRA育成牧場における初期馴致のプロセスのなかで

重点的に取り組んでいるドライビングです。

ドライビングは、騎乗せずに2本のロングレーンを使用して、

馬車の御者のように馬を後方から制御することです。

下の動画のように、速歩でのドライビングによる手前変換こそが

母馬が円の外に出ようとする子馬を

円の中の戻そうとする行動そのものとなります。

 

つまり、ドライビングによって

馬のスピードと方向を制御することが可能となります。

ドライビングで自在にコントロールできるようになると、

騎乗後もスピードと方向を制御することが容易となるのみならず、

初期馴致を開始する前には取り扱いが難しかった馬が

従順になることもよく見受けられます。

 


YouTube: 16-17年育成馬日誌宮崎②VTR

 

このように考えてみると、

欧州で伝統的に行われてきた「ブレーキング」という考え方が、

近年、ナチュラルホースマンシップというツールを通して

「アルファ」や「リスペクト」という

異なった言葉で表現されるようになっただけであり、

根本の考え方は変わってはいないように思われます。

 

どちらが正しいかということではなく、

重要なことは「馬は接する人の姿を映す鏡」ともいわれるように、

正しいアプローチであるかどうかの答えは

馬が出してくれるということなのかもしれません。

 

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写真③ ドライビングによるスラロームで杉林の間を通過

育成馬ブログ 宮崎①

○  「馬に親しむ日」の開催とサマーセール購買馬の入厩(宮崎)

 

宮崎育成牧場における馬事普及業務の最大のイベントともいえる

「馬に親しむ日」を8月28日に開催しました。

 

50%を超える降水確率のとおり、

開始前には激しい雨が降りましたが、

開場となった9時には雨も止み、開会式がスタートしました。

 

「馬に親しむ日」の名のとおり、

メインイベントとなる全国ポニー競馬選手権「ジョッキーベイビーズ」の

九州地区代表決定戦や草競馬のみならず、

乗馬試乗会、流鏑馬(やぶさめ)、装蹄実演、

ホースショー、ポニーショーなど盛りだくさんのイベントが行われました。

 

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写真① 高校生によるミニチュアポニーのプリン(左)とモック(左)のショー

  

メインイベントであるポニー競馬は、

予選3組を勝ち上がった人馬6頭が決勝戦に進出することができます。

決勝戦では10月9日(日)に開催される

「第8回ジョッキーベイビーズ」の九州地区代表の

1枚の切符をかけた熱いレースが繰り広げられました。

 

結果は鹿児島県から参加の「ユキノビクトリー号」に騎乗した

上薄君(小学6年生)がスタートダッシュを決めて、

そのまま先頭を譲ることなくゴールし、九州地区代表の座に輝きました。

 

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写真② ポニー競馬決勝では11番ユキノビクトリー号(左)に騎乗した

上薄君(小6)が優勝し、10月9日に東京競馬場で行われる

「第8回ジョッキーベイビーズ」の九州地区の代表に輝きました。

 

昨年に引き続き、今年もスペシャルゲストとして

名古屋競馬で活躍する木之前騎手をお招きし、

トークショー、ポニー競馬のパドック解説や

優勝騎手へのプレゼンターのみならず、

草競馬の誘導馬の騎乗までお手伝いいただきました。

ご存知のように、木之前騎手は宮崎県三股町の出身であり、

小学6年生から当場の乗馬スポーツ少年団で

乗馬をされていたという縁があり、

凱旋といった感じでお越しいただきました。

 

このイベントの前の週には、地元のテレビ局で

木之前騎手の名古屋競馬場での密着取材の模様が放送されており、

多くの来場者が記念撮影やサインを頼んでいました。

笑顔で対応する木之前騎手の表情はとても印象的でした。

 

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写真③ 優勝騎手の上薄君と関係者による口取り写真(左)、

スペシャルゲストの木之前騎手から

「第7回ジョッキーベイビーズ」の招待状を受け取る優勝騎手の上薄君(右)。

 

終了間際に小雨に見舞われましたが、

日中は晴天に恵まれたことも手伝い、

お蔭様で約6,000名(うちお子様約2,000名)を

超えるお客様が来場されました。

 

このようなイベントを通じて馬と触れあうことによって、馬のみならず

競馬への興味を深めていただけるのではないかと思っております。

この場をお借りいたしまして、ご来場いただきましたお客様、

ならびにご協力いただきました関係者の皆様に感謝申し上げます。

 

馬に親しむ日が終わると、いよいよ育成馬の馴致がスタートします。

9月3日には日高育成牧場で生産されたJRAホームブレッド2頭のほか

サマーセールで購買した馬15頭が入厩しました。

これにより、

本年度の宮崎育成牧場繋養馬22頭(牡10頭、牝12頭)がすべて揃い、

今後は牡から順次、騎乗馴致を開始していく予定です。

次回は馴致の様子をお伝えいたします。

 

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写真④ 最初の放牧で初めての仲間と挨拶を交わし、序列を確認する育成馬たち。