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2020年2月19日 (水)

馬コロナウイルス

分子生物研究室の辻村です。

この記事を執筆している2020年2月19日現在、連日にわたって新型コロナウイルスに関する報道がなされています。ヒトに感染するコロナウイルスは、これまで6種類が知られていましたが、ここに新たなウイルスが加わりました。一方で、ヒト以外の動物に感染するコロナウイルスも多く存在し、馬に固有のものとしては馬コロナウイルスがあります。馬コロナウイルスが馬の病気の原因となることが明らかとなったのは比較的新しく、2000年にアメリカで子馬の下痢便からウイルスが分離されたのが最初です。日本国内では、ばんえい競馬場の重種馬群において、これまでに3回の流行が報告されています。馬コロナウイルス感染症の主な臨床症状は、発熱、食欲不振、元気消失および消化器症状で、呼吸器症状との関連は低いと考えられています。なお、日本国内のサラブレッド馬群での流行はこれまでに報告されていません。分子生物研究室では、馬コロナウイルスの研究にも取り組んでおり、担当の研究員が日本獣医師会雑誌に解説記事を執筆しています(2018年第71巻第1号5~9頁)。

http://nichiju.lin.gr.jp/mag/07101/a2.pdf (外部リンク)

興味をお持ちいただいた方がおられましたら、ぜひご一読ください。