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2021年1月12日 (火)

倒馬用スイングドア

 臨床医学研究室の三田です。

 倒馬用スイングドアが更新されたので馬の倒馬方法について紹介します。
人の手術を行う時に患者さんが手術台に寝そべっているシーンをドラマなどで見ることがありますね。人の場合は患者さんが自ら手術台に寝そべってくれるのでよいのですが、馬の場合は自ら手術台に乗ってくれないのでとても大変です。手術台に乗せるためには、まずは安全に倒す処置が必要になります。この処置を倒馬(トウバ)といいます。倒馬には様々な方法がありますが、総研やトレーニング・センターでよく用いられる方法がスイングドアを用いるものです。
 スイングドアを用いた倒馬の手順を簡単に説明すると、まずは写真のようにスイングドアと呼ばれる可動式の扉(写真手前、銀色)と壁の間に馬に入ってもらいます。ここで、適切な鎮静や筋弛緩処置がなされた後に馬に催眠薬を投与します。催眠薬を投与されてしばらくすると馬はたっていられない状態になるためバタンとたおれてしまいます。この時に馬や人がケガをしないための仕組みがスイングドアに備わっています。スイングドアは壁の間に馬を挟んでいるため馬が横にバタンと倒れてケガをすることが防げると同時に、頭に装着した無口とロープによって頭を高い位置で固定することができるので、馬が意識を失っても頭を地面にぶつけたりすることを防止できます。

 何かと危険がつきものの大動物の手術ではいろいろなところで人馬の安全が図られていますね。

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