第12回国際馬伝染病会議@仏ドーヴィル
分子生物研究室の辻村です。
2024年9月30日から10月4日にかけて、フランスのドーヴイルで開催された第12回国際馬伝染病会議(IEIDC)に本研究所から筆者を含めた9名が参加しました。IEIDCは4年に1回開催される馬の感染症に関する国際的な学会で、馬のウイルス、細菌、寄生虫病などの専門家が世界各地から集まるものです。
写真1:会場のエントランス
過去2回の研究所だより(2021年:https://blog.jra.jp/kenkyudayori/2021/10/post-9938.html,2023年:https://blog.jra.jp/kenkyudayori/2023/10/1-e3da.html)でご紹介した通り、ドーヴイルでのIEIDC開催は、2020年に行われる予定でした。しかしながら、コロナ禍で2021年に延期、さらに現地開催はかなわずリモートに変更された経緯があります。したがって、対面による開催は2016年のアルゼンチンでの会議以来となり、参加登録者が約300名に上る盛況な学会となりました。
今回の学会では、本研究所からの参加者全員がこれまでの研究成果を発表しました。そのなかで、『Use of a microfluidic immunofluorescence assay kit to detect equine influenza antigen(マイクロ流体免疫蛍光法を用いた馬インフルエンザ抗原の検出)』と題したポスター発表に対して、主催者からBest Poster Awardが授与されました。このような形で私たちの研究成果が評価されたことを大変喜ばしく思います。なお、本演題を含めた学会の講演抄録がEquine Veterinary Journalのホームページ
[外部リンク:https://beva.onlinelibrary.wiley.com/toc/20423306/2024/56/S60]
に掲載されています。ご興味をお持ちいただいた方は、お読みくださればと思います。
写真2:Best Poster Award
現在、日本国内の馬感染症の研究者の数は多くなく、国内では議論の場も少ない傾向にあります。したがって、世界各地の研究者と一堂に会するIEIDCは、私たちにとって非常に貴重な研究交流の場です。今回も顔なじみの、あるいは新たに知り合った研究者と様々な情報交換を行うことができました。このことは、私たちが取り組む馬感染症の防疫に関する研究の発展に必ず役立つと考えています。
また、この記事でIEIDCに興味をお持ちになった研究者や学生の方がおられましたら、次回の第13回会議(IEIDC XIII)への参加をぜひご検討ください。現在のところIEIDC XIIIの開催地は未定ですが、決定しましたらこちらのホームページでもご紹介したいと思います。
最後になりますが、ドーヴイルの紹介を少しだけ。
ドーヴィルはフランス北部の海辺のリゾート地です。学会会場のすぐそばには美しいビーチが広がっていました。
写真3:学会会場近くの広大なビーチ
また、競馬ファンであれば、1998年にシーキングザパールが日本調教馬として初めて欧州G1競走を優勝した場であるドーヴィル競馬場をご存じかもしれません。学会会期中は、競馬を開催していませんでしたが、遠くからスタンドを眺めることができました。今回は仕事での訪問でしたが、次回はぜひ観光で訪れて競馬も観戦したいと思います。
写真4:ドーヴィル競馬場のスタンド