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2025年2月25日 (火)

栃木県産業技術センターという便利な施設

企画の桑野です。

 業界ではそれなりに知られているのですが、栃木県には産業技術センターという県内の中小企業等の新技術・新製品開発や技術高度化を支援する技術拠点が存在します。県内と限定されているのは、栃木県の予算を使って運営されているためです。我々競走馬総合研究所の母体はJRAですが、栃木県内にある中規模な事業所であることから、「技術相談」としてこちらの施設の利用を認めてもらい、馬の蹄の病気の解明を助けてもらったことがあります。

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 昨今、それまでには測定困難だった物質をより精度高く検出したり、材質を評価したり、尚且つ以前より操作が簡便となった使いやすい研究備品が開発されています。しかし、こういった備品は高額ですから、いかなる研究や開発をもすべからく網羅しようとして、あらゆる備品を揃えることはできません。ましてや中小企業でしたら、業務に必要な備品1個を更新することすら予算的に厳しい現実があります。そこで、栃木県は、最新機器を豊富に取り揃え、各方面の産業の面々が比較的安価に使える備品の宝庫を整備してくれたというわけです。我々も、以下のように、こちらの設備を使ってとある蹄病の解明を助けてもらったことがあります。なんか、日本的な助け合いの精神が見え隠れしますね。ありがたい話です。企業間の連携は、利益相反などで難しい面がありますが、公共の県営施設なら守秘義務を守ってもらえるし、安心ですね。

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<外部リンク>https://iri.pref.tochigi.lg.jp/content/files/katuyoujirei_ver20250217.pdf