フランス トゥールーズ獣医学校訪問
臨床医学研究室の黒田です。
企画の川島さんからすでに報告されておりますが、フランスで開催された世界獣医麻酔・鎮痛学術会議に参加させていただきました(図1)。新しい麻酔薬のレミマゾラムにつきましては、ポスター賞受賞となり、非常に喜ばしい結果を得ることが出来ました。皆様方の、日ごろの御協力に大変感謝申し上げます。
図1 日本から参加したメンバー
また、学会後は私が2019年から留学しておりました、国立トゥールーズ獣医学校を再訪させていただきました。今回の訪問の目的は今後の研究のための打ち合わせで、私の師であるPierre-Louis Toutain教授(図2)と抗菌薬の研究者であるAude A. Ferran教授と、研究打ち合わせを行いました。
私が本年春に論文発表した抗菌薬のサルファ剤とトリメトプリムの合剤(ST合剤)に関する馬の薬物動態について、フランスでも馬における研究を開始しており、進捗について共有することができました。ST合剤は本会の臨床現場でも用いられている抗菌薬です。トリメトプリムは各国共通の薬品ですが、サルファ剤は国によって異なる成分であることが多く、フランスでも我々とは異なる薬剤を用いています。
私としてはトリメトプリムについて馬の薬物動態の国際解析を行い、この薬剤の薬剤感受性試験における判定基準(臨床ブレイクポイントと言います)を提案する国際共同研究を実施したい旨を説明しました。
図2. Pierre-Louis Toutain教授と筆者
Pierre-Louis Toutain教授には自宅にも招いていただき、夫人のクレアさんにも御挨拶することができました。Pierre-Louis Toutain教授とは現在投稿しているフルニキシンの薬物規制に関する研究と来年以降の国際発表についても意見交換を行うことができました。また、現在作成中のベタメタゾンに関する報告に関しても、アドバイスをいただき執筆を進めています。教授には御健康を維持していただき、引き続き御指導をいただく事を期待しています。