【競馬学校】明日26期生入学式/おかえりなさいダイワメジャー
桜が今まさに満開の競馬学校からは2題(これは馬場外周、白井市道沿いにあるソメイヨシノです)。
いよいよ明日(4日)、騎手課程第26期生が入学式の時を迎えます。すなわち1982(昭和57)年に競馬学校開校してから26回目の新入生を迎えるというわけです(当たり前といえばそれまでですが…)。
入学するのは9名で、今日はリハーサルを行いました。歩く姿勢やあいさつなど、まだまだ機敏な動作とはいかない部分もありましたが、本番ではビシッと決めてくれるものと思っています。
約2週間にわたる入学前研修で競馬学校の生活にも随分慣れたことと思いますが、本当に厳しいのはこれからです。今日の雨にも散らない桜のように、頑張りぬいてほしいと思います。とにかく明日天気になあれ!
こちら国際きゅう舎では、ドバイデューティーフリー(3月31日)で、惜しくも3着となったダイワメジャー(牡6・美浦 上原博之きゅう舎)が帰国(輸入)検疫に入りました。輸送の疲れもなく大変元気なようです。(写真:競馬学校診療所撮影)
事務所にみえた上原調教師は、「ドバイでは大変惜しい内容でした。道中うまく進み、抜け出した時には一瞬『やった』と思ったのですが、武騎手(アドマイヤムーン)にうまく目標にされて抜け出されてしまいました。国内では負かしているだけに、力負けではないと思っていますが、海外のレースで勝つのは甘くないですね。次は安田記念(6月4日・東京)に照準を合わせて調教を進めていくことになるでしょうが、昨年のように幅広い距離で活躍することで、日本の競馬の盛り上げに一役買えるといいですね。」と語ってくださいました。

そういうわけで我々教官も力が入りまして、大会の前日から会場入りをし、生徒が使用する馬の調整、競技馴致を行った結果、大変良いコンディションで競技の時を迎えることができました。
競馬学校テキスト「生徒の心構え」から、加藤和宏調教師が騎手時代の「人間的にも大事なことというのはまずはやはり礼儀、あいさつだ。僕らは一言あいさつしても聞こえないときは、何回でも相手が聞き返すまであいさつした。今の子供は小さく、もぞもぞと言って聞こえても聞こえなくてもいいや、そういうのがあるから、はっきりした態度でした方がいい。そうしないと相手も返ってこないから。そして今度自分が聞きたくとも相手が悪いとか何とかになると、やはり先輩たちも本当に教えてやろうということも教えなくなってしまう。」というお話を取り上げ、生徒たちへの教訓としました。
いさつとは人間関係のはじまり。馬に乗る技術を磨く以前に、基本的な礼儀作法から習得してもらうことは人として最も大事なことだと思います
おかげさまで昨年中山グランドジャンプを勝たせてもらい、8月には05~06年の豪州ベスト障害馬に選ばれました。本国に帰国してからは休養させ、グランドジャンプの3連覇を視野に入れて調整してきました。その方法としては、ジャンプレースには使わず、平地の競走ばかりを使ってきました。最初短い競走から徐々に距離を延ばしていくやり方で、1月10日の復帰戦は1600m、以降1800m→2100m→2400m→3000m→2400mと平地戦ばかり使ってきました。これは、特に日本のスピード競馬を意識しているというわけではないのですが、結果的に効果が出ているのかも知れませんね。最高成績は3000m戦の4着でしたが、もちろん結果は気にしていません。
うちのきゅう舎では、カラジや一緒に連れてきたパーソナルドラム(10歳)のような10歳以上の高齢馬が10頭ぐらいいるのですが、若い馬と区別して取り扱っているわけではありません。ただ、歳をとるとステップレースをむやみに走らせることはしませんね。あえて言えば、体調面や精神状態を常に把握してあげることが大事なのではないでしょうか。大事に取り扱ってさえいれば、競走馬の寿命というものは、ある程度長くすることはできると思います。
我々もプロですし(笑)、3年続けて来日してますので、検疫期間中の生活も慣れていますのでご心配なく。NZ勢も2頭おり、食堂では毎日賑やかにやってますよ。日本の食べものも大変おいしい(日本食では刺身、特にツナ(マグロ)とサーモンが好物だとのことです)。注文をつけるとすれば放牧場がもう少し広ければ…というくらいでしょうか。
他にマスグローヴきゅう舎のパーソナルドラム(せん10歳)。また、ニュージーランド勢のリアルトニック(せん11歳)とノーヒーロー(せん11歳)が来日。4頭ともいわゆる前哨戦のペガサスジャンプステークス(中山・3月24日)に出走予定で、20日までの検疫期間中は競馬学校で調教をしていくことになります。
藤岡康太騎手は、3日(土)の中京1R、ヤマニンプロローグで史上42人目の「初騎乗・初勝利」(JRAの創設は昭和29年ですので、昭和30年以降の記録となります。下に42名全員をあげておきました。)大変立派な記録ですし、直線も良く追えましたが、4コーナー手前で外斜行して、過怠金50000円を科せられたのはいただけません。ちょっとした判断ミスによる走行妨害をすれば、レースは台無しになり、他の馬は勿論、馬券を買っていただいているファンの皆さまに多大な迷惑をかけることになります。本人談にもありますように、これからもフェアプレー第一で伸びていってほしいと思います。ちなみに写真右の片山研きゅう務員は競馬学校きゅう務員課程の18年度7月生で、担当馬の初勝利。勿論馬と合わせて三重の喜びとなりました。おめでとうございます。(写真提供:オボ山さま)
田中健騎手は同日中京6Rで、10番人気のメイショウセレットで直線大外一気の追い込みで初勝利。単勝7630円と波乱の立役者に!4コーナーを向いて追い出す姿は「ムササビの如し」。懸命に追った甲斐があったネ。ケンちゃん。後で聞いたら藤岡の初勝利に刺激を受けたようで、「早いうちに何とか初勝利を、そのためにはひと鞍ひと鞍が勝負」と意気込んでいたそうです。
写真左:大下智騎手、写真右:濱中俊騎手 結果は出なかったがまだまだこれから。
乗馬経験がほとんどなく、実技試験の成績は下の方が続いていたのですが、その分人より努力した結果、2年生の期末試験の走路騎乗で1位が取れたのが一番の思い出です。それから
【本人より】競馬学校での生活は長くて長くてイヤでした。卒業した今ではもっと教わりたかったと思っていますが。22期生時代から成績は下の方でしたから、負け犬根性が染み付きそうだった時もありましたし、実技でうまくいかないときに教官から、雰囲気が似ている?せいか、「コラ!ラーメン屋!」と怒られたときにはブチ切れそうになったこともありました。でもぐっと呑み込んで、くさらずにやってきてよかったです。