【競馬学校】卒業生(=新人騎手)紹介⑦「藤岡康太」
藤岡康太(ふじおか こうた)
1988年12月19日生 血液型 AB
栗東 宮 徹きゅう舎所属 滋賀県栗東市出身
(父:藤岡健一調教師、兄:藤岡佑介騎手)
座右の銘:「向上心」 目標とする騎手:L.デットーリ
将来の目標:JRAの全GⅠレース制覇
【本人より】入学前から栗東トレセンの乗馬センターで5年間乗っていましたので、少しは自信があったのですが、入学してすぐに先生から「お前はギリギリで合格したんだぞ」と言われショックを受けました。確かに背中が丸いとか、ひざで締め過ぎているとか欠点を指摘され、馬になるのが段々つらくなる時期がありました。毎日毎日頑張ってきてそのうちに「姿勢よりも技術でうまくなってやろう」と欲が出てきました。走路騎乗の実習は楽しくて仕方がなかったのですが、ある日、3周も馬を御せずに持って行かれたうえ、強風で無線機からの教官の指示が良く聞き取れずこっぴどく叱られたのは忘れられません。
それから、中山競馬場で年末ファンの皆さんの前で行う模擬レースを、欠場してしまったのが心残りです。競馬学校での模擬レースでは勝てるレースを自分のミスで2着になってしまい、中山でリベンジしようと思っていただけに、急な腹痛をおこし救急車で運ばれる羽目になってしまった時には泣けてきました。公正寮に帰ってひとりで同期たちがレースをしているのをテレビで見ているのは本当に切なかったです。この悔しさをいつも心に秘めて、デビューしてからも頑張りたいです。いずれは世界に通用する騎手を目指したいと思います。
【担当教官Aより】彼の騎乗センスには目を見張るものがあります。在学中もそのセンスを活かし、成績も常に上位をキープしてきました。病気のため中山で行われた模擬レースには出場できなかったのが唯一残念でしたが、デビュー後のレースできっと爆発させてくれるものと期待しています。
【担当教官Bより】贈る言葉…「チャレンジャー精神」学校での技量は兄貴の2倍は上手かった(ちょっと言い過ぎかも…)さて競馬になってどうかな?いずれにせよ期待のかかる生徒の一人だ。

こうして卒業できて思うのは、色んな方に会えて幸せ者だなということです。栗東トレセンでも、阪神タイガースの濱中治選手と名前が似ているので、すぐに名前を覚えてもらいました。ちなみに私の誕生日は、ちょうどオグリキャップが最初に有馬記念を勝った日なんです。競馬が好きな両親がテレビで有馬記念を見ていると、母親が急に陣痛を起こして、それでもレースは最後まで見るんだと頑張って、レースが終わってから病院に駆け込んで生まれた子なのだそうです。その時から競馬との縁があったんですね。騎手になって、テレビで見られる身になるわけですが、「濱中乗れないなぁ…」と皆さんにボヤかれないように頑張りますので、応援よろしくお願いします。
【本人より】訳あって4年間の学校生活となりました。22期生として入学した当初は、成績も下の方でつらかったです。その上に追い打ちをかけるように、不注意で怪我をしてしまい留年となってしまったのです。
【本人より】生きてきた18年の中で、この3年間は楽しく、つらく、そして充実していました。支えてもらった皆さんには感謝しています。大下くんも言ってましたが、思えば、入学しただけで満足していたのが恥ずかしいです。デビューしてからは、終わりを見ずに最後まで走り続けたいです。同期には、いろいろ迷惑をかけましたが、ここまで来ることができたのはやはりみんなのお陰と思っています。1年生の時に、3年生は卒業の時になぜ泣くのだろう?と思っていましたが、今となってはその気持ちがよくわかりますね。馬の気持ちを感じ取れる騎手になりたいです。
【本人から】3年間を振り返るとあっと言う間でした。最初は慣れない生活に戸惑い、実技でもうまくいきませんでした。2年生になると馬に乗ることが楽しく感じられるようになってきたのですが、トレセンの実習から帰校してから自信過剰を指摘され、落ち込んでしまいました。幸い模擬レースや実技試験をうまく乗り切り、卒業、そして騎手免許試験に合格することができました。補習にも付き合ってもらった先生や夜遅くまでビデオを一緒に見てくれた先生、本当にありがとうございました。