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活躍馬情報(事務局)

3月26日土曜日の阪神4R(3歳未勝利)で、

日高育成牧場で育成されたアドマイヤデライト号が優勝しました。

同馬は2015年JRAブリーズアップセールで取引され、

7戦目での勝ち上がりとなりました。

  

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3月26日 2回阪神競馬1日目 第4R  3歳未勝利 ダート 2,000m

アドマイヤデライト号(アドバンスクラーレの13) 牡

【 厩舎:梅田 智之 厩舎(栗東) 父:アドマイヤムーン 】

 

 

さらに、翌日の3月27日日曜日の中山2R(3歳未勝利)では、

宮崎育成牧場で育成されたビレッジエンパイア号が優勝しました。

同馬も7戦目での勝ち上がりとなりました。両馬の今後の活躍を期待しております。

 

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3月27日 3回中山競馬2日目 第2R  3歳未勝利 ダート 1,200m

ビレッジエンパイア号(レディアモーレの13) 牡

【 厩舎:土田 稔 厩舎(美浦) 父:エンパイアメーカー 】

育成馬ブログ 日高⑦

ブリーズアップセールが近付いてきました!(日高)

 

例年と比較にならないほど暖かい冬となった日高育成牧場では、

全国各地に大きく遅れることなく待望の春を迎えました。

 

日中の気温が10℃を上回る日も増え、

道路脇の積雪もわずかに残るだけとなっています。

 

馬場凍結のため使用できなくなっていた屋外1600mダートトラックも

例年より早い3月28日から使えることになりました。

春の訪れを待っていた育成馬たちは、これからぐんと良くなっていきます。

 

 

育成馬の調教状況

 

まずはJRA育成馬の調教状況についてお伝えします。

 

1週間の調教メニューは前回の同ブログから変わらず、

現在も毎週2回の坂路調教を実施しています。

 

2月末までは、

縦列で坂路2本(3ハロン54~51秒程度)を駈けあがる調教を繰り返して、

基礎体力を育みつつ綺麗なフォームで走れるよう努めてきました。

 

しかし現在は、殆どの馬に十分な体力がついてきたため、

坂路調教の2本目を「併走」にすることで

「走りたい」「併走馬に負けたくない」気持ちを膨らませる調教を行っています。

 

 動画1.屋内1000m坂路コースでの調教 

併走馬同士をしっかり近づけて走行できるよう練習しています。

1組目:向かって左がリスキーディール14(父:シンボリクリスエス、BU番号48番)、

右がノーブルビューティ14(父:タイキシャトル、BU番号19番)。

2組目:向かって左がグラッドリー14(父:サウスヴィグラス、BU番号20番)、

右がコロナガール14(父:サマーバード、BU番号46番)。

3組目:向かって左がスターリースカイ14(父:ケイムホーム、BU番号45番)、

右がキングズラヴ14(父:サマーバード、BU番号18番)。

 

 

 

今後は屋外1600mダートトラックが使えるようになる3月28日まで

坂路調教を継続し、それ以降は1600m馬場での調教にシフトしていきます。

  

 

手術実施馬や跛行馬のリハビリテーション

 

アスリートである育成馬の調教を進めると怪我や故障がついて回ります。

跛行や疾病の程度により休養期間や治療内容は異なりますが、

重度の跛行や手術を要する疾病に罹患すると休養が長引くため、

その後のリハビリは重要です。

 

現在、当場ではこのような馬のリハビリテーションに

トレッドミル運動を併用して安全な早期回復を目指しています。

トレッドミルは馬用のルームランナーで、運動負荷量を調節することができるうえに

人が騎乗しないため馬の下肢部にかかる負担を大幅に軽減できます。

 

週に3回、1回の運動量は速歩1~1.5km、駈歩1~2km程度で

約1カ月実施します。

まだ一部の長期休養馬に実施した段階ではありますが、

確かな手ごたえを感じています。

 


 

動画2.トレッドミルを用いたリハビリテーション 

先日手術した育成馬のリハビリにトレッドミルを用いています。

馬の様子を観察しながら徐々に運動負荷を増やし、

安全なリハビリを行いたいと考えています。

 

ブリーズアップセールに向けた準備

 

約1カ月後に迫ったブリーズアップセールに向け、着々と準備が進んでいます。

 

先日、馬運車の積込みに慣らすための「馬運車馴致」を実施しました。

写真にある馬積み所に慣らして当場所有の馬運車に乗せておくことで、

輸送当日の出発遅延を防止し、

輸送でかかるストレスを少しでも軽減することが主な目的です。

 

今年の育成馬たちは皆おとなしく、問題ある馬はいませんでした。

出発当日、スムーズに積み込めることを祈っています。

      

Photo

         

今年のJRAブリーズアップセールは中山競馬場で4月26日(火)に開催します。

育成馬と向きあえる残り期間は約1カ月。

残りわずかな時間を有効に使い、後悔しないように過ごしていきたいと思います。

育成馬ブログ 生産編⑦「その3」

子馬の保定 その3 タオルパッティングを利用したレントゲン馴致

 

馬の性格は様々で、生まれた時から落ち着いている子馬もいる一方で、

怖がりで敏感な子馬がいることも事実です。

例えば、後者に対してX線検査をする際、

X線のカセットを最初からいきなり後肢に触れさせた場合には、

カセットもしくは保持者の手を子馬に蹴られるのがオチです。

  

この際、毎日の手入れの時間の「タオルパッティング」をお薦めします。

最初はタオルが後肢、股間、ヒバラなどに触れた時に

怖がって蹴り上げたり、動き回って逃げまわったりします。

 

しかし、数日間継続して実施することで、

「タオルが馬に対して危害を加える存在ではないこと」を認識して、

落ち着いて立っていることができるようになります。

 

これができたら、カセットに似た硬い板などを

後肢や股間などの検査で触れる部分に当てて慣らします。

  

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タオルパッティングを利用したX線馴致

 


YouTube: タオルパッティングを利用したX線馴致

 

  

この場合に重要なことは、人間がリラックスしていることです。

人間が落ち着くことにより、

馬はタオルが体に触れることが恐怖ではないことを理解します。

 

一方、人間がイライラもしくは緊張しながら実施すると、

タオルが触れることによる恐怖心を植え付けることになります。

 

また、このような馴致は短期間にできるものではないことも認識する必要があります。

毎日の手入れの中で少しずつ人馬の信頼関係を積み上げていくものです。

  

 

There is nothing so good for the inside of a man

                                 as the outside of a horse.

イギリスの政治家John Lubbock 「人間の成長にとって、馬ほど優れたものはない」

  

 

子馬を保定するうえで、道具や鎮静剤を用いた方法、

他馬を利用した方法を選択せざるをえない場面もあると思います。

しかし、それらの手法に頼ることなく、

人馬が1対1で向き合ったうえで保定することは、

人間にとっては、馬の取り扱い技術を向上させる貴重な機会になることでしょう。

 

【ご意見・ご要望をお待ちしております】

JRA育成馬ブログをご愛読いただき誠にありがとうございます。

当ブログに対するご意見・ご要望は下記メールあてにお寄せ下さい。

皆様からいただきましたご意見は、

JRA育成業務の貴重な資料として活用させていただきます。

アドレス jra-ikusei@jra.go.jp

活躍馬情報(事務局)

先週日曜日の阪神6R(3歳500万下)で、

日高育成牧場で育成されたスノードリーム号が2勝目を挙げました。

これで芝とダートで1勝ずつとなり、この先の可能性が広がりました。

今後のさらなる活躍を期待しております。

 

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3月20日 1回阪神競馬8日目 第6R  3歳500万下(牝) ダート 1,400m

スノードリーム号(マルカジュリエットの13) 牝

【 厩舎:高橋 義忠 厩舎(栗東) 父:スウェプトオーヴァーボード 】

育成馬ブログ 生産編⑦「その2」

子馬の保定 その2 日常の取り扱いにおける「リーダーシップ」と「オン・オフ」

 

「リーダーシップ」と「オン・オフ」の方法を

毎日の取り扱いで継続的に用いることにより、

保定が必要な場面で適切な制御が可能になります。

  

毎日の取り扱いにおける利用例として、

「集放牧の際に他の馬と間隔を空けて引き馬をする」

「馬体検査の際に、1頭のみで駐立させる」などがあげられます。

 

特に引き馬は子馬の躾に極めて有効です。

なぜなら、馬の群れの中でのリーダーは、

他馬のスピードをコントロールすると言われているため、

引き馬でのスピードコントロールは、

引き手をリーダーとして認識させる絶好の機会になるからです。

このため、前の馬をリーダーと認識するような前後を接近させた引き馬ではなく、

前の馬との間隔を空けて、引き手をリーダーと認識するような引き馬が推奨されます。

                

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集団生活を基本とする馬は、他の馬の存在に安心感を得る動物です。

しかし、子馬をコントロールする際に、

他馬と一緒にいることで落ち着かせる方法を選択することもまた、

道具や鎮静剤を用いた方法と同様、

人馬の信頼関係構築のための貴重な機会を失うことになります。

 

このため、「馬体検査の際に、1頭のみで駐立させる」など、

あえて人間と馬が1対1で向き合う機会を数多く設けたうえで、

確固としたリーダーシップ、

適切なオン・オフを用いながら引き馬や駐立を実施することで、

人間に対する安心感や信頼感を醸成することができるのです。

 

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人馬が1対1で向き合うことは、信頼関係構築の貴重な機会

 

 

(つづく)

育成馬ブログ 生産編⑦「その1」

子馬の保定 その1

 

子馬を取り扱ううえで、

「保定」すなわち「馬の動きを制限すること」が求められるケースは少なくありません

 

日高育成牧場では、日常の手入れや治療はもちろんのこと、

毎月実施している馬体検査、X線検査、内視鏡検査、写真撮影の際に、

子馬を適切に保定することが要求されます。

 

X X線検査や内視鏡検査では、適切な保定が要求される。

 

 

保定には目的に合わせた様々な方法があります。

鼻捻子など制御力の強いもの、枠馬の利用、

または、鎮静剤の投与も保定の1つと言えます。

  

しかし、当場の子馬に対しては、

鼻捻子による強い保定、枠場の利用、鎮静剤の投与は

可能な限り実施しないよう努めています。

 

なぜならば、子馬に対して何らかの処置をする際に、

最初から上記の道具や鎮静剤を用いた方法を選択することは、

「子馬に対する躾の貴重な機会を失うこと」になるからです。

  

では、どのように子馬を保定するのかというと、

「リーダーシップ」と「オン・オフ」を利用します。

 

「リーダーシップ」は文字通り、

人間が馬に対して指示を与えて動きをコントロールすることです。

 

「オン・オフ」については、

「オン」は馬への指示を意味しており、

馬が理解した段階で「オフ」、すなわち何もせずに馬へ安心感を与えることで、

人間の指示を受け入れさせる方法です。

 

これに反して、

馬が理解しているにもかかわらず、「オン」の指示を継続的に与えると、

馬が混乱して人間の指示を受け入れなくなります。

 

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正しく駐立できたら、「オフ」の雰囲気で馬に安心感を与える。

 

(つづく)

活躍馬情報(事務局)

先週土曜日の中京3R(3歳未勝利)で、

日高育成牧場で育成されたヤギリジャスパー号が優勝しました。

同馬は2015年JRAブリーズアップセールで取引され、

5戦目での勝ち上がりとなりました。今後のますますの活躍を期待しております。

 

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3月12日 2回中京競馬1日目 第3R  3歳未勝利 ダート 1,400m

ヤギリジャスパー号(ストックの13) 牡

【 厩舎:高橋 義博 厩舎(美浦) 父:タイキシャトル 】

 

 

さらに、同日の阪神9Rゆきやなぎ賞において、

宮崎育成牧場で育成されたノーブルマーズ号が2勝目を挙げました。

クラシックディスタンスでの勝利ということで、

この先のクラシック戦線でのさらなる活躍が期待されます。

 

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3月12日 1回阪神競馬5日目 第9R  ゆきやなぎ賞 芝 2,400m

ノーブルマーズ号(アイアンドユーの13) 牡

【 厩舎:宮本 博 厩舎(栗東) 父:ジャングルポケット 】

育成馬ブログ 宮崎⑦

○強調教後の乳酸値測定(宮崎)

 

3月に入り、まだまだ朝は肌寒く感じる日もありますが、

日中は春を感じる日が多くなってきた宮崎です。

 

さて、3月は卒業式など別れの季節というイメージがありますが、

JRAでも人事異動が行われ、スタッフの入れ替えが行われました。

宮崎から北海道に旅立つ者、一方、北海道から宮崎に赴任する者もおり、

それぞれ新しい職場での活躍が期待されます。

 

新しいメンバーも加わりました宮崎育成牧場ですが、

これまで同様に、スタッフ一丸となって育成馬の管理に励んでいきたいと思います。

 

季節の変化に敏感な育成馬達は毛艶に輝きが増し、

調教中の動きも俊敏さが目立つようになってきており、

我々以上に春の訪れを喜んでいるかのように映ります。

 

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写真① 調教後、牡はサンシャインパドック(左)、牝は放牧地(右)に放牧しています。

牝の放牧地では青草が生い茂ってきており、春を感じさせます。

 

 

育成馬の近況

 

さて、宮崎育成牧場のJRA育成馬22頭は、

4月26日(火)にJRA中山競馬場で開催されるブリーズアップセールに向けて

調教メニューをこなしています。

 

500mトラック馬場では、速歩2周の後、直線はキャンター、

コーナーは速歩という調教を左右両手前で2周ずつ実施しています。

 

500mトラック馬場での調教は、

ウォーミングアップとしての目的があることはもちろん、

スピード調教を繰り返していくと、

ハミにかかる傾向が強くなるのを改善する目的もあるため、

ハミを必要以上に取らずに、

馬自身のバランスで走行させることを主眼に置いて実施しています。

 

一方、調教のベースとなる1600m馬場では、

4頭単位の1列縦隊で

ハロン22~20秒のイーブンペースでの

2400~3000mのステディキャンターを基本調教としています。

 

週1~2回のスピード調教では、

1200mを2本走行させるインターバルトレーニングを実施し、

2本目に3ハロンを45~48秒(ハロン15~16秒)程度で走行しています。

 


YouTube: 【動画】15 16育成馬日誌宮崎⑦

動画 2月下旬の調教動画。

   

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写真② 週1回実施している牡馬の強調教時の様子。

内:上場番号13番フラワーパフュームの14(牡 父:シンボリクリスエス)、

外:上場番号62番エイシンブランディの14(牡 父:ヴァーミリアン)。

 

強調教後の乳酸値測定

 

ここからは、宮崎育成牧場で実施している

「強調教後の乳酸値測定」について触れてみたいと思います。

 

乳酸値は運動強度(速度、距離あるいは運動持続時間など)を上げていくと、

上昇していきます。

これは

「速筋線維が糖を分解することによって乳酸を生成するためであり、

またアドレナリンのような糖利用を高めるホルモンが放出されるため」

といわれています。

 

一方、乳酸値は最初から直線的に上昇するのではなく、

ある運動強度を超えた時点(LT:乳酸性作業閾値)から急速に上昇していきます。

これは

「運動時の酸素需要量と供給量のバランスが維持されていれば

乳酸は蓄積されず、需要供給のバランスが崩れると上昇していく」

という性質によるものです。

 

調教が進むと同じ運動強度でも、乳酸値が上昇しなくなります。

この理由は、有酸素運動能が高まり、

同じ運動強度でも糖を利用する無酸素性エネルギーを利用しないで

走行できるようになるためです。

 

「乳酸」という言葉から「疲労物質」という言葉を連想する方が多いと思われます。

つまり、単純に「乳酸値が高い」=「過負荷」と結びつけてしまう傾向があります。

 

この考え方は正しいと思われる反面、

アスリートにおいては、乳酸を多く出せるということは、

それだけ筋肉が糖を利用して、エネルギーを作り出す能力が高い、

つまり絶対的なスピードに優れているという見方もあるようです。

 

過去の育成馬の乳酸値と競走成績を照らし合わせてみると、

この考え方は競走馬にも当てはまるように思われます。

つまり、育成期においては、まず乳酸を多く産生できる負荷をかけること、

すなわち、筋肉に糖を最大限に利用させることが

トレーニングの第一歩であると考えられます。

 

その後、さらに調教が進むと、同じ負荷をかけた場合には、

長距離競走に適した馬では、乳酸値の上昇は抑えられるのに対して、

短距離競走に適した馬では、乳酸値が上昇しやすい傾向があります。

 

これらのことは、

長距離適性の高い馬は、蓄積した乳酸を再びエネルギーとして利用できる

「乳酸処理能」

を高めることができる能力がある一方で、

短距離適性の高い馬は乳酸が溜まった状態でもさらに運動を継続できる

「耐乳酸能」

を高めることができる能力があると考えられるのではないかと思われます。

 

乳酸値の測定など、科学的指標に頼ることによって客観性は高まる一方で、

データへの興味が高まることによって

機械的に調教メニューを立ててしまう状況に陥りやすく、

馬の状態を省みない状況を生み出す過ちを犯しがちになります。

そのため、常に走行時や走行後の息遣いのみならず、

特に牝馬ではメンタル面を確認しながら、

各馬に応じた負荷をかけるよう慎重に検討しております。

 

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写真③ 乳酸値測定に使用している簡易キッド(ラクテート・プロ2:アークレイ社製)。

本体価格は約6万円、1回の測定にかかる経費は約220円です。

育成馬ブログ 日高⑥

○  春近し!(日高)

 

バレンタインデーの2月14日、関東地方をはじめ日本各地で春一番が吹きました。

 

先日発表された3カ月予報でも3月からの気温は平年よりも高い予報となっており、

3月に入ると一気に春の気候に切り替わりそうです。

 

JRA日高育成牧場のある浦河町でも気温が上昇する日が増え、

近隣中学校の校庭に作られたスケートリンクの氷も解けてしまいました。

待ちに待った春は、すぐそこまで来ています。

 

 

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写真1. 中学校の校庭に水をまいて作ったスケートリンク。

学校の授業でも活躍したリンクですが現在は氷が解けて滑れなくなってしまいました。

  

 

育成馬の調教状況

 

まずはJRA育成馬の調教状況についてお伝えします。

調教メニューは前回の同ブログから変わっておらず、

毎週2回(火曜日・金曜日)の坂路調教を実施しています。

 

坂路調教を行う日はまず、

屋内800mトラックでハッキング(キャンター2周)を行ってから、

坂路2本(縦列、3ハロン54~51秒程度)を駆けあがっています。

 

現時点の坂路調教では過剰にスピードを求めず、きれいな隊列のなかで

正しい走行フォームで走ることに重点を置いています。

 

とはいえ3ハロン51秒程度の登坂では息遣いや馬の表情、

さらには体力測定のために行っている乳酸値測定や心拍数の検査で

「余裕がある」と感じられる馬が増えてきたことから、

スピード調教に移行しても耐えられるだけの体力が備わってきたと考えています。

 

3月中旬を目処に坂路での併走調教を開始し、

徐々に馬の「走りたい気持ち」を膨らませる調教にシフトしていきます。

 


YouTube: 屋内1000m坂路馬場での調教風景

動画1.屋内1000m坂路コースでの調教。

先頭を走るのはイフリータ14(父:ケイムホーム)。

2本走行した後にも、全馬余裕たっぷりでした。

 

  

競馬学校騎手課程生徒の研修を行いました

 

先日、競馬学校から騎手課程第33期生が来場して生産地研修を実施しました。

 

この研修では生産牧場やスタリオンの見学なども行いますが、

メインは普段騎乗することのない若馬(JRA育成馬)の調教騎乗です。

 

彼らは競馬学校での基礎課程を修了してトレセンでの実践課程に進んでおり、

馬産地日高で毎年行われるこの研修で

若馬の騎乗方法や競走馬との違いなどを勉強します。

 

3日間の研修で10数頭の育成馬に騎乗し、

多くのことを感じてもらえたのではないかと思っています。

 

研修を通して生産・育成の現場で馬に携わる人々から直接話を聞くことで、

将来レースで騎乗するサラブレッドが背負っている

“様々な人の思い”を感じてもらうことができたと思います。

 

研修で学んだことを活かし、

競馬ファンの皆様や牧場関係者に愛される立派な騎手に育ってほしいです。

 


YouTube: 屋内800mトラックで育成馬に騎乗する騎手課程生徒

動画2.屋内800mトラックで育成馬に騎乗する騎手課程生徒(赤白の染め分け帽)。

前列左からフラワーロック14(父:キングズベスト)

サンセットロード14(父:ロージズインメイ)

後列左からタヒチアンメモリ14(父:フリオーソ)

ダノンスズラン14(父:ステイゴールド)

ナイキトライアンフ14(父:アルデバラン)

   

春が近づくにつれ、育成馬達もぐんと成長して良くなってくるこの季節。

日高育成牧場では購買関係者や生産牧場の皆様のご来場をお待ちしております。

是非お気軽に当牧場へお越しください!