育成馬ブログ 日高⑤
○ 騎手課程生徒の研修を行いました(日高)
関東地方で春一番が吹いた2月17日。
日高育成牧場のある浦河町でも最高気温が
7度まであがり春を感じさせましたが、
その後は気温が急降下して20日夜には猛吹雪となりました。
景色は一気に冬に逆戻りしましたが、
この時期の気象の乱高下は毎年のことです。春は確実に近づいています。
写真① 一気に冬景色へと逆戻りした日高育成牧場の育成厩舎
●競馬学校騎手課程生徒の研修
今年も2月8日から5日間の日程で競馬学校から
騎手課程生第34期生が来場し、生産地研修を行いました。
馬産地日高で毎年行われるこの研修では、
生産牧場や種馬場の見学や普段彼らが
騎乗しない若馬(JRA育成馬)の調教騎乗を行います。
自分の目で生産地を見ると同時に、
生産・育成に携わり馬を育てている人々から
直接話を聞くことで、将来レースで騎乗する
競走馬達が背負っている“様々な思い”を
感じてもらうことが目的です。
競馬学校の基礎訓練を修了し、
美浦・栗東の両トレーニング・センターで
競走馬に騎乗する実践課程に進んだ彼らも、
若馬の取り扱いには慣れていません。
研修期間中は1人平均12鞍(3日間)に騎乗しました。
騎乗を重ねるごとに肩の力が抜け、
最終日には育成馬と一体になって
伸び伸びとした動きを見せてくれました。
●育成馬の近況
育成馬の調教メニューは前回ご紹介した内容から変わらず、
週2回(火曜日・金曜日)の坂路調教を行っています。
今回は騎手課程生徒が騎乗した、
調教中の様々なシーンを紹介します。
毎日の調教は角馬場でのウォーミングアップから始まります。
体をほぐして調教の準備をすると同時に、
獣医師・装蹄師・騎乗者という3者による
歩様検査をして馬の状態を確認します。
動画① 騎手課程生徒は赤白の染め分けヘルメットを被って騎乗します。
まだ少し緊張がみられます。
JRA育成馬のメイン調教場である800m屋内トラックです。
動画は2本目のキャンター調教で、
2列縦隊で走行するところです(1本目は縦列で実施)。
砂をかぶってもひるまず、前後左右の馬に気を取られることなく、
騎乗者の指示に従って走行することが目標になります。
動画② 3名の生徒が騎乗し、綺麗な隊列で走行しています
最後の動画は1000m屋内坂路馬場で、
ラスト3ハロンを57~54秒で駈け上がるところです。
馬場の中央を一列で走行し、
先頭の馬は真っ直ぐ同じペースで走りぬくことを、
後続馬は走りたい気持ちをためて、前を走る馬の
キックバック(前の馬が走行中に巻き上げるウッドチップなど)
に怯まないことを教えます。
動画③ 騎手課程生徒は先頭・後続など様々なポジションで騎乗しました。
1組目の先頭は山田敬士君が騎乗する
ゴートゥザノースの15(牝、父:バゴ)、
2組目の先頭は木村和士君が騎乗する
ロゼットネビュラの15(牝、父:エンパイアメーカー)。
彼らが生産地研修で得た経験を活かして、
競馬ファンの皆様や競馬サークルの皆様に
愛される騎手として将来活躍してくれることを期待しています。
さて、今回の報告は以上です。
今年のJRAブリーズアップセールは4月25日(火)に
中山競馬場で開催されます。
今いる育成馬と私たちが共に過ごせる時間も
あと2カ月弱になりました。
限られた時間に何ができるか、デビューしてから悔いが残らないよう、
しっかり考えながら毎日馬と向き合っていきたいと思います。