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活躍馬情報(事務局)

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11月24日(月・祝)東京競馬6日目10R 晩秋ステークス(3歳以上3勝クラス) で、キョウキランブ号(育成:日高)が勝利しましたsign01

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キョウキランブ号(タキオンメーカー2022) 牡 父:エスケンデレヤ

厩舎:古賀 慎明(美 浦)

馬主:阿部 憲三 氏  生産者:日本中央競馬会日高育成牧場

東京競馬のダート2100メートルで連勝を飾り、オープン馬となりました。

さらにもう1頭、11月23日(日)東京競馬5日目1R 2歳未勝利で、ロードストラダーレ号(育成:日高)が勝利しましたsign01

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ロードストラダーレ号(ティズウインディ2023) 牡 父:ロードカナロア

厩舎:本間 忍(美浦)

馬主:山下 裕司 氏  生産者:酒井牧場

2頭の今後のますますの活躍をお祈り申し上げますsign01

25-26育成馬ブログ(日高②)

育成馬調教における走行タイムの設定

 毎日寒くなってまいりましたが、いかがお過ごしでしょうか。9月に騎乗馴致を開始した61頭の育成馬たちの調教は順調に進み、現在800m馬場を2周した後、坂路を24秒/F程度で1本上がってくるメニューを消化しています。今シーズンも速歩でのドライビングを中心とした騎乗馴致を行った効果により、初めて坂路入りした際から馬がまっすぐ走れ、きれいな隊列での調教を行うことができています(写真1、動画1)。また、調教のタイム指示についてはステディキャンター(馬が落ち着く速度で安定した駈歩を続ける)となるように設定することで、馬が常に落ち着いた状態で調教を実施することができています。今回は育成馬調教における走行タイムの設定についてご紹介いたします。

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(写真1)今シーズン初めての坂路調教

(動画1)今シーズン初めての坂路調教


 我々は騎乗馴致段階で“速歩でのドライビング”を積極的に取り入れています。速歩のドライビングでは「左!」「まっすぐ!」「右!」「まっすぐ!」「左!」「まっすぐ!」「右!」・・・という風に、短時間で多くのコマンドを馬に出し続けることとなるため、馬が人にフォーカスし、人から出される命令にすぐに応えようと従順になる効果があると感じました。また、常歩よりも速いスピードでドライビングを行うことにより、馬が本当にまっすぐ進んでいるか、開き手綱の扶助を理解しているかが確認でき、結果として騎乗調教開始後にまっすぐ走れる馬が増えました。速歩でのドライビングについては過去の当ブログでも何度か取り上げていますので、興味のある方は過去記事をご覧いただけましたら幸いです。

JRA育成馬日誌: 24-25育成馬ブログ(日高①)
JRA育成馬日誌: 23-24育成馬ブログ(日高②)
JRA育成馬日誌: 22-23育成馬ブログ(日高④)


 ところで、競走馬の調教では基本となるタイムがあると考えています。当場の竹部職員が研修に行った英国の名門マイケル・スタウト厩舎では、調教メニューをEasy(竹部職員がGPSで測定したところ18秒/F程度)、Normal(同15秒/F程度)、Work(同12秒/F程度)の3段階で設定していました(図1)。すなわち、休み明けの月曜日は軽めで坂路1本(18秒/F)、火曜日は明日の追切に備えて普通調教として坂路1~2本(15秒/F)、水曜日は追切(12秒/F)、木~土はまた繰り返すといった感じです。この18秒/F、15秒/F、12秒/Fという速度を基本にしている厩舎は多いです。18秒/Fは競走馬にとってステディキャンター(馬が落ち着く速度で安定した駈歩を続ける)となる速度であり、15秒/Fは血中乳酸濃度が4mmol/L以上となり無酸素運動能が鍛えられ始める速度、12秒/Fは追切すなわちレース実戦と同様の速度となります。

Photo_2(図1)英国マイケル・スタウト厩舎の調教(竹部職員研修報告より)


 日高育成牧場では、昨シーズンから通常調教(スピード調教以外)の走行タイムの設定を変更しました。23-24シーズンまでは4月のブリーズアップセールまで正比例するように走行タイムを上げていったのに対し(図2)、24-25シーズンからは走行タイムが1歳の12月までに18秒/Fになるようにどんどん速度を上げ、ベーススピードが18秒/Fに達してからはその速度を維持する形で調教を行いました(図3)。その結果、まずV200という心肺機能を示す数値が過去3シーズンと比較して高くなり、特に2月の数値が高いすなわち早期から心肺機能が向上していることが示唆されました(図4)。さらに、24-25シーズンの育成馬は6月の新馬戦で早くもデビューした馬が16頭と、過去5年平均の13頭と比較して多くなりました。以上のことから、ベーススピードを早期に18秒/Fまで上げることは、育成馬の基礎体力をつけるのに良い効果をもたらしたと考えられました。今後数シーズン続けてみて、検証したいと考えています。

Photo_4 (図2)走行タイムの設定イメージ(23-24シーズン以前)

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(図3)走行タイムの設定イメージ(24-25シーズン以降)

Photo_6 (図4)過去4シーズンのV200(牡)


 以上、育成馬調教における走行タイムの設定についてご紹介いたしました。今後は坂路での3列縦隊での集団調教をとおして馬群でじっと我慢することを教えながら、競走馬として必要な基礎体力を身につけさせていき、1月中旬にはスピード調教を開始したいと思います。今回の記事が普段育成牧場で馬を調教されている皆さんの少しでもお役に立てば幸いです。

活躍馬情報(事務局)

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2025年11月8日(土) 5回東京競馬1日目 9R 神奈川新聞杯 キョウキランブ号(美浦:古賀慎明)が勝利しましたsign01

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キョウキランブ号(タキオンメーカー2022) 牡 父:エスケンデレヤ

厩舎:古賀 慎明(美 浦)

馬主:阿部 憲三 氏  生産者:日本中央競馬会日高育成牧場

今後のますますの活躍をお祈り申し上げますsign01

25-26育成馬ブログ(宮崎②)

小学校出張授業の実施

育成馬は順調に騎乗
 宮崎では残暑が続き、10月になっても過ごしづらい日々が続いていましたが、11月になってようやく涼しさを感じるようになりました。9月から騎乗馴致を開始した1群の牡の育成馬たちは、順調に調教を続けており、現在では走路馬場で騎乗できるようになっています(動画1)。10月から騎乗馴致を始めた2群の牝の育成馬たちは、丸馬場で騎乗する段階となり、こちらも順調に調教が進んでいます。11月にはみなさまに育成馬をご覧になっていただく、秋の育成馬見学会を11月8日(土)に開催しますので、順調に調教を進めている育成馬たちにご注目ください。

https://youtu.be/QHdr0T48Yp4
動画1 育成馬の調教の様子

宮崎育成牧場での馬事普及業務
 宮崎育成牧場では、競走馬の育成が大きな業務となりますが、それ以外にも様々な馬に関する業務を行っています。主な乗馬普及業務としては、少年団員や高校馬術部員に対する乗馬指導、各地で開催されるイベントでポニーとふれあってもらうポニー派遣、宮崎育成牧場内で定期的に開催している馬車運行(写真1)と乗馬試乗会(写真2)などがあります。これらの業務は、馬に馴染みのない方々に、馬とふれあって知ってもらうことを目的に行っています。その中で、我々JRAが特に近年力を入れていることとして、子どもたちに馬への興味を持ってもらう活動です。世間でも話題になっている通り、昨今は少子化によって働き手の減少が問題となっています。馬産業においても状況は同じであり、多くの牧場や厩舎が人手不足に悩まされている状況にあります。このような状況を打破するために、JRAが各地の小学校に馬と職員を派遣し、子どもたちに馬とふれあって知ってもらう「小学校出張授業」という活動を始めました。
 

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写真1 宮崎育成牧場の馬車の様子

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写真2 宮崎育成牧場の乗馬試乗会の様子

小学校出張授業とは?
 JRAによる実馬を使用した小学校出張授業は、2014年から4校の小学校で開始しました。昨年2024年は全国の競馬場と東西トレーニング・センター、馬事公苑などの事業所から馬を派遣する形で合計17校において実施しています。実施校は、馬を輸送する関係もあり、馬のいる事業所から1時間程度の小学校となっています。本年2025年は宮崎育成牧場の馬が初めて「小学校出張授業」に行くことになりました。
 今回の実施小学校である都城市立富吉小学校は、全校児童40名程度の小規模校です。出張授業は、実際に馬にふれてもらうことを目的に実施していることから、参加する児童数については、上限を設けています。今回は、小規模校ということもあり、すべての児童に馬とふれあってもらえると考え、全校児童に参加してもらうことにしました。
 出張授業の内容は、大きく分けて3つに分かれます。まず初めに、「馬に関する講義」を行います。この講義は小学生でも理解しやすいような、馬に関する知識を説明するもので、この後のふれあいで少しでも興味を持ってもらえるような内容となっています。講義中は、多くの生徒が熱心に聞き入っている姿が印象的でした(写真3)。

Photo_3写真3 馬に関する講義の様子

 その後、JRA職員による「騎乗披露」を見学してもらいます。騎乗披露では、常歩、速歩、駈歩という3種の歩き方を披露します。児童の中には、初めて馬が走っている姿を見る子どももいたようで、馬の躍動感に感動している様子も見られました。今回の騎乗披露では、サプライズとして富吉小学校の校長先生の騎乗披露も行われました。実は、この校長先生は宮崎県の馬術連盟の理事長も務めており、卓越した騎乗技術を持っていらっしゃいます。児童たちは校長先生のかっこいい姿に大きな声援を送っていました(写真4)。

Photo_4 写真4 馬に騎乗する校長先生に声援をおくる児童

 最後は、いよいよ「馬とのふれあい」になります。今回は騎乗披露に使用したサラブレッドとふれあい用のミニチュアホースとふれあってもらいました。馬とのふれあいでは、最初は恐る恐る馬に近づいていたものが、馬に触れた瞬間に子どもたちの表情が明らかに変わっていたのが、印象的でした。最後の方では、積極的に馬に触れるようになり、終了時間には名残惜しそうな表情をしていました(写真5)。

Photo_5 写真5 馬とふれあう児童たち

 出張授業は、参加した児童と記念撮影をして終了となります(写真6)。今回の出張授業のおかげで、多くの児童たちが馬に興味を持ってくれたように感じています。我々JRAは、今後もこのように多くの子どもたちに馬とふれあってもらう活動を続けていきたいと考えております。

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写真6 富吉小学校の児童との記念撮影

宮崎育成牧場のインスタグラムのご紹介
 宮崎育成牧場では、公式のインスタグラムを運用しており、上記の小学校出張授業などを含めたイベント情報やJRA育成馬に関する育成馬情報を随時更新しています。興味のある方はぜひともご覧ください。

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https://www.instagram.com/jra_miyazaki?igsh=NmJjZ3lleXpzemJk&utm_source=qr

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11月2日(日)障害3歳以上未勝利で、ゲインサポート号(育成:宮崎)が勝利しましたsign01_202511024r

11月2日(日)3回京都競馬11日目 

4R  障害3歳以上未勝利 障2,910m

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(育成馬名:ローザミスティカ2021)  父:デクラレーションオブウォー

厩舎:斉藤崇史(栗東)

馬主:中越達也 氏 生産者:㈲矢野牧場 

今後のますますの活躍をお祈り申し上げますsign01