多血小板血漿(PRP)治療とは・・・
臨床医学研究室の福田です。
最近はすっかり暑さも和らぎ、研究所内でもとんぼがたくさん飛んで、すっかり秋の気配です。
今年の夏は少々短かったように思いますが、ステイホームのせいでしょうかねえ。
さて、今回は現在当研究室で行われている研究内容についてお話させていただきます。
臨床医学研究室では競走馬が直面する治療困難な疾病(例えば、屈腱炎、蹄葉炎、肺炎)に対する新しい治療法に関する研究を行っています。
詳しくは研究室紹介をご覧ください。
私は現在、多血小板血漿(PRP)治療についての研究をメインに行っています。
PRPは患者自身の血液から作られますが、PRPの中には炎症を抑えたり疾病治癒を促進させたりする成分が大量に含まれています。
最近人の臨床では、現楽天の田中将大投手や大リーグの大谷翔平選手がひじの治療に使ったことで話題になりました。
こちらは遠心分離機を使って馬の血液を濃縮して作られたPRPです。オレンジ色の液体です。
このPRPにカルシウムを加えると、このようにゼリー状になります。不思議ですね。
人では液体のPRPを関節の中に投与したり、腱・靭帯に直接投与するケースが多く報告されています。さらに、ゼリー状にして傷口に当てることで傷の治癒が促進されることもわかっています。
馬でも外傷に対しては同じような治癒促進効果が確認されています。
今後もPRP治療のさらなる可能性を探っていきたいと思います。