競走馬総合研究所(総研)にも秋が来た!
JRA総研の桑野です。
今回は、総研で感じられる秋について溢れ話を少し。
総研にはちょっとした雑木林、灌木そして藪がそこかしこにあります。夜になると薮からは虫の音が聞こえてきますが、その中に自生しているスズムシの美しい鈴の音が混じっております。残暑厳しい折、夕闇に響く鈴の音は少しですが暑さを和らげてくれます。
それにしても、都会ではスズムシは売っているものと思われがちですが、沖縄を除く各都道府県ではそれなりに自生しているようです。温暖化の影響でしょう、昔はいなかった北海道ですら、移入された個体が自生しているそうです。ただ、全国的にだいぶ少なくなっているのは事実で、宮城県や群馬県では絶滅危惧種に指定されています(参考;日本のレッドデータ)。
さて晩夏になって、夏の間に繁茂した草木の刈り込みも始まりました(写真1)。普段は藪に隠れて姿を見せないスズムシも、刈り込み時には逃げ場を求めて這い出してくることも(写真2)。虫を見慣れない方が、室内に入り込んだオスをGと間違えて驚嘆する事件も発生! 音色の美しさと裏腹に真っ黒な姿で広い羽を持つオスはヤバいやつに見えるのも頷けます。
写真1. 下草の刈込み風景 写真2. 落ち着かない様子のオス
そんな総研ですが、馬たちは夜になると涼やかな虫の音を独り占めしているはず…。翌朝には「お腹すいた!」「早く出して!」というアピールしか見せないので、夜の音楽会をどう鑑賞しているのかわからないのですが、言葉を話せたら聞いてみたいものです。
来年も同じように涼やかな音色を奏でてくれると期待してます。
参考;日本のレッドデータ(NPO法人 野生生物調査協会&Envision環境保全事務所)http://jpnrdb.com/search.php?mode=map&q=07090100480(外部リンク)