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2025年8月21日 (木)

ISB2025に参加してきました

運動科学研究室の高橋です。

先日、スウェーデンのストックホルムで開催された第30回国際バイオメカニクス学会(ISB)に参加してきました。

1_2    大会ロゴ

 本学会は2年に1度開催される国際学会で、ヒトを中心とした動物の動作解析、骨や腱の動態、高血圧患者の血管壁動態など、バイオメカニクスに関する演題なら全てをカバーする学会です。4日間で1400以上の演題があり、ポスター会場や企業展示では所狭しと多くの参加者がコミュニケーションをとっていました。下の写真は企業展示です。

Photo     企業展示では各国から企業が参加

 この学会にはいくつか賞があります。最も格式が高い賞はMuybridge Awardと言って、1800年代後半にヒトと動物の運動する様子を初めて視覚的に明らかにした写真家であるEadweard Muybridgeにちなんだ賞になっています。今でこそ携帯電話ですぐにスローモーション撮影ができますが、そんな機械がなかった当時は、1秒で17m近くも移動する馬の一瞬を撮影するのは至難の技で、さらに連続撮影なんてとんでもない時代でした。当時の一般的なカメラでは光を十分に取り込むのにかなりの静止時間を要すため、写真技術に長けていたMuybridge氏でなければできない技術だったと言えます。1850年代には、ウマがキャンターをしている時には四肢が浮いている期間があるのか?というちょっとした論争が起きたのですが、それはMuybridgeの写真「動く馬」で明らかにされました。彼の技術によって、ヒトの運動の様子も収められるようになり、「動く馬」は世界を変えた100枚の写真の1枚にも選ばれています。

今年のMuybridge AwardにはブラジルのMarco Aurélio Vaz教授が選ばれました。Marco教授は人および動物モデルの両方を用いて、筋骨格系が不使用・トレーニング・損傷に対してどのように適応するかを探究してきました。これまでに220本以上の学術論文を発表されています。他にもYoung Investigation Awardなどの賞もあり、受賞者は全員の前でプレゼンすることが習わしのようですが、どのプレゼンも洗練されていて非常に刺激を受けました。

下記がISB2025のリンクになります。筆者も1日目のポスターで、JRA平地競走中のストライドパラメータの変化に関する発表を行なっていますので、興味があればご覧ください。

[外部リンク]https://isb2025.com/program/




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