微生物アート ~カラフルな細菌で描く芸術~
微生物研究室の木下です。
“微生物アート”という言葉をこれまでに聞いたことはありますか? 微生物アートとは、色素を産生するさまざまな種類の細菌を「絵の具」とし、寒天培地を「キャンバス」に見立てて描くアート作品のことです。
<色を持つ細菌!?>
私たちの身の回りには、赤、黄、紫など、まるで絵の具のような鮮やかな色素を作る細菌たちがいます。例えば、赤い色素を作る「セラチア菌」や、黄金色のコロニーを作る「黄色ブドウ球菌」などです。
これらの細菌は、紫外線や活性酸素から身を守るためといった理由から色素を産生しますが、この色素を利用して描くが微生物アートです。
描き方は繊細で、「白金耳(はっきんじ)」という専用の道具を使い、目に見えない細菌を寒天培地に植え付けていきます。描いた直後ははっきりとは見えませんが、これを適切な温度で数日間置くことで、細菌が増殖し、それぞれの持つ色が徐々に現れて美しい絵が完成します。
<作品紹介>
土壌から分離した赤い色素を産生する細菌を使用して、当研究室で抜群の絵心を持つ星野さんに競走馬をイメージして作ってもらった作品がこちらです。
素敵な作品だと思いませんか?
インターネット上には、国内外の様々な方が描いた素晴らしい作品がたくさんあります。「微生物アート」、「microbial art」、「bacterial art」といったキーワードで是非検索してみてください!