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2026年10月

2026年10月29日 (木)

馬インフルエンザに関する国際会議をJRA東京競馬場で主催しました

分子生物研究室の根本です。

 10月23日、JRA東京競馬場にて、国際獣疫事務局(WOAH)主催の「馬インフルエンザワクチン株に関する国際会議」が開催されました。人間のインフルエンザと同じように、馬のインフルエンザも時間とともにウイルスが少しずつ変化します。この会議は、世界中の流行状況を調べてワクチンにどのウイルス株を入れるべきか、を毎年話し合う非常に重要なもので、通常はフランスのパリにあるWOAH本部で行われます。私が今年から本会議の議長に就任したこともあり、今回初めて日本で開催されることになりました。

会場には6か国(アメリカ、アルゼンチン、アイルランド、イギリス、フランス、日本)から、馬および人インフルエンザの専門家11名が集結し、またオンラインでも3か国(インド、コロンビア、中国)から参加がありました。午前中は馬インフルエンザのワークショップを実施し、5か国(アイルランド、アメリカ、イギリス、フランス、日本)6名の研究者が発表を行い、最新の研究成果やウイルスの流行状況について情報を共有しました(写真1左)。そして午後には本題である国際会議(Expert surveillance panel on equine influenza vaccine composition)が開催されました(写真1右)。各国から「昨年から今年にかけてどのようなウイルスが流行したか」「ウイルスの遺伝子や性質がどう変化しているか(現在のワクチンが有効か)」といったデータが提出され、非常に密度の濃い活発な議論が展開されました。会議内容については後日WOAHから公開される予定です。

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写真1. ワークショップ(左)と会議(右)の様子

 翌10月24日には東京競馬場での競馬観戦会が行われ(写真2)、海外からの参加者も日本の競馬を大いに楽しんでくれました。観戦会の合間には、JRAの吉田理事長が出席し、研究に関する連携協定を結んでいるアイルランドの研究機関Irish Equine Centreとの記念セレモニーを執り行いました。

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写真2. 競馬観戦会の様子

 
 昨年はフランスの研究機関LABEOともセレモニーを行っており(外部リンク;本ブログ「2025年12月4日(木):フランスの研究機関LABEOとの交流」)、今回の協定によって国際的な協力体制がさらに強固なものとなりました。

<外部リンク>https://blog.jra.jp/kenkyudayori/2025/12/labeo-178e.html 

 世界的な権威が集う会議が日本で盛況のうちに幕を閉じたことは、馬インフルエンザの国際ネットワークにおいて、JRA総研が重要な役割を果たしていることを示すものです。今後も世界の研究機関と緊密に連携し、馬インフルエンザ研究の発展、ひいては馬の健康を守ることに貢献できればと思います。最後になりますが、開催にあたりご尽力いただいた関係者の皆様に心より厚く御礼申し上げます。

2026年10月28日 (水)

緊急! 臨床委員会企画ワークショップの参加登録について

現在、PHPプログラム言語脆弱性問題に併せて日本ウマ科学会HPも閉鎖させていただいています。これに伴い2026年12月2日馬事公苑にて開催予定の臨床委員会企画ワークショップ(テーマ;海外招聘獣医師による蹄のバイオメカニクス)の参加登録が学会HPからはできない状況です。

本ワークショップの参加登録は本年11月2日からPHP言語を使わない以下のURLから実施できますので、こちらをお使いください。

<外部リンク>https://equineworkshop.confit.atlas.jp/

不明な点は以下にお問い合わせください。

  • 電話番号: 0285-39-7398
  • FAX番号: 0285-44-5676
  • 所在地: 〒329-0412 栃木県下野市柴1400-4 JRA競走馬総合研究所内

 

2026年10月22日 (木)

緊急! 日本ウマ科学会HPのトラブルに関するお知らせ

HPに使われているPHPプログラム言語に「緊急」レベルの脆弱性2件が発見され、世界的規模で問題が発生しています。これにより日本ウマ科学会のHPもアクセスを遮断させていただいております。

本学会学術集会の参加登録を学会HPにて受け付けていた最中の出来事であり、皆様には大変なご迷惑をおかけしております。

第39回日本ウマ科学会学術集会への参加登録はPHP言語を使わない以下のURLから実施できますので、こちらをお使いください。

<外部リンク>https://equine.confit.atlas.jp/login 

不明な点は以下にお問い合わせください。

  • 電話番号: 0285-39-7398
  • FAX番号: 0285-44-5676
  • 所在地: 〒329-0412 栃木県下野市柴1400-4 JRA競走馬総合研究所内

アジア大会援助に行ってきました

運動科学研究室の高橋です。

 先日、アジア大会の総合馬術競技の援助に行ってきました。

 総合馬術とは、1頭の馬と1人の選手が3日間を通じて行う馬術の要素をほぼ全て盛り込んだ複合競技のことです。1日目に競技アリーナ内で演技の正確さや美しさを競う「馬場馬術競技」を、2日目に自然の中で長い距離の間に設置された丸太や池など様々な形状の障害物を飛越し、馬のスタミナ・スピード・ジャンプ力が必要とされる「クロスカントリー」を行います。最終日は競技アリーナに設置された障害物を決められた順番で飛越する「障害飛越競技」を行い、3種目の合計点で勝敗が決まります。特にクロスカントリーはコースも広いため、アクシデントに備えて多くの獣医が配置されます。競技前には獣医全員でコースを歩き、どこにどのような障害があるかを把握して、事故が起こったらどう対応するかのシミュレーションもしました(写真1)。

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写真1 金のシャチホコと名古屋城をモチーフにした障害

 私が配置されたのはゴール直後のクーリングゾーンでした。馬は筋肉が多いため、運動中の熱産生が多くなります。

 今回のコースは3640mの距離に24個の障害があり、7分以内のゴールが求められたため、速度は競馬ほど速くないものの、運動強度としては非常に高いものです。クーリングゾーンでの役割は、馬の体温測定をする、またはゴール後の異常に対応するというものでした。クロスカントリー競技当日の気温は20度で、雨も降っていたので肌寒いくらいでしたが、運動直後の馬の体温は40度を超えていた馬もいます。競馬場のように歩きながら水道水のシャワーをかけられる施設がない会場では、チーム関係者全員(時には10人程度)が写真2のように冷水をバケツに汲み、馬体にかけては歩かせる、ということを繰り返していました。短くても10分以上はこの光景が続いていました。

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写真2 身体を冷水で冷やしている様子

 華やかな競技の舞台では、選手や馬のパフォーマンスに目が向きがちですが、その舞台の裏側では、獣医師をはじめ、チームスタッフ、選手など、多くの人が馬の状態を見守り、少しでも安全に競技を終えられるよう支えています。特に、今回は台風の影響で競技日程が大幅に変更(馬場と障害を1日で、その翌日にクロスカントリーを実施)となり、クロスカントリー当日も雨が降りしきる悪天候でした。運営側はもちろん、選手も馬も大変な大会だったと思います。その中で日本チームが獲得した2大会連続の総合競技団体銀メダルは非常に価値のあるものだと感じました。

 普段私たちがよく見ている競馬とは違った魅力に触れることができた大会でした。皆様も機会があれば、ぜひ馬術競技にも触れてみてください。