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2019年5月

2019年5月28日 (火)

麦秋の季節

臨床医学研究室 高橋です。

北関東の一角を占める栃木県は、米と麦の二毛作地帯です。作られている麦は、小麦や二条大麦、六条大麦で、二条大麦はビール麦とも呼ばれビールの原料になります。競走馬総合研究所のある下野市周辺では、田植えを終わった水田の中に黄色く色づいた麦畑が広がっています。冬に植えられた麦は、春に成長して5月から6月にかけて実がなり、黄色に色づき、収穫の時を迎えます。米が秋に収穫を迎えるように、この時期は、麦が収穫されるので、麦にとっての“秋”であるため麦秋と呼ばれます。今週は、東京競馬場で安田記念が行われますが、麦秋ステークスもあります。麦秋の風景は北海道が有名ですが、北関東の風景も思い出してください。

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2019年5月21日 (火)

競走馬の生まれ月と勝ち上がり率

臨床医学研究室の三田です。

最近、息子が保育園に入園しました。

同じクラスの子供達の間でも成長に差がみられてとても興味深いですね。

スタスタ歩いている子もいれば、まだおぼつかない子もいたり。上手におしゃべりできる子もいればそうでない子もいたり。

生まれた月が違うのでこのような成長の差は当たり前だと思いますが、競走馬の世界ではこのような傾向はあるのでしょうか。

このような考察は以前からされており、本会のホームページでも紹介されています(https://umabi.jp/news/126)。

この記事では2歳の重賞成績が生まれ月とどのような関係があるのかを調査していますが、今回のブログでは勝ち上がり率との関係を調べましたのでご紹介します。

本会の競馬番組上、3歳の秋には未勝利競走が終わってしまいますので勝ち星を1つ以上あげられるかは競走馬にとってとても重要です。

JRAに登録された2016年生まれ(現3歳)限定のデータですが、生まれ月と勝ち上がり率の関係はグラフの通りでした(7月以降に産まれた馬は頭数が少ないので省略しています)。

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1~5月は概ね20%以上の勝ち上がり率があり、1月から5月にかけて少しずつ勝ち上がり率が低下していました。単年度の結果であることに加えて、他にも様々な要因があるのでこのデータだけで結論づけることは難しいですが、競走馬にも人と同じような傾向があるのかもしれません。

ちなみに、今週は日本ダービー!

過去40年の勝馬の誕生月はグラフの通りになっています。

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2019年5月 9日 (木)

バーリ大学と共同研究始めます。

運動科学研究室の大村です。

今年からイタリアのバーリ大学とより良い馬の輸送方法について共同で研究することになりました。総研での輸送に関する研究は25年前にも行われています。この25年間で研究手法もかなり向上しており、新たなアプローチで取り組んでいけるのではないかと考えています。今回、この研究打ち合せのためバーリ大学に行ってきました。

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バーリ大学はイタリア南部、地中海に突き出た位置にあります。このため、その動物病院には馬や犬、猫だけでなく、ウミガメがやってきていました。ここに持ち込まれるほとんどのウミガメは、トロール網や釣り針によって傷を負った状態でした。胃から巨大なプラスチックを摘出することもあるそうで、海洋汚染を身近に感じるとのことでした。過去4年間で、900匹以上のウミガメが入院し、92%が海に返されているそうです。お土地柄、動物診療の特色を感じることができました。