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2023年10月

2023年10月27日 (金)

あと1年を切りました

分子生物研究室の坂内です。

 何まであと1年かと言いますと、フランスのドーヴィルで行われる第12回国際馬伝染病会議(12th International Equine Infectious Diseases Conference)です。

公式サイト(外部)https://ieidc.org/

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 この学会は4年に1度開催される馬の感染症研究に特化した学会で、私が日本の国際委員を務めています。フランス大会は元々2020年に第11回大会として行われるはずでしたが、Covid-19のせいで1年延期、さらにはオンライン開催となってしまいました。そして今度こそフランス現地開催をと仕切り直し、2024年秋に向け私たちは準備を進めています。

 

 今年5月には各国の委員が現地ドーヴィルに集まって、会場の視察や準備会議を行いました。ドーヴィルはフランス北西部の海沿いにある落ち着いた観光地で、美しいビーチや中世の趣の残る古い街並み、そして種類豊富な魚介を中心とした料理が人々に至高の時間をもたらしてくれます。学会は2024年9月30日~10月4日、ちょうどパリオリンピック・パラリンピックが終わって、競馬の凱旋門賞の直前に開催されます。

Bar_du_soleil_2バーやレストランの並ぶドーヴィルのビーチ

Honfluer_2近隣のオンフルールに残る古い街並み

 私たち委員は、学会のコンテンツを充実させるべく、企画やスポンサー集めに尽力しているところです。競馬をはじめとする馬産業を感染症の脅威から守るため、研究者、臨床獣医師、行政関係者が世界中から集まるこの学会に、日本からも多くの方が参加されることを願っております。演題申し込みは2024年3月中旬から開始します。スポンサーも募集中ですので、ご興味のある方は総研分子生物研究室までお問い合わせください。

 関係者の皆さん、奮ってご参加ください。

 2024年秋、ドーヴィルでお会いしましょう。

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見た目も鮮やかな魚料理

 

2023年10月11日 (水)

北海道馬産地で蹄病について講演

競走馬総合研究所(総研)の桑野です。

 先日、北海道静内にて日本軽種馬協会(公社)が主催する2つの講習会(生産者向け:写真1、装蹄師・獣医師向け:写真2)に講師として呼ばれ、蹄病について講義をさせていただきました。生産地の熱気をお伝えするべく筆を取ります。

3写真1.静内エクリプスホテルで開催された生産者向け講習会。(満員御礼)

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写真2.日本軽種馬協会の研修所で開催された装蹄師・獣医師向け講習会。(満員御礼)

 歴史的に「ひづめ」とは皮爪(ひ・つめ)の読みに、さらに馬の基盤である足に相応しい漢字として帝を当てて「蹄」と書くようになったと伝えられています。大切な器官という認識の表れですね。現在では、蹄は角質だけでなく、蹄角質に覆われた全ての器官を指す用語として定義づけられています。

 当然、蹄の病気についても関心が持たれるのですが、世界的にこれを研究している者は少ないです。病気を解明するには薄くスライスして顕微鏡で観察したり、その成分を水に溶かして生物・化学的に解明しなくてはいけないのですが、蹄を覆っている硬くて水に溶けない角質がこれを難しくしています。

 競走馬総合研究所ではこの難問に挑戦して蹄病を研究し、対応方法を打ち出してきました。今回は、蟻洞(ぎどう)という蹄壁に空洞が発生する病気についてJRAトレーニングセンター(トレセン)の現状をお話ししました。競走馬はトレセンと生産地を行ったり来たりするので、蹄病はトレセン、生産地双方にとって共通の話題であり、トレセンでの出来事を知っておくことは生産地で働く人々にとっても有益な情報となるからです。

 より良い競走馬を育てあげる技術は様々あると思いますが、その中に護蹄(ごてい)管理も含まれています。生産地の皆様は、それこそ足元から学び、大切な競走馬達を育て上げているのです。

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2023年10月 2日 (月)

馬事公苑宇都宮事業所でラストイベント!

JRA総研の桑野です。

9月23日(祝・土)、栃木県宇都宮市にある馬事公苑宇都宮事業所(公苑宇都宮)にて「2023 馬に親しむ日」が催されました。このイベントを最後に、公苑宇都宮は東京へ帰っていきます。もしかしたら、宇都宮で馬のビッグイベントはもう見られないかもと思い、ちょいと覗いてきたのでご紹介します。

 まず、現在の公苑宇都宮の所在地には、元々J R A育成牧場だった所に東京から競走馬総合研究所(総研)が1997年に移設。総研がさらに栃木県下野市に移設後、空いた土地に今度は東京から馬事公苑が2017年に移ってきたという経緯があります。馬事公苑が宇都宮に移ってきた理由は、他でもなく東京2020オリンピック・パラリンピックの馬術競技会場に決まった馬事公苑(世田谷区)の改築に合わせて人馬を移動させるためでした。よって、移動されてきた職員さんは、育成場や研究所の名残がある中、乗馬に特化した施設に組み替えての業務となりきっと色々ご苦労なさったことでしょう。そんな中での最後のイベント。公苑側も熱を入れての開催となったそうです。その結果、嬉しいことに、今回のイベントには3269名(前年比214%)のお客様が来場してくださいました。

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 出し物としてはホースショーがメインですが、来場者の一番人気は乗馬体験です。朝から整理券を配ると、あっという間に捌けてしまいました。時間が来たら、手綱を引いてもらって広い屋内馬場を1周だけ乗馬できるのですが、いつもと異なり、今年は、ちびっこだけでなく、大人の方まで幅広い年齢層のお客様が乗せてもらえたようです。

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 オリンピックが1年延期される中、公苑宇都宮も東京へ戻るのが延期になり、ちょっと長く留まっていたことで周辺の方々にはしっくり馴染んできた頃だったかもしれません。それなのに、「もう帰ってしまうの!」と寂しがる声も。本年10月中には人馬のほとんどは東京に帰ってしまいますが、施設は残り、また新たな事業が模索されると聞いています。同じ栃木県内の事業所で働く職員としてその動向にはちょっと関心がありますね。そして、東京に帰った馬達には、たまには宇都宮の空気を思い出して、ほっこりしてほしいと願います。

Img_4795_4また戻ってきたいな…と思っているやらいないやら....